|
カテゴリ:短歌
塚本邦雄について余りに多く触れすぎたかも知れない。しかしそれは、船坂氏の短歌のルーツが氏のあとがきにもあるように、塚本との出会いにあると私も思うからである。そのかかわりの中で氏は塚本の極端に難解な比喩や暗喩、技法等には影響されず、彼の美しい相聞歌や詩語、歌の調べ等に感動し、それらを自分のものとしてきた。そして船坂氏独自の人の心を打つ美しい歌の世界を築き上げてきたように思う。 蛇足ではあるが、氏による塚本邦雄の評論集の発刊を期待している。最後に氏のエネルギーを感じる歌数首を掲げてみたい。(短歌誌ナイルより) * はは持たぬ少年すでに八十年われか生くべく冬空あふぐ * つねに弧を盾とし生くる怯懦とも言はば言へ春 夜の雨を聴く * 詩こそわがしがらみ夏の地の上は狂気乱るるまで熟したり * はつ夏の夜のかぎりを淫けり居り詩歌とはこは永久に幻 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[短歌] カテゴリの最新記事
|