夏が来ると思い出す
昔、まだ道路が舗装してない時 小川沿いの家の人たちは、ほこりがたたないように、 少しは涼しくなるように、長い大きなひしゃくで、川の水を道路にまいてくれた。 わたしは、親の田の草取りについて、近くの田んぼに来ていた。 いつものように、鍛冶屋のおじさんが水をまいてるのをなんとなくみていた。 何度もまいていると、水と一緒に黒い長いものが 宙に飛んだ。 なんと、うなぎ 「あこ、やるわ」ともらった。 わたしは、そんなものさわれないから、親がもらったのだけど。 おおきな桶に入れてもらって、水を張り、木の板をふた代わりにしてもらった。 ちょっとふたが小さかったけど、 夕方、桶をのぞくと、うなぎがいない 猫が食べてしまったということだ。 なんとものどかな話である。 こんな話ひずきにしようものなら、 「おかあさん、どこまでが本当の話でどこからが作り話?」 といわれそうだが、全て本当の話です