シレーヌ、血まみれでも君は美しい。 デビルマン
というわけで、3日開いてしまいましたが、デビルマンです。「良い映画化」「悪い映画化」で区分するなら、間違いなく「悪い映画化」です。 原作との比較ってのをはじめると、しつこいので軽くしておきますが この映画困った事にストーリーの流れは同じなのです。(細かいとこつついたらそれはもう・・・ですが) が、力点が大きくずれています。「シレーヌ、血まみれでも君は美しい」 ってな感じの台詞があります。原本とつきあわせていないので、若干の違いはあるかも知れませんが、シレーヌがデビルマンと闘うシーンでの名台詞です。 傷つきぼろぼろになったシレーヌに、デーモン族のカムイだかカイムだかがシレーヌに語る命がけの「愛の言葉」です。 この台詞の後、彼は自分の首を自分で切断し、傷ついたシレーヌに自分の身体を提供します。(念のためデーモン族は他の生物と合体融合することが簡単に出来る種族です) デビルマン=不動明 に対し、シレーヌが勝利出来るように己が肉体彼女に投げ出したのです。 シレーヌは泣き叫びながら合体し、デビルマンにとどめを刺そうとします。(このシーンで、私は泣きました。) そして、勝利を確信しとどめを刺す一歩前で、シレーヌの命はつきてしまいます。 朝日を浴びて立ちつくす、シレーヌのシルエットの神々しいことといったらありません。 んでもって、このシーンが全て映画化にあたって削除されるというのはどういうことか? これこそ映画的じゃないのか?? 脚本家は、原作読んでここで泣かなかったとしか思えません。 それじゃ駄目だと思います。断言します。 最初から単行本5巻分の原作を2時間の映画に収めるのには無理があるってことは分かっていました。 件の映画みたいに、無理せずぶった切って、VOL1と2にするとか、いくらでも手はある話なのにと思いませんかね? 更に、ラストでデビルマン軍団とデーモン軍団が集団で闘うシーンが良く分からないってのも大問題。 映画的に最大の見せ場でしょう、ここが!! と言うくらいに、語れば語るほど、文句が出そうなのでこの辺で。 10点満点中4点。それでもキャシャーンよりはマシでした。(97歩100歩くらいの差ですが)