藤井棋聖,二冠なるか=王位戦第4局始まる
将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦7番勝負の第4局が19日,福岡市内で始まった。藤井棋聖が勝てば,4連勝で二つ目のタイトル獲得となる。勝負は20日夕から夜に決着する見込み。
藤井棋聖がタイトルを奪取すれば,「タイトル2期獲得」という八段への昇段規定も満たすことから,加藤一二三・九段(80)=引退=の最年少記録(18歳3カ月)を塗り替える。
◆藤井聡太七段の略歴◆
藤井聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日,愛知県瀬戸市生まれ。小1でアマ初段。12年9月に杉本昌隆7段門下でプロ棋士養成機関の奨励会。15年3月の詰将棋解答選手権で最年少優勝(当時12歳)。16年10月に史上最年少14歳2カ月で四段になり,中学生としては史上5人目のプロ入り。デビュー戦では,それまでプロ最年少記録(14歳7カ月)を保持していた加藤一二三九段を下した。名古屋大学教育学部附属高等学校在学中。
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出所:婦人公論.jp https://fujinkoron.jp/articles/-/2201 2020年06月24日
◇大学進学をしないことに賛成な理由
藤井七段は最近,将棋に集中したいということから大学進学はしないという意思を示した。これについては私も賛成だ。勉強でいえば,彼がどの科目が好きなのかはわからない。だが,好きな分野があるなら,進学しなくても本などでも学べる。
私は中退ながら早稲田大学に進んでいたが,知識のほとんどは,学校ではなく本から吸収していった。そういうやり方もできるのだから,大学の勉強に時間を取られすぎるより,いまは将棋の研究に邁進したほうがいいと思う。
糸谷哲郎八段は,大阪大学の大学院まで修了して竜王になっている。そんなことができる人はなかなかいない。藤井七段と糸谷八段のどちらのキャパシティが大きいかといった問題ではない。いまの藤井七段がさらに上を目指していくなら,毎日,最低でも3時間は将棋の研究をする必要がある。その時間を確保することを優先して考えてほしいということだ。
私は藤井七段がデビューした頃から「いまは天才に近い秀才。20歳で八段になっていれば天才と呼びたいが,どこかで伸び悩んで20歳で六段あたりでいれば普通の人になる」という言い方をしていた。
すでに七段になっているということでは,「普通の人ではなかった」といえる。だが,やはり天才と呼べるところまで行ってほしい。そのためにも早く八段になることが望まれる。