239.発注いただきました! [ 朝井 リョウ ]
本のタイトル・作者発注いただきました! [ 朝井 リョウ ]本の目次・あらすじ・森永製菓ーキャラメルが登場する掌編 全三話・アサヒビールー「ウイスキーっておもしろい」を伝えられる小説 全五話・サッポロビールー「エーデルピルス」という商品の価値を広められるような文章・JT-たばこが作中に登場する、「人生の相棒」をテーマにした小説 全四話・小学館「Oggi」-「女性と香り」にまつわるミニエッセイ、もしくは小説・アサヒビールービールが登場する小説 全四話・朝日新聞出版ー自身の18歳のころを描写するエッセイ・朝日新聞出版ー“20”にまつわる短編・KADOKAWA-aikoの楽曲を題材にした小説・JRA-競馬がより面白く見られるような掌編「馬のような人の物語」・早稲田文学「若手作家ベスト11」特集への寄稿・集英社ー集英社文庫40周年記念エッセイ・集英社ー『こちら葛飾区亀有公園前派出所』と『チア男子!!』のコラボ小説・朝日新聞名古屋報道センターー“ふるさと”をテーマにしたコラム・資生堂ー「○○物語」と題したタイトルの小説・銀座百点ー銀座にまつわるエッセイ・小学館ー『アイアムアヒーロー』の世界の中で書くオリジナル小説・朝日新聞ー食にまつわる書き下ろしコラムー全五編・JA共済ー介護の日、年金の日にまつわるエッセイ・集英社ー十周年記念本を成立させるための“受賞”をテーマにした新作引用「自分は正しい自分は正しいって言い聞かせて、自信満々に自分を騙してるんだよって。一条君、そう言ってた。そうすれば、いつか本当に騙し通せるもんだって」(中略)「でも、人生ってそういうものだよね、きっと」志乃の声が、さらに、小さくなる。「自信もって、堂々としてないと、騙せるものも騙せないよね」感想2020年読書:239冊目おすすめ度:★★★『霧島、部活やめるってよ』の朝井リョウさんがデビュー10周年を記念し、これまで発注を受けて書いた作品を集めたもの。発注元・発注内容(テーマ・枚数)→本編(作品)→感想戦(著者によるコメント) という構成が興味深かった。「なるほど、こういう注文受けて、こういうものが出来るんだ」というのもそうだし、著者がセルフ突っ込みしてるのが面白い。よく企業のホームページだとか小冊子に作家が短い話を書いているけど、こういう発注を受けて書いてるんですね。私は二次創作でだいたい1話3,500~4,000字くらいで書くので、発注の字数が気になった。「それは多いなあ」とか「そんな短い字数でどうやってまとめるん」とか。こち亀の話は、著者によるコメントでも書いてあったけど、キャラが勝手に動いて世界がどんな事象も受け止める懐の深さがある。そういう世界観って、稀有。作品のすごさ。朝井リョウさん、私この本で初めて読みました。ここから入るってどうなん。でも、「こういう感じのを書く人なんだ」というのが分かって良かった。もどかしく、苦い。繭の話が出てきたけど、それがよく合う。うっすら白く靄がかかったような、おぼろげな、まだ輪郭をつかめない世界。そしてそこから出て行こうとする人たち。長編読んでみたいな。この本の中では、「朝日新聞出版ー“20”にまつわる短編」の「清水課長の二重線」が好き。日本だけですよね、この二重線&訂正印文化(…中国もなのか?)。Twitterで流れていた、オリンピックが2020年から2021年になるかも、という時の「ロゴとかどうする?」という話で、2020年の最後の「0」に二重線引いてハンコを押して「1」に変えてあるバージョンが好き。↑「みたよ」「いいね」の代わりに押してもらえると、喜びます。