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反省でいっぱいの人生といえど、
私は自ら何か高邁なるものを 懐中に秘めているかのごとく浅ましくも思い及び、 およそ高邁なものである以上 それはぽっかり宙に浮いている気体のたぐいではなく、 いかなる卑俗の塵に覆われ柵に阻まれても翳らず滞らず 毅然たる光が輝き出ればこそ高邁と呼ばれうるのではないかと、 黒々と巻き返す渦のただ中にも飛び込んでみせる覚悟を決めたのであったが、 しかし人間というのは結局本質では自分の好きなことしかしないもので、 いやだいやだの百万遍ならべたところで 要するにこういう暮らし方をしているかぎり その暮らし方が好きとみなすほかないのではないかと言えるものとすれば、 私がたとえシカメ面をしながらにせよもう何年も続けている 不本意な副業に耐えていられるのは つまりそれが好きなのだと言われても一応やむを得ないわけで、 かりにやむを得ず係る不本意な副業を続けている事情を弁明しえたとしても つまりは弁明付きでなければ通用しない行為だということになろうし、 「お前の為せうるお前の好きなことは結局これすなわち表向きは不本意ぶっている副業 それなんだよ。」と 一笑に附されかねないテイタラクとあいなれば、 嗚呼、私に於ける高邁なるものはどうなってしまったのかと 歯ぎしりするしかないのがおちで、 今も私は腹の中の熱さにあえぐケモノのように溜息をつきかけている。 border="0"> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
May 7, 2007 09:00:42 PM
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