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カテゴリ:ぶっくす
先週金曜日に実家に帰り、夜。
翌日が休日って安心感もあり、読書で夜更かしを。 文字通りの「夜更かし」で、朝を迎えたと言っても過言ではない。 一気に読んでしまった。 『虚夢』 通り魔事件によって娘の命は奪われた。だが犯人は「心神喪失」状態であったとされ、罪に問われることはなかった。心に大きな傷を負った男は妻とも別れてしまう。そして事件から4年、元妻から突然、「あの男」を街で見たと告げられる。娘を殺めた男に近づこうとするが……。 (裏表紙より) 実は↑の紹介文、続きがあってこう結ばれている。 人の心の脆さと強さに踏み込んだ感動作。と。 感動作か?(苦笑) いや、決して悪口を言っているのではなく。 表現としてちょっと違うような。感動とは違うような。 2年半ぶりに読んだ薬丸さんの作品。 いつもはブックオフの文庫 それも100円のコーナーでしか買わない俺も これはなんとなく社会人になった気の大きさでか、昨年衝動買い。 まぁ薬丸さんにハズレはないだろ、と。 期待に違わぬ内容でした。 本当の意味で主役ってのはいるんだろうけど 登場人物それぞれにしっかりと物語があるから 誰の目線の話でも引き込まれ、感情を追体験できる。 さすがプロ。 それになんと言っても題材が難しいのにさ。 それを複眼的に捉えることはさらに難しいのにさ。 でもって各々で「小説」と呼べる内容に膨らませる。 膨らませて、収束させる。 そんなん本来困難の極みだよ。 薬丸さんの真骨頂だわ。 伏線あり。もちろん回収あり。ミスリードもあり。 さすが薬丸さんやで。 あまりに作り込まれてるから…俺の第一の感想は「怖い」かな。 いろんな意味で。 あ、そのテの人に対する偏見でなく、ね。 他人の内面なんて他者が判別できるモンでもない。 そう思った。 自分が見てる他人なんて いかにホンの表面的な部分なのかがわかるよ。 ミステリーなんであんま具体的な感想は書けない…。 エピローグでもう少し各登場人物を掘り下げた話を読めればな なんて些細な不満はこの際置いとくとして。 次は『闇の底』だ。見つけたら買おっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.02.09 23:14:25
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