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2010年07月14日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
それは先週の仕事帰りのことだ
電車を降りた途端、土砂降りの雨。

今日は傘を持って出なかったが、駅から家までの所要時間とビニール傘の料金を秤にかけた結果、目の前のコンビニには立ち寄らずに帰宅することを選んだ。

駅を一歩出た途端、無慈悲に降り注ぐ大量の雨粒。

やはりコンビニに立ち寄ろうかと気持ちが揺らぐが、既に全身頭からつま先まで水に濡れていない箇所はない。
諦めと後悔の入り混じった気分で進路を家に定めた。

途中、友人のいる飲食店へ立ち寄って車でカバンを持って帰ってもらうよう頼んだ。
カバンに入れてある本が濡れてしまうのを懸念したためである。
服と体はなんとかなるが、本はやっかいだ。
濡れてしまって続きが読めなくなるなんて事態を考えるだけで身震いがする。

その店に停めてあった自転車に乗り、僕は再び家を目指した。
自転車に乗ると移動速度が増すせいか、降りかかる雨の量も目に見えて勢いを増した。
目に見えてという表現をしたが、実際には目を開いていることも困難な状態だった。

おまけに家路を急げば急ぐほど、風が身体から体温を奪っていく。

正直なところかなり寒くて身体が震え出しそうだったが、この時期に寒いと感じられることがむしろ幸運な気がしてきて悪い気はしなかった。

家に着く頃には服を着たままプールにでも飛び込んだのではないかと思われるほど、見事な水浸し状態になっていた。

玄関にある全身鏡であまりに酷い自分の有り様を確認し、どうしてこうなったと薄笑いをこぼす。

玄関を上がってまず真っ先に風呂場へ向かった。
帰宅後、部屋に向かう前に風呂に入ったのはいつぶりだろうか。
もしかすると人生で初めてかもしれない。

そんなことを考えて風呂を上がると友人がカバンを持って帰ってきてくれていた。

友人に礼を言い、カバンの中身が水浸しになってしまっていないか確認する。




そこにはこんな日の為に入れてあった折りたたみ傘が水滴ひとつついていない状態で大切にしまわれていた。





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Last updated  2010年07月14日 23時48分16秒
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