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カルメンにはちょっと詳しかった。
カルメンと言えばビゼーのカルメンが有名だけど、それの原作メリメのカルメンを大学の2年生の原典購読というので読んだ。 2年生の原典購読はこれとカミユのシーシュポスの神話だったことは覚えている。真面目な学生だったので私はちゃんと予習していった。なので一応このメリメのカルメンを全部フランス語で読んだことになる。 でももうほとんど覚えていない。それでオペラのカルメンとこの原作のカルメンは少し話が違うのだけど、今はごっちゃになっていて、話もどうだったかわからなくなっている。 でもこの原作のカルメンはオペラよりも地味で、でももう少し深かった。 ファム・ファタル(宿命の女)。ファタルは運命だけど、よくないほうの運命を言ったと思う。私もファム・ファタルにあこがれてそうなりたいと思ったけど、どう見ても安全そうだった。今もそうだけどね。 それで、なぜかそのメリメを読んでいるときにカルメンが流行っていたのか、先日のゴダールの「カルメンという名の女」とそれからもうひとつ、スペインの監督カルロス・サウラの「カルメン」という映画が封切られた。 当時はこちらの「カルメン」に魅了された。フラメンコ。 アントニオ・ガデスは顔はちょっとえらが張りすぎているし、声もあんまり良くないけど、でも魅せられた。フラメンコの描く体の線がすごくかっこいい。 ここでの音楽はビゼーはカルメンの間奏曲が印象的だった(他のカルメンの曲は使われていなかったのではないだろうか)。そして、パコデルシアのギター。パコデルシアって風貌が武満徹とよく似ている。映画の中でもいい感じでアントニオガデスのそばにいた。 カルメンの役になった人は若くてきれいだけど、やっぱりクリスチーナオヨスは年取っているけど踊りが素晴らしい。 You Tubeにいっぱい上がっていました。いろいろあるけどこれが幕の内弁当みたいに少しずついいところあっていいかしら。アントニオガデスの踊りが少ないですね。ご興味あればYou Tubeで「Saura Carmen」で検索してみてください。 フラメンコのスタジオが窓が大きくて外の林の光が入ってきてなんとなく全体に水色に包まれていてよかった。そしてあすこにある椅子の形とかいいんですね。 何か作品を作っていく過程のようなものが物語で、そういうのがよかった。 フラメンコのステップ、群舞。私はそのころピアノを練習していて(もしかしたらリストのハンガリアン幻想曲だったかも)、私の指はフラメンコのステップを刻む足のようにリズムを刻みたいと思ったけど、このYou Tubeを観たあとチェロを練習していたらやっぱり、このステップのように刻みたいと思った。テンポとかリズムとかうまくイメージできないとき、踊りの足元を思う癖があるけど、もしかしたらこの「カルメン」を観た時から始まったのかもしれない。 今日、ほんとにすごく久しぶりに、この「カルメン」を観て思ったのは、実は、映画としてはゴダールのほうがいいなあということだった。 その、なんていうか、映画としての空気が。 でも、この「カルメン」はとても思い出深い大切な映画です。 「血の婚礼」とかはもっとフラメンコよりの映画ですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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