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カテゴリ:庭の花
北九州市在住の松本芙貴子さんの第一歌集です。
角川書店、本年5月発刊、173頁、定価2,700円 著者は、短歌結社「ナイル短歌工房」所属。同結社の甲村秀雄主宰が跋文を書いています。 (1 砂の時計、2 雪明け、3 水無月の空、4 光るおはじき、5 おこげの匂ひ) 文語と口語を巧みに使い分け、しかし仮名遣いは旧仮名遣いで統一した、一種独特な味わいのある歌の群れです。 著者はすでに若いころ、二冊の詩集を発刊しています。詩から生まれた持ち前の感性が温かく優しい性格と鋭い観察眼に支えられ、何んとも言えない豊かな詩情溢れる数々の歌を作り出しています。 表紙のデザインは娘さんが描かれたとのことです。 * あの頃の頬に映りし若草の色をまとへる今日の君はも * 洗濯機に夏の記憶を回しけり海峡越えた旅のまぼろし * まぼろしの中より虹は立ち上がる君が確かにゐた白い浜 * タンポッポ遠く飛べよと吹く風に仔犬が足をふんばつてゐる * “原稿に追はれてゐるの”抹茶ラテのふはりと君に気取つてみせる * おしやべりは女の日々のデトクトスたださらさらと聞き流してよ * 朱を尽くし散りにし櫨の葉のやうにいのち尽くして母は逝きたり * 若き日に父が語りし星の名を終の一首に母は残せり お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
July 9, 2013 08:26:49 AM
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