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ミラン・クンデラを知ったのは何がきっかけだったか思い出せない。ジュリエット・ビノシュが出ていた映画「存在の耐えられない軽さ」の原作はミラン・クンデラだ。
クンデラの本は日本語のものやフランス語のものをけっこうたくさん持っているけれど、全部読んだと記憶しているのは「冗談」だけ。映画もそうだけど、小説も私は読んだあとに比較的早い段階でストーリーをすべて忘れてしまう才能がある。見事なほど忘れる。いい映画やいい小説はそのあとにイメージというか余韻というか味というかそういった感覚、もしくは印象的な場面のみが残る。それはなかなかいいものだと思っている。 クンデラはそういった感覚をけっこう確実に私に与えてくれる作家だと思う。ファンだと思う。ファンの割にはこれを読んだとはっきり言えるものがないのだけど、好きな作家は誰ですかと言われたらクンデラというかもしれない。 本棚の整理をして、読んだかどうか記憶がない本を前に並べた。そしてその中から今クンデラの「不滅 imortalite」を手にして少しずつ読んでいる。最後まで読むのかどうかはあまり重要ではなく、読んでいるときに気持ちがよい。そうして久しぶりにクンデラの本を読んで、そうだったと思い出した。 どの小説かで、「みんなはロンド(輪)のなかにいるけれど自分はその外にいる」というような情景・記述があって、それが印象深かったのだった。「不滅」でもその空気が漂っていて、それが気持ちがよい。ロンドに対して、ほかの人のように夢中になれない。どうでもよいと思ってしまう。もしくは嫌悪感を感じる。そういう感じだ。それがどこかで私の感覚にフィットするのかもしれない。 もともと本を読むのが好きなほうではないのだけど、何年かおきくらいにブームのように本を読むときがある。いい本を読んでいると気持ちが遠くのほうに行っていい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009.11.23 20:42:48
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