|
カテゴリ:特撮
昨年暮れだったか、円谷プロが身売りされた、ってなニュースを聞いた。赤字が膨らみ経営破たんで手の施しようが無い状態での、苦渋の決断だったそうで。
日本を代表するヒーローキャラクター、ウルトラマンを抱えながら、否、それゆえの制作費的プレッシャー(ま、ネームバリューから考えてヘタなものは創れんってことか?)も大きかったんだろう。 実際のところはわからんものの、そういう括りで経済ニュースに語られる円谷プロ。 やはりさみしかった。ちょうど母校が他校と合併し、新しい学校となってしまうかのような寂寥感があったな。 で、それに関連してさみしかったニュースがもうひとつ。 今後のウルトラシリーズはCGを多用し、着ぐるみ特撮は極力無くしていくんだそうな。 なんかやだなぁ。 「ウルトラマンメビウス」までを見る限り、必ずしもCG映像が成功していたとは思えん。 とにかく軽い、軽すぎるのだその動き。 ポイント的に使われるならまだしも、メインであの動きを延々とやられたら、それこそテレビゲームなんかと変わらんだろうってのになぁ。 ムック本などを読めば記されているように、かつてのウルトラは特撮に生命を賭けていた。 CGなど夢物語だった昭和40年代、知恵と工夫でいかに迫力ある場面、イマジネーションに満ちた映像を生み出すか、職人の技がそこに光っていた。 機体の下部にピアノ線を付け上下反転させて撮影する(見る側は、吊りものゆえ上部ばかり探してしまうが見えないって寸法)。大爆発のきのこ雲は水槽の中で。戦い終わったウルトラマンが空へ飛び立つ時には板の上に立たせてマンパワーで一気に持ち上げて…。 もちろん今の目で見ればチャチさ、ローテクさを感じるシーンもあるものの、いわゆる“特撮物”が持つ、テレビ画面の向こうに漂う空気、空間がたしかに存在していた。そしてsの空気を嗅ぐのがたまらなく好きだったのである、この私は。 これも昨年末に観た「続・三丁目の夕日」の冒頭。東宝最大の名キャラクター、ゴジラが暴れまくるシーンは意表を突かれ大ウケだった。 (ふと思ったが、ゴジラって昭和の街並みにこそ映えるヤツだな。と、これはいつか日を改めて書きたいテーマ) 役者と、ちょっとしたセット以外はみんなCG。瓦礫とゴジラが襲い来るなかをありえないスピードで爆走するオート三輪がむちゃくちゃイカしてた。いやマジに、オート三輪があんなにカッコよく見えたのって生まれて初めてだ。 いっそこんな調子で三丁目&ゴジラの映画を創ればいいのに、なんて一瞬思ったが、でも万一観たら観たで文句を言ってるに違いない。 ある意味お遊び的なワンシーンだったからこその興奮だったと思うし、全編あの調子でゴジラとカタストロフを描かれたらひたすら疲れるだけだろうしなぁ(数年前のリメイク版「日本沈没」なんて最たるもんだ)。 今の子供たちは知らんけど、円谷職人のミニチュアワークを観て育ってきた私としては、ジュラシックパークの一瞬の驚きより、たとえ背中のチャックやアナログチックな街並みで繰り広げられる異形同士のバトルに心を揺さぶられるのである。 もちろん、前提としてストーリー展開や充実した役者陣、子供にもわかりやすいテーマと魅力ある主題歌etcがあればだが…。 そこで、今年の秋公開予定の「大決戦、ウルトラ8兄弟」。 ウルトラマンティガ~ガイアの三人+メビウス(おーい、コスモスとマックスはどこ行った?ネクサスは…まぁ無理だな)の平成ウルトラ一族4人と、元祖ウルトラ兄弟の中の有名どころ4人との共演ってことで、ま~一体どんな映画になっちまうんだ?と思う半面、一昨年のメビウス映画の完成度を思うとこれは期待しても良さそうな気もする。少なくともウルトラセブンXみたいにはならんだろう(なってもらっちゃ困るって)。あの頃から変わり果てた、つるの剛士くんをマトモに見られるかどうかは一抹の不安材料だけど(笑) あ、ティガが主役ってことは、GUTS(ティガ作品におけるウルトラ警備隊)の隊員たちも出演するのかな?個人的にはレナちゃん(ハヤタの娘、吉本多賀美ちゃん)が観られればいいな。 それはともかく、できれば優れたミニチュアワークと手作りの特撮、そして出しゃばらず且つ効果的なCGをちょこっとだけ用いて観客を(私を)魅了してほしいと思う。 ウルトラの集大成となるらしいこの映画、CGオンリーにならないことを願って。そして願わくばヒットしその資金をもって、ウルトラらしい新作ウルトラがまた観られますように! (なんて言いながら本当は全開のメビウス映画の続編が一番観たかったりするんだけどね) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[特撮] カテゴリの最新記事
|