書名
新訳老人と海 [ アーネスト・ヘミングウェイ ]
感想
「今何読んでるかって?ヘミングウェイの『老人と海』よ」
って答えたかったのに誰も聞いてくれないんだからなまったく。
・
移動祝祭日 [ アーネスト・ヘミングウェイ ]
で、はじめてヘミンウェイを読了し、しかし此処は一つかの有名な『老人と海』を読まずしてヘミングウェイを読んだとは言えないのでは?と思って読みました。カッコいいかと思って(不順な動機)。
長い話なんかと思ったら短かかったわ。
この新訳版も単行本で192pやねんけど、後ろ半分訳者解説やからな。
「え?本編ここで終わり?」って思わず確認したわ…。
訳者による論文的な感じ。少年か青年かでお前どんだけ喋んねん。
うっすらこれまでの人生で聞き及んだ内容と、タイトルからのいつもの憶測類推により、「老人が魚とバトる話。たぶんピノキオのラストシーン的な?」だと思っていたら、半分正解で半分不正解でした。
八十四日間の不漁の後、海で巨大な魚と出会った老人。
見事その魚を仕留めたが、港へ戻る途中サメがやってきてーーー。
ということで、第1ラウンド・カジキとのバトル、第2ラウンド・サメ、という話。
正直、私はそんなに面白いと思えず、ところどころ「うまいなあ」と文章に思っても全体として「ふうん」という感じでした。
年老いたら染みるんだろうか、これは。意味が分かるのだろうか。
面白いなと思ったのが、老人は海をスペイン人のように「ラ・マル」と女性名詞で呼び、その恩恵を得、災厄もまた女性の月経のようなものなのだと考えているところ。
若い漁師の中には「エル・マル」と男性名詞で呼ぶやつがいて、そいつらにとっては海は競争相手か仕事場か敵であるという。
女性名詞と男性名詞がない言語からすると、その印象を変えられる文法上の「性別」ってすごいなと思う。
ヘミングウェイといえば、あとは『武器よさらば』を読みたいかなあ、どうしようかなあ。
あんまり好きになれそうにない気がしてるんだよなあ。
ランキングボタンです。
クリック頂くとブログ更新の励みになります!