気を抜くとすぐにご無沙汰になってしまいますが、久しぶりの更新。今日も相変わらずピアノトリオのアルバムなのだけれど、これが久々にビビらされたすごいアルバム。マーシャル・ソラールの”NY-1”。
僕もソラールのピアノって明示的に聴いたのはこのアルバムがはじめてだったのだけども、凄いぞこの親父って感じでした。このアルバムを録音した時点で御歳75歳ということなのだけれども、その音楽的な創造力は本当にすばらしい。アルバムには、スタンダートとオリジナルが3曲、4曲とそれぞれバランスよく入っている。勿論オリジナル曲もとてもよいのだけれども、彼のセンスをより良く聴けるのは、スタンダードの曲であると思う(もっと一杯聴きこめばオリジナルのよさがもっと分かると思うんだけれど)。
僕が特に気に入ったのは、6曲目の”Softly As In A Morning Sunrise”。MJQやコルトレーン、ロリンズ等、数々の巨人が演奏してきたこの曲を、ピアノトリオで真正面から取り上げているのだけれども、その凄みに圧倒された。1曲の中でも、スピード、パワーが自在に変化し、ソラールのピアノが本当に縦横無尽に響き渡る演奏である。本当に凄い。
ちなみに、このアルバムはNYのVillage Vanguardで録音されたものだが、メンバーもすばらしく、特にドラムのビル・スチュアートは本当にすばらしい。彼はメセニーのピアノトリオの録音を聴いたときも、ソロイストを繊細かつ大胆に煽りまくる格好いいドラムだと思っていたけれども、このアルバムを聴いて、その思いを再認識した。
それにしても、ソラールをはじめて聴いて、本当に久しぶりに衝撃を受けた。最近思うのは、本当に好きなことをやって生きてきたジジイの作るものって本当にすばらしいということだ(この前ピカソの絵を見ていて心からそう思った)。ソラールも75歳。自分が同じ歳になったら何をしているのだろうとつくづく真剣に考えさせられてしまう今日この頃である。
ViVa 爺さん!!