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カテゴリ:マンガ、書籍
小学生のころ、ある日のこと。
となりの家で、仲良しだったひとつ年上のジュンちゃんノリちゃん(ふたりとも男)と、夕方5時半から再放送されていたウルトラマンを観ていた。キーラとサイゴの出てくる回。ひとしきりウルトラマンの活躍が映され、エンディング。そしてCMに。 「…番組をご覧の方の中から抽選で○○名様に、エルムの絵本『ウルトラマン』をプレゼントします。あて先は…」局からのお知らせってやつだ。 それを観ていた私とジュンちゃんノリちゃん、非難轟々。 「こんな絵本、誰がほしがるんだよ~」 「だいたい写真じゃなくて絵本ってのがダメだよなぁ」 「応募するヤツなんていないんじゃないの?きっと」 ま~素直で乱暴な感想を口々に述べたあと、そろそろ夕飯どきってことで私は家に帰った。 靴を脱いで、居間(ってほど立派な部屋じゃなかったけど)に行くと、母が突っ伏してなにか書いてるような…。 「母ちゃん、何書いてんの?」私の問いかけに、母ちゃん言ったもんだ。 「今、テレビでウルトラマンの絵本プレゼントって言ってたから、あんたが欲しがると思ってさ」 …応募ハガキを書いてたのか…。 なんとも言えないバツの悪さ。あの複雑な心境ったらなかった。ジュンちゃんノリちゃんと言いたいこと言ってたあのとき、知らずに母ちゃんを非難してしまったような気がして、泣きたくなったもんなぁ。 結局絵本は当選しなかった。もしかしたら、そのときの私の様子を見て、母ちゃんハガキ出さなかったのかも、と、今にして思う。あと、母ちゃんもテレビでウルトラマンとキーラの戦いを観てたんだなぁ…。 …なんてことを、雑誌「まんだらけ」を見ていてしみじみ思い出した。罪なやつさ、あ~、まんだらけ。私の愛読書のひとつなんだけどね。 どんな本か?簡単に言えば、サブカルチャーグッズのオークション雑誌ってところか。 昔のマンガ、絵本、ブリキのオモチャにグリコのおまけ、ソノシート、アニメセル、台本、他いろんなものが載ってる。本来、それぞれに振られているナンバーをオークション形式で投書して…という、まぁ一種のカタログ雑誌と言えるかもしれない。 私は一度も応募したことはないが(んま~独身時代ならともかく、今タイガーマスクのアニメセルにン万円は出せないって)、そこに載っているグッズの写真を見ては楽しんでる。 記憶の片すみに埋もれていた、ある絵本の挿絵。 暗闇の中、セブンがキングジョーにリング光線を放っているその絵は、たしかにずっとずっと昔、親に買ってもらった本の1ページにあったものだ。 なぜかその指先を咬んでボロボロにしてしまったウルトラマンのジョウロ(空飛ぶウルトラマンの形をした灰色のジョウロ、手の先から水が出るのだ)って、こんなかっこしてたんだなぁ。 妹が生まれるとき病院に駆けつけた際にも手に持ってたマグマ大使の本、そうそうこの表紙だった…、なんてね。 とにかく、見ているだけで埋もれてしまった記憶がポコポコ浮上してくること間違いないこの雑誌。過去に捕らわれることはないけど、ふとしたときに遠いとおい想い出を取り戻したくなった人にはお薦めなんである…。 次回、もうひとつお薦め本をご紹介しよう。これがまたなんとも読んでいて胸のすく思いだったのだ…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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