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いきなりカラーで郊外の新興住宅のシーンが 飛び込んでくるから、小津監督作品といっても 「東京物語」なんかと、ずいぶんイメージが違う。 しかも、コメディである。 団地が建ち、テレビが普及し始めた、昭和30年代の話。 主婦たちの近所づきあいや、テレビを買ってくれ とだだをこねる子供たちが起す騒動が話しの中心。 それにしても、すごい俳優陣。 澤村貞子、杉村春子、三宅邦子、久我美子などの 女優はそれぞれ主役をとれるメンバーばかり。 男優も負けていない。 笠智衆、東野英治郎、佐田啓二、田中春男といったところで 殿山泰司が押し売り役で出ている。 こういった大人の豪華な俳優たちに混じって、子役のふたり とくに小学生の弟を演じる子役のこまっしゃくれた演技 がなんともおかしい。 タイトルの「お早う」や「今日は」、「いいお天気ですね」 などというあいさつは、実際には何の意味があるのか と減らず口をたたく子供たちに対して、そういう言葉が 他人とのコミュニケーションを密にすると諭す大人。 いつもの小津らしいセリフだ。 状況設定がヒットした「3丁目の夕日」と同じ時代だが 街中と郊外、あるいは製作年度で、ずいぶん違う。 おいらは先の小学生と同じ年代だから楽しめる。 しかし、今見ると、プレハブのような安普請の住宅に 当時はモダンさを感じていたのかなあ。 評価 ☆☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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