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ショパンのピアノトリオ1楽章、明日が本番前最後の合わせの練習。
この曲初めて合わせる前に緊張して一生懸命練習した後、ちょっと力抜いていた感じで、明日は最後の練習なので、もう一度気を入れなおして練習したら、まだまだぼろぼろだとういうことが分かった。 それはさておき、この曲、展開部に入ったところから、ソ-ド-ソ-レ-ソ-ミ♭という音形が続く。これが、ソ-レの部分が五度で左手の一つの指で2つの弦を押して移弦、しかもビブラート欲しいよね、レの後のソにのせるので、左手が苦しいレでクレッシェンド欲しい。そしてこの音形が延々と続いて、終わったところで再現部。初めこの音形がピアノの左手に出て、バイオリンとチェロはユニゾンでそれに応えるけど、早々とピアノは撤退して、霞のような伴奏にまわり、そのあとバイオリンとチェロで交互に延々と続ける。なんか聴いていて退屈だろうなと思っていた。 なんかどう過ごしていいのだろうかわからん時間が結構ある曲なのだが、この展開部の部分もその最たるもの。 昔、吉田秀和の番組である作曲家を取り上げて作品番号1からずーっと放送していくものがあって、ショパンもそれをやっていて、結構エアチェックしていた。その中にこの曲があって、もちろんカセットテープの録音だけど、見つかって聴いていた。新プラハトリオという今はあるのかないのかわからない演奏家のものだけど、なんかよい。それを昨日久しぶりに聴いてみて、この展開部の部分が見えるきっかけを、そしてこの曲の秘密を教えてもらった。まあまともにちょっと分析すれば秘密でもなんでもなく、今まで気がつかずに弾いているほうが恥ずかしいのだけど。 この曲のバイオリンとチェロの関係。たとえば展開部のソ-ド-ソ-レ-ソ-ミ♭のようなのをバイオリンとチェロで交互に繰り返すのだが、実は正確には交互ではなく、先にいくもの、後に続くものがあり、時にバイオリンが先に、時にチェロが先に行く。そして、追い抜きがあるのだ。追い抜きとは、ふと気がつくとバイオリンが先のはずが、チェロが先に行っている。これはちょうど2羽の鳥が空を飛んでいて旋回したタイミングで前後が入れ替わってしまうような、視覚的にいうとそういう動きになっていて、 美しい。。。。 このイメージが浮かんだときに、一気にこの1楽章、美しいと感じた。そう思って聴くと、バイオリンとチェロが一緒になる瞬間などちょうど鳥が並列に同速度で飛んで静止しているように見えるようなどっきりする時となる。 最初の部分のエスプレシーボもバイオリンから始まるけど、そのあとチェロが追い抜くのだ。追い抜いた時にはちょっと前に出ないとと思う。そのあと同じような旋律をピアノが始めるけど、そのときにはバイオリンもチェロも伴奏に回る。バイオリンとピアノが組んだり、ピアノとチェロが組んだりすることはあまりなくて、バイオリンとチェロが対になって飛んでいる感じだ。 大海原の上に2羽の鳥が大きく飛んでいる。時に海に沈みこみまた湧き上がってくる。 この曲はショパンの初期のものだと思うけどやっぱりショパンってすでにすごいなあと思った。 まあこの素敵なイメージを実現するほどの腕が私にないのが残念。 練習の最後は弾けない16分音符を弾けないと思いながら何度も敵のように繰り返す悪のパターンに陥って、今日は終わってしまった。自分でも不快なのにやめられない。 明日はいいアンサンブルができたら幸せだなあと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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