カテゴリ:映画
以前「美しい夏キリシマ」を紹介したとき、「父と暮らせば」 もいいよとのコメントをいただいた。 レンタル屋にあったので借りてきた。 黒木和雄の戦争3部作のひとつ。 原作は井上ひさし。 生涯、空襲で友人を見捨てたという思いが 心を痛めていた黒木だが、この作品にも色濃く影響がでている。 被爆した娘(宮沢りえ)も同じような思いに取り付かれていて 一生ひとりで暮らすつもりでいたが、心を寄せる男ができる。 娘の幸せを願う、被爆で死んだ父(原田芳雄)が その恋を実らせようと、守護霊のように現われる。 ほとんどが娘と父、ふたりの会話劇。 おかしくて噴出すような父のセリフもあるが 娘を思う父の思いに、ジンとくる。 被爆の際に、見捨てて逃げろというのに去ろうとしない娘に ジャンケンで決めようという父。 わざと負けようとするのに、負ける娘。 涙なしには見れないシーンだ。 当事者でないと理解できないのかも知れないが 生き残ったものが、生かされているという感情。 戦争のむごさも伝わってくる。 戦争を繰り返さない為にも、忘れてはいけないのだが 広島をはじめ、元ひめゆり部隊の語り部たちが 悲惨さを伝えようとするが、長年話しているうちに 話し方がうまくなり、かえって感情に訴えるものが 薄くなってきているという話を聞いた。 映画も有効な手段で、こういう良質の作品は もっと多くの人に見てもらいたい。 おいらも遅まきながら見たんだが。 評価 ☆☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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