本のタイトル・作者
ぽんこさんの暮らしのはてな? [ ウルバノヴィチ香苗 ]
本の目次・あらすじ
第1話 電子レンジのはてな?
第2話 クエン酸と重曹のはてな?
第3話 野菜冷凍のはてな?
第4話 湿度と気温のはてな?
第5話 秋の七草のはてな?
第6話 発酵のはてな?
第7話 録音のはてな?
第8話 炭のはてな?
第9話 インクのはてな?
第10話 コンポストのはてな?
第11話 風呂敷包みのはてな?
第12話 家庭菜園のはてな?
引用
ここで扱った12個の「はてな?」には、なるべく普遍的なものを選んでみました。スマートフォンやインターネットが登場しないのも、急速に進化していくデジタル機器の波を避けたためです。
また、インターネットが出てこない理由はもうひとつ、調べものの過程をインスタントにせず楽しむというのもあります。
感想
2022年300冊目
★★★★
記念すべき300冊目!
いやほんま300冊読んでたらな、もう読んで書いて読んで書いての無限ループやねん。
これは、日常のちょっとした「ん?これってどうなってるんだろ?」に立ち止まって見た、というようなほのぼの~としたコミックエッセイ。
私てっきり、留学生をたぬきに模して、古い一軒家でルームシェアして暮らす実録エッセイだと思っていたんですよ。違いました!!
完全フィクションです。たぬきはたぬきです。
各回で、電子レンジってどうしてあったまるんだろ?とか、なんで炭って長く燃えるんだろ?とか、日常でふと浮かぶ疑問(はてな?)を調べてやってみるような内容。
画が丁寧で可愛らしいし、すっきりした構成で読みやすかった。
空気感が『天才柳沢教授の生活』に似ているといったら分かる?
何より「へえ~そうなんだ!」ということがたくさん書いてあってとても面白かったです。
ほんと、世の中って知らないことだらけなんだぜ…。
冷蔵庫の代替フロンが二酸化炭素をフロンより出すことも知らなかったし(代替フロンの代替が今模索されているのですって)、かやぶきの「かや」がススキだったなんて!!
音声は0と1のデジタル録音になるとカクカクするから、細かく欠損が出来て、レコードのアナログ録音の方がなだらかになるとか!!
炭は1gあたりテニスコート1~2枚分の表面積で、においを吸着するんだ…!すご…!あれ気休めかと思ってた…!
というようなことがたくさん書いてあって、とっても楽しいです。
何ていうか、世界っていっぱいいっぱい、いろんな人の力で出来てるじゃないですか。
で、それよりもっといっぱいいっぱい、自然の力に頼ってるじゃないですか。
でもさあ、フツーに毎日生きてたらさ、そんなことスコーンと忘れてるやん?
自分の目の前のことでいっぱいいっぱいになって、視野狭窄になって、ちっこいちっこい、せんまーいとこしか、目に入らんようになるやん?
そういう時に本を読むと、「あーそっかー」ってなるねん。
屈んで何時間も地面の蟻見てたのを、トントンって肩叩かれて、「何?」って振り返ったら、空がめちゃくちゃ綺麗な色やったで、みたいな。
うっわ、世界ひろいな?!こんな広かったっけ?めっちゃきれいなあ。
って思う。蟻も蟻で興味深いんやけども。
たまに空を見たいねん。
だから、本を読むのだよ。
インターネットはさ、やっぱりさ、しゃがみこんだ蟻の世界なんだよ。
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