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テーマ:猫のいる生活(139077)
カテゴリ:☆私の物語り
私のウェブホームページはこちらからね。 私のブログをお訪ねくださいましてありがとうございます。 ネコにカツオブシといいますが(それも好き!) 皆さんに、このページを 開いてもらうのも、うれしいです。『このページはリンクフリーでお願いします』 ☆明見の海と人身御供にされた夜伽姫の黒猫 このお話は 前回 のつづきです。・・・・ 侍は家来の異様な姿に驚いたが、よく家来の顔を見ると 濡れているものは柿の渋であることに気付いた。 訝しく思い、その顛末を尋ねた。 家来から一部始終を聞き終えた侍は合点したか 興冷めたか、寝所に居る女性を帰し、村人に対しては 古来より「あまんどう」は武の必需、大事にせよ。 とだけ言い残し、何の咎もせず、鎌倉に帰参した。 村人は事情はどうあれ、自分達に災禍が及ばないことに安堵した。 やがて冬が訪れた。 よく雪が降り、いつもの年より富士の山には雪が積もった。 春になると異常に暖かい日が続いた。 ある雨の晩、雪代が起こり、桂の川の堤は崩れ 田畑は一夜にして流れてきた火山灰に覆われた。 それは次の年も続いたし、ついには死者も出た。 村人は龍神の障りと恐れ慄き、いつしか その怒りを人の命にて鎮めようとする考えに収斂していった。 供え人には、村人から傷物扱いにされていた 夜伽の女性に簡単に決まった。 村人は氾濫して水に溢れる海尻を掘削して水を流し 残った淵に女性を沈めた。 そして、村中総出で近くの山から土砂を運び、 堰堤には蛇篭を敷き詰めた。 そして田畑は生き返り、豊作に喜んだ。 村は豊になり子供も多くなった。 いつしか、犠牲になった女性の事を忘れ、ましてや 黒猫のことなど誰一人として思い出すこともなかった・・・ つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.05.25 05:48:31
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