藤井棋聖が4連勝で王位奪取 史上最年少での二冠&八段昇段達成
将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦する第61期王位戦第4局の2日目が20日,福岡市の「大濠公園 能楽堂」で指され,藤井棋聖が勝利。無傷の4連勝で七番勝負を制して王位を奪取し,史上最年少となる18歳1カ月での二冠保持&八段昇段を達成した。
藤井棋聖は,前日に規定時刻からさらに20分間の考慮で決めた封じ手が強烈な一手で,徐々にリードを拡大。“千駄ヶ谷の受け師”の異名を取る木村王位に,粘る余地を与えずに押し切った。
二冠の最年少記録は羽生善治九段(49)が1992年に王座と棋王を保持した際の21歳11カ月で,28年ぶりの更新。八段昇段の最年少記録は,加藤一二三九段(80)=引退=が1958年に順位戦A級昇級で達成した18歳3カ月で,62年ぶりの新記録達成となった。
>>>藤井棋聖,開封された封じ手は超常識外の一手=王位戦第4局再開
将棋の藤井聡太棋聖(18)が木村一基王位(47)に挑戦している第61期王位戦7番勝負第4局が20日午前9時,福岡市の大濠公園能楽堂で再開された。
前日から注目を集めていた藤井棋聖の封じ手は,飛車を逃がす「△2六飛」が必然の一手と見られていたが,「△8七同飛成」。常識的感覚ではリスクが高すぎるものの,AIが最善と示していた一手と一致した。
Q.将棋を知らない人のためにわかりやすく例えると ー師匠・杉本八段の解説・コメント-「お金に換算すると飛車って5千円ぐらいだと思うんですけど、それを価値の低い駒、まぁ2千円ぐらいかな、の銀と交換してしまって、あえて自分から損をしていく手なんですね。どう考えても損なので普通はあまり考えないんですよ」
「ただここで損をしても後々取り返してさらにお釣りがくるというか、成果を得られるという先を読んだ手でしたね」
出所:https://news.yahoo.co.jp/articles/b1b8954047941d029d01fb30d81a6c0be6a33cc3
◆藤井聡太七段の略歴◆
藤井聡太(ふじい・そうた)2002年(平14)7月19日,愛知県瀬戸市生まれ。小1でアマ初段。12年9月に杉本昌隆7段門下でプロ棋士養成機関の奨励会。15年3月の詰将棋解答選手権で最年少優勝(当時12歳)。16年10月に史上最年少14歳2カ月で四段になり,中学生としては史上5人目のプロ入り。デビュー戦では,それまでプロ最年少記録(14歳7カ月)を保持していた加藤一二三九段を下した。名古屋大学教育学部附属高等学校在学中。
>>>加藤一二三 九段「終わってみれば完勝。見事な戦いぶり」
出所:NHKニュース https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200820/k10012576311000.html
「棋聖」に続いて「王位」を獲得した藤井聡太二冠について,加藤一二三 九段は「王位戦は2日制の七番勝負で,将棋界では大型のタイトル戦です。藤井さんは見事な戦いぶりで終わってみれば完勝。将棋の内容もすばらしく見事だった」と評価しました。
これまで加藤九段が持っていた「八段昇段」の最年少記録も更新したことについては,「こんなに早く二冠を達成するとは思ってもいなかったし,私の記録を抜いて八段の最年少記録を更新したことも,誠におめでたいことで,お喜びを申し上げたい」と話していました。
王位戦の4回の対局を振り返り,「木村さんの得意戦法や考えてきた作戦に対して,藤井さんが見事に対応していった。藤井さんは作戦がうまく,研究熱心で,早く勝つすべを知っている。大変な将棋でも乗り越えて勝ってきている。今のところ欠点がないように思える」と指摘しました。
タイトルを失った木村一基九段については,「木村さんはとても魅力的でユニーク。私もよく話しましたが,あるとき『私は楽観派だがあなたはどうなの』と聞いたら『超悲観派です』と答えた。とても人柄が表れていて,余裕があっていい棋士です」としたうえで,「今回は千駄ヶ谷の受け師も,受けて,受けて,残念な結果になりましたが,私の年齢を考えると,47歳はまだまだこれからで,奮起して大活躍すると思っています」とエールを送っていました。