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諏訪湖のほとり(山岡弘道ノート)

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December 27, 2014
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カテゴリ:短歌
著者は長野県岡谷市在住。「ポトナム」に所属する歌人の第一歌集である。
文語、口語、話し言葉などが自由自在に出てくる痛快な歌群れである。

・収獲だけが好きな妻よと言わるなり真面目な農夫の三歩後ゆく
・身ごもりとしずかに告げる娘の髪をそっと撫でやるさくらの木下
・赤旗が目に入らぬか氷上に人いくたりかわかさぎを釣る
・雪残る遠八ヶ嶺をのぞみつつ春へこがるる木の芽花の芽
・八ヶ岳のふもとのロッジへ中本マリのジャズ聴きに来ぬ春をともない
 (※中本マリは著者の実妹である)
・われなりの流儀に描くデフォルメはセピア色なる兵士わが父
・あなたたちはしたないでしょ何ですかミニスカートを団扇がわりに
・夢に会う吾子は饒舌うつつには電話もメールもなくて七夕
・夏の日の恋は実らず青トマト青春のままピクルスとなる

著者は、音楽教育の一つである、リトミックの専門家でもある。
この本の後記に、解説者が、ポトナム短歌会が「1000号記念ポトナム叢書シリーズ」という企画を立て、歌集出版など思いもよらないと思っていた人達、またいつかは一冊に纏めたいと思っていた人に好機を与えたと書いている。大変すばらしいことだと思う。この本がポトナム叢書第458篇という数の多さに驚いた。
  • 木の芽花の芽.JPG





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最終更新日  December 27, 2014 11:13:47 AM
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