カテゴリ:手作り作品
和布ポーチの納期が3月2日まで延長されたので、のんびりと編み物を再開しようと思ったら、 実家の母からのSOS。 親戚の結婚式に招かれたのだが、着ていくもので悩んでいるとのこと。
「箪笥に、店が開けるほどの着物があるでしょ。量が多すぎて決められないの?」 「・・・・・。そうじゃなくて、着物を出して着てみたら、30分で気持ちが悪くなってねぇ。」
実家にいた頃は、着物に割烹着姿が多かった母。
ひざを痛めてから着る機会もなく、 「痩せたら治りますよ。」と、医師に言われるほどの余分な贅肉のせいで、 着物からすっかり遠のいている。
今回の結婚披露宴は、父の姉の娘の息子・・・なので、かしこまった留袖でなくてもOK。 「結婚式は4月だけれど、着ていく物が決まらないと落ち着かないのよ。 お姉ちゃん、今日は体調はいいかしら?前に作ってくれたジャケットを持って行くわね。」
《お洒落心を忘れない女は、可愛く、美しい!を実感する。》 母が持ってきたジャケットは、若い頃に着ていたお気に入りの着物をリメイクしたもの。 「これを着て行きたいのよ。どんな洋服を合わせたら良いのか教えてよ。」と、懇願する。
数年前に友人の結婚式に出席した時に作った『ニットのツーピース』を、洋服ダンスから出してみた。 光沢のあるニット素材に、雑誌かコレクションで見て「作りたい!」と、思ったレースの飾りを一針々、丁寧に縫いつけた、かなり時間のかかったドレス。
私の身長は163cm、母は150cm。 私のウエストは63cm、母は83cm。(あれまあ、世界中に公開してしまった。)
見るなり、「あらあ~、素敵!」と、着替え始めた。 ニットなので上着はなんとか体に合いましたが、スカートは・・・・無理でしょ。 泣く泣く、丈を20cmカットして、ウエストのゴムも入れ直して・・・・。 母のお気に入りの着物で作ったジャケットに合わせてみました。 注・これは9号の人体なのでジャケットが大きくてだぶついて見えるけれど・・・・・。 本日、着用したら・・・・ジャストサイズでした。
実はこのジャケットには、黒いボタンをつけてあったけれど、披露宴には地味なので、
『マイ・ボタン・コレクション』の中から、母と選んだパールのボタンに付け替えた。 たくさんのボタンの中には、かなり古い時代のボタンや海外の物もあるのよね。 今はネットで買えるけれど、当時は出かけるチャンスがあると、 蚤の市やアンティークショップに立ち寄って買ったり。 手持ちのドルやフランが空っぽになった事もあったっけ。
洋装の貴金属は、ブラックパールしか持っていないという母に、 真珠のネックレスと、真珠とアメジストのコンビネックレスを差し出し、 「どっちがいいかな?」と、1本ずつかけてみたが、なんだか寂しい感じで、結局、 長さの異なるネックレスを2本一緒に首にかけたら、ちょっと豪華さが増したような。
「ありがとうね。これで、安心して披露宴に行けるわ。」と、安堵の顔。
鏡の前で微笑む母を見て、「そうだ!良い事を考えたぞ・・・・・。」
母の爪にマニキュアを塗った。 たぶん、きっと、私が母の爪に塗るのは初めての事だ。
「嫌だわ~、もう、何十年も塗っていないのよ。オババなのに、恥ずかしいわよ。 この子ったら、全くもう!何をするのかと思えば。ねぇ、お父さん・・・・・。」 父は、腕組みしたまま、身を乗り出して(老眼なのですわ。)、 「お~っ!母さん、綺麗だよ。とっても良いよ。似合う、似合う。」と、 目を細めていた。
恥ずかしそうにする母も少女のように頬を染めた。
介護実習後の次男の言葉を思い出した。 「不機嫌そうなお婆さんに、介護士さんが口紅をつけたら、ニコニコ顔になるんだよ。」と。
『女は、一生、女である事(身だしなみ)を忘れてはいけません。自分は勿論、周りの人も心の持ちようが変わります。』(by・宇野千代さん)
我が家の姑さんも、お出かけが多い(今日も留守)ので、嫁に来てからお洒落談議はよくしますよ。こっちがいいとか、あっちがいいとか・・・・楽しい時間です。 《カフェエプロンを縫いました。》 半年も前に母が友人から「体調の良いときでいいので・・・・」と、頼まれていたもの。 その時に、持ってきたのは『ストライプの生地=2枚』 昨日、母のスカートの仕立て直しをする時に、ロックミシンの糸を黒にかけ変えた。 ついでに、縫ってしまおうか。・・・・で、
持ち込みのストライプは、紬風の和布。
こちらはポリエステルのストライプ。
2枚の布を見て「仕上がりが地味になりそう。」と、思ったので、 手持ちの和柄布の端切れで、遊び心から小さなポケットを縫い付けてみた。 自分好みの『和風・カフェエプロン』になってしまった。 好みじゃなかったら、どうしよう?・・・・・・大丈夫かな?
「おばちゃんが、喜んでいたわよ。あの生地がこんなになるなんて!って。 早速、お店(美容院経営者)のお客様に褒められて、上機嫌だったわよ。」 と、先程、母から連絡が来た。
やっぱり、女は何歳になろうと、綺麗な物が好き。お洒落心をいつも持っているのですね。 母もおばちゃんも、70歳になりました。実際の年齢よりも若く見えますよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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