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昨日は昼過ぎから、fとkと僕の3人で秋葉原に行った。
到着して適当に店を回ったりたこ焼きを食べたりした後、滞りなくメイド喫茶に向かうゴミ野郎3人。 しかしメイド喫茶に入って出迎えてくれたのはまさかの男性だった。(記憶が正しかったらおそらくチーフ)(そしてちょっとおっさん) 席についてメイドさんに注文を頼み、談笑しながら注文が運ばれてくるのを待つ。 幸せのひと時である。 ちなみに注文の際fはホットコーヒーと言いながら一心不乱にメニューの何も書いてない亜空間を指差していたため、メイドさんに鋭いツッコミをいれられていた。 しばらくするとメイドさんがkeiのミルクティーを持ってきて角砂糖を4つ入れ、まぜまぜしてくれくれた。 糖尿病予備軍の鏡である。 その後同じメイドさんが僕とfの注文も運んできてくれたのだけど、このメイドさんはよく話しかけてくれるメイドさんだった。 喜ばしいことではあるのだが、なんだか会話の内容に違和感を感じる…。 「男の人が3人でメイド喫茶に来るって事はそうゆうことですよ!」 「「「!?」」」 メイドさんの発言にエクスクラメーションマークとクエスチョンマークで答える3人。 しかしメイドさんは僕らの浮かべる疑問の表情などには構いもせずに話を続ける。 「まずこの2人は絶対付き合ってるでしょう?」 「マジで!?」 「そうだったの!?」 爆弾発言に思わず顔を見あわす僕とkei。 どうやら彼女の頭の中では決定事項らしい。 突然聞かされた驚愕の設定に僕の中でのkeiの気色悪い度がぐんぐん上昇していく。 ごめんねkei。僕はまだ人類存続の道に見切りをつけるほど人間を見限っちゃいないんだ。 子孫を残すという生物としての重大な責務を放棄する気は無いんだよ。 メイドさんは自重する気配も見せず、膨らむ妄想を無邪気に言葉へと昇華してゆく。 「で、彼は彼のことが好きなんです。三角関係なんです。」 「…ッ!?」 カップリングから外れて安堵していたfの表情が一気に陰る。 甘かったなf。 付き合っているという認識はされてなくてもボーイズラブであるという前提に変わりはなかったようだ。 赤信号みんなで渡れば恐くないという言葉があるが、今のこの状態は大型トレーラーが猛スピードで突っ込んできているのが見えているにもかかわらず、3人まとめて横断歩道に引きずり込まれているような感じだ。 もちろんその危険地帯に引っ張り込んでいるのはこのメイドである。 既にメイドの独壇場と化した悲劇の舞台で、無謀にも声を上げる1人の男がいた。 無論、私だ。 「えっと…。誰が《受け》で誰が《攻め》だと思われてるの?」 何故火に油を注ぐようなことを言っているんだ僕はッ! しかし気付いたところで時すでに遅し。 「う~ん。この人(f)なんか誘い受けっぽいですよね!」 メイドさんの妄想はネクストステージに突入した。 そして (((誘い受けってなんだよ!?))) 僕同様ほかの2人も同じ疑問を抱いているのだろう。 困惑の表情を浮かべる3人。 早くも自分の発言の軽率さに後悔の念が押し寄せる。 やはり素人が迂闊に踏み入るべきではなかったんだ…。 そんな様子を察したのか、はたまた察しなかったのか、メイドさんは親切さにも似た残酷さで誘い受けについてご教授してくださる。 「こうやって胸倉を掴んだりして『いいだろ?』って誘っときながら、逆にこの人(kei)に『お前が言い出したんだろ?』とか言って攻められちゃうんです!」 fが大変なことになっていた。 もはや殺傷能力すら秘めていそうなメイドの妄想が言葉となって大気を揺らし、fの鼓膜を必死の波長で振動させ、確実に精神を蝕んでいく。 たまらず声を上げた。 もう限界だ。こんな残酷な仕打ちは止めてくれという懇願を込めて僕はメイドさんに言った。 「これ…なんか帰りの車の中でかなり気まずい空気になりそうなんだけど……。」 言ってやったぞ! 僕は自分の身に降りかかった悲運をただ成すがまま受け入れるのではなく、自分の意思でその境遇にNO!と突きつけてやったのだ! 僕の必死の抵抗に気圧されたのか、メイドさんは一瞬目を見開くと次のように言った。 「いいですね!そのシチュエーション!凄く萌える!!」 火がついた。 もう終わりだ。 僕たちはここで腐女子の餌食となって精神をボロボロにされ、生ける屍となってただ呼吸をするだけの余生を過ごすのだ。 そんなことを思い、ろくでもないながら楽しかった今までの人生が頭をよぎる。 世間ではこの現象を走馬灯と呼ぶ。 しかしその直後、 「これ以上話が盛り上がったらニヤニヤしちゃうので失礼しますね!」 と、既にニヤニヤした表情を顔に貼り付けながらメイドさんはその場からフェードアウトしていった。 どうやらギリギリのところで助かったようだ。 腐女子恐るべし…。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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