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2022.11.22
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テーマ:読書(8492)

本のタイトル・作者



invert II 覗き窓の死角 [ 相沢 沙呼 ]

本の目次・あらすじ


スピリチュアル・カウンセラーを名乗る「ゆるふわ系」美人・城塚翡翠。
彼女は「視る」ことで事件を解決するのだと言う―――。

嵐の山荘で起こった事件。
殺人を犯したばかりの少年のもとに、雨宿りに訪れた探偵。

あるいはミステリ好きとして翡翠と友人になったカメラマン。
彼女の殺人容疑を否定するのは、翡翠とのアリバイだが―――。

引用


「そうですね」うーん、と首を傾げて、翡翠さんが言う。「探偵というのは、誰も信じません。他者を信じず、自分を信じることもなく、ただ論理だけを信じる。それは難しい生き方かもしれません」
けれど、と翡翠さんはやんわり笑う。
「だからせめて、感受性を豊かにして、誰かの助けを求める声に、いつも耳を欹てていられる人であってください。そして誰か、この人だけは信じても後悔しないと……、そう思える人を見つけるのです」


感想


2022年302冊目
★★★

倒叙ミステリのシリーズ3作目。
霊媒探偵(あらため「スピリチュアル・カウンセラー」?)の城塚翡翠(ノイシュヴァンシュタイン城の城に宝塚歌劇団の塚です)の物語。
今回は彼女の過去にすこし触れていて、弟の謎とか、それが彼女を探偵にさせたのか?警察との関係は?と続きが気になる深まりかた。
ここらへん、西尾維新の掟上今日子シリーズともちょっと似てるなと思った。

「生者の言伝」は、15歳の少年が綺麗なお姉さんふたりにオタオタしている様子が微笑ましかった。
コメディチックな展開だけに、少年が何とか助かって欲しいと思ってしまった。
この子が可哀想だし良い子なんだよ…。
犯人目線で物語が進む倒叙トリックにおいて、「犯人が自らを犯人と誤認している場合」って確かに新しいなと思った。
探偵は如何にして彼を救うのか?
はじめ、彼が犯人だと思っていたので、犯行を見破った後に翡翠が彼を見逃すのかどうか?という視点で読んでいた。
完全犯罪を逆に仕立て上げそう…と思ったけど、この後の「覗き窓の死角」を読むとそれはあり得ないと分かる。

wi-fiのパスワードが分からないから、この家の子じゃありませんね?
っていうのはすごい今時の推理。
しかし私が読み飛ばしていただけかもしれないんだけど、少年の本当の目的って何だったの?
練炭自殺の道具は、真犯人が用意したものだったんだよね??
そしてお父さんは何者?
この少年、のちのち再登場しそうだな~と期待。

「覗き窓の死角」は、かなしいお話。
丸いもの、は最後まで気付かなかった!
そういわれてみればさらっと書いてあったよ!!
ミステリを読んでいて、よく後から「そういえば」と思うのだけれど、その時は気付かない。
で、探偵が行く先々で事件が起こるのはおかしい、に対して翡翠が多くの人はそれを見逃しているだけ、と言っていたことがまさにこの作品の中でも表現されているよな、と思った。

裁かれなかった罪びとに、その手で裁くのは罪か。

翡翠はあくまでもそれを司法の手に委ねる。
ひとりの人間が下す判断ではなく、多くの人間が、人の社会の仕組みの中で裁くことを望む。
これ、難しい問題だ。

真実と事実は違うのかもしれない。

この前半の「生者の言伝」だって、少年は自分が犯人だと信じていた。
真相が明らかにならないまま逮捕されていれば、彼はどうなっていただろう。
そして少年である彼は、どんな罪を問われていただろう。

たとえばその時、彼の友人は、殺された母の復讐を誓ったかもしれない。

だから探偵が必要なのだ、と翡翠は言う。
おそらくは彼女の過去の、苦く悲しい経験をもとに。
二度とそんなことを起こさないために。

しかし、「覗き窓の死角」は最後のトリックが…。
いくら何でも中座して殺人はな~。
そんで真ちゃんが写真撮ってて気づかんってのもな~。
真ちゃんが別ルートで依頼受けてたのも都合よすぎる。

私はいつも探偵役よりその助手役の人が好きになるので、このシリーズも真ちゃんが大好きなんですが、ラストの彼女の強さ(マンガやアニメみたいに強い)はかっこよかったけど、にしてもアホすぎるやろ。
分かるようにメモを残して来た…ってそこまで書くならストレートに書いたらええやん…。

ともかく、今後の翡翠の過去と、何より真ちゃんがどういう経緯で翡翠の助手におさまっているのかが気になる。
続きが楽しみ。

これまでの関連レビュー


medium 霊媒探偵 城塚翡翠 [ 相沢沙呼 ]
invert 城塚翡翠倒叙集 [ 相沢沙呼 ]


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最終更新日  2022.12.03 23:15:30
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