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暑い一週間が過ぎました。
「暑いですねぇ!この一週間忙しかったのでバテバテですよ」と 部下のY君が言いました。 Y君は入社して4年目の若い社員で、わたしの息子と同じ年なので ついつい、わたしも目をかけてしまいます。 わたしの会社では、休日はカレンダー通りで、お盆休みも一斉休暇ではありません。それぞれが、任意に好きな日を選んで、合計5日間の夏期休暇を取ります。 今週からは、休む人が重なって、月末にかけて人手不足です。 この一週間、Y君は本当によくがんばってくれました。 「グーッといったら旨いぞぉ、よし焼肉でも行くか」 Y君とIさんを連れて、駅前の焼肉店で一杯やることにしました。 二人とも大はしゃぎです。 Iさんは、うちの会社に来て2年近くになります。 生まれつき身体が不自由です。他の会社へ勤めていたのですが、 会社が倒産して、わたしのいる会社へ来るようになりました。 Iさんは、ろくに学校へも行っていません。知能も少し遅れていて 簡単な計算もよく間違えます。でも一生懸命に仕事をします。 わたしは、不憫に思い一生懸命に面倒を見ました。 Iさんも、みんなに迷惑をかけない様に、一生懸命にがんばりました。 簡単な足し算や、引き算を繰り返して教えました。 最近は、間違いも少なくなりました。 でも時々間違いを指摘すると少し落ち込みます。 いつも目の届くところで、怪我などしない様に気を配ります。 仕事の後は、すべてに目を通してフォローします。 時には、厳しく言って、甘やかさず一人前の人として接します。 そして、力を落とさない様に明るく接します。 誰でも人が悲しむ姿は見たくないですから。 いつになく、Iさんははしゃいでいました。 Yくんも痩せの大食いで食べるは食べる。 テーブルいっぱいに並べた肉を、汗をながしながら食べていました。 わたしは焼くのに追われました。 ビールも入りお腹一杯になりました。 「Iさん、大分慣れて来たし、そろそろ他の人に面倒見てもらおうと思うんだけど・・」とわたしは冗談で言いました。 Iさんは真顔になって 「いやや、いやや、一番や、一番や、あんたが一番や、あんたがいい」としがみついて来ました。 「ホンマかぁ~」とわたしが笑うと、必死に抱きついて来ました。 「おいおいおいおい」とわたしがほどくと、Iさんは目に涙を溜めていました。声も少し涙声です。 わたしは「冗談、冗談」と笑って見せました。 Iさんは、わたしと同じ年の男性ですが、汚れの無い少年のようでした。どうやら、長い付き合いになりそうです。 Y君も横で笑っていました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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