最期まで・・・
夜中にとても苦しそうにしていた事が嘘のように、朝になるとソファのいつもの場所にチョコンと座っているセナが居ました。お食事も少しできましたし、日中は別段苦しそうにする事も無く、3時にはおやつのシュークリームを美味しそうに4分の一程食べました。いつもの様に夕方のお散歩にも行き、ちゃんと◯◯チもしたので「セナっち、偉いね!」と容態が良くなった事が嬉しかった私は、何度もイイコイイコをしてあげたんです。夕食もいつもの半分位食べ、お夜食のシュークリームをまた少し食べたのが11時位でした。その後少しして又もや前日の夜と同じ、発作のような苦しみが始まってしまったのです。再び身体を大きく波打つほどの酷い吐き気です。抱いて背中を摩っていましたが、その内私の腕をすり抜け床に降りました。少し経つと又私に抱かれ、そして又降り・・・。それは本当に何度も何度も襲って来て、始めの内は立って耐えていましたが、その内伏せの姿勢になり、顔を上に反らせながら「ウーっ」っと唸り声をあげます。小さな身体で必死に耐えているセナの片方だけの目が、苦痛の激しさを訴えていました。ステロイド剤は腫瘍の痛みには効きますが、副作用があまりにも酷い事からこの日は飲ませずにいました。それなのに、何故こんなになってしまうのだろうと思いながら、早く落ち着いてくれる事をひたすら祈っていました。夜中の2時頃になってやっと少し治まったようで、ソファに横になると眠り始めました。呼吸が荒いのが気になりましたが、一時間以上ずっと起きずに眠っているセナを見て安心し、(このまま朝まで眠っているだろう)と思った私も3時半頃ベッドに入りました。寝てはみたもののやはり気になって、暫く耳をすましてセナの様子を気にしていたのですが、前日もあまり寝ていなかったせいかそのうち眠ってしまったようです。5時ちょっと過ぎに突然目が覚め、胸騒ぎと共に飛び起きた私は慌ててセナの様子を見に行きました。するとソファにセナの姿はありませんでした。で、今日は珍しくハウスで寝ているのかと、ハウスの方を見た途端・・・・・心臓が止まりそうになりました!ハウスの前で・・・セナが倒れていたのです。頑張って頑張って、そこで力尽きたのでしょう。へたり込んでしまったかのように床に横向きに顔をつけ、折曲げた足を左右に広げて・・・。「セナ!、セナ!」と何度も呼びながら顔を覗き込むとまだ微かに息をしてはいましたが、もう意識はありませんでした。どうしよう・・・!落ち着くよう自分に言い聞かせながらセナを抱き抱え、ともかくソファにそっと寝かせました。が、その後セナが再び目を覚ます事はありませんでした。セナが息も絶え絶えに苦しんでいた時に、私は寝ていたのです。一晩中起きていれば良かった・・・眠っていた自分にどうしようもなく腹が立ちました。一人もがき苦しみ、どんなに心細かった事でしょう・・・。起きていてもどうもしてあげられなかったかもしれないけれど、せめて側に居て抱きしめていてあげたかった・・・どうして大声をあげてmama を起こさなかったの?どうして一人っきりで逝ってしまおうとしたの?私はソファに腰掛けセナの身体を抱きしめ頬擦りをして、まだ信じられないでいました。悪い夢を見ているような気がして・・・これは夢ではないのだ、と必死に現実を受け止めようとすると、今度は胸がドキドキしてきました。でも・・・・・私の腕に抱かれているセナは明らかにもう苦しんではいませんでした。血も出ていないし、痛くもないし、気持ち悪くもない・・・セナの病との戦いは終わったのです。セナっちはたった今苦しみから解放され、やっと楽になれたのだとそう自分に言い聞かせると、途端に涙が溢れてきました・・・・・。食いしん坊で、やんちゃで、ひょうきんで、怖がりなセナっちはとうとう天使になりました。どうしても決断できずに居る私を気遣って、きっとこんな風に自分から虹の橋に行ったセナ・・・。親バカと知りつつ、言わせて下さい。セナ、 あなたは最期まで優しく勇気ある、誇り高きスコティッシュ・テリアでした。 楽しみにしてたケーキを側に置いてあげました。 天使のいる”クリスマスケーキ”今までブログを読んでいただいて温かい励ましのコメントを残して下さった方、いつも訪れて下さっていた方皆様に心から感謝しております。セナと私にどれだけの勇気を与えて下さった事か計り知れません。本当にありがとうございました。荼毘に付される際、愛用の首輪、そしてケーキ(勿論丸ごと)、シュークリーム、私からのお手紙の他、20日にみなさんから頂いたコメントもプリントアウトしセナの側に置かせていただきました。(セナっちが虹の橋で、どうしてもみなさんにお話したい事があるらしいので、明日はセナに日記を書いてもらうつもりです。お時間があったら読んであげて下さいね。)※October 22, 2006 10:28:58 PM 投稿の記事を July 12, 2013に段落のみ修正いたしました。