1月1日の鹿児島地方気象台発表によると,2020年に桜島で観測された爆発的噴火回数は,2019年の228回よりやや少ない221回でした。なお,今後も
活発な噴火活動が続く可能性があるとして,噴火警戒レベル3(入山規制)を維持して警戒を呼び掛けています。
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令和3年 1月 1日16時00分 福岡管区気象台 鹿児島地方気象台
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<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
令和2年12月28日から令和3年1月1日15時までの桜島の活動概況をお知らせします。南岳山頂火口及び昭和火口から1kmを超えて飛散する大きな噴石や小規模な火砕流を伴う噴火が引き続き発生するおそれがあります。
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1.火山活動の状況
桜島では、活発な噴火活動が続いています。
南岳山頂火口では、噴火が5回発生し、このうち4回が爆発でした。12月29日16時14分の爆発では、気象衛星の観測によると、噴煙は火口縁上3500mまで上がりました。弾道を描いて飛散する大きな噴石は4合目(南岳山頂火口より1300mから1700m)まで達しました。
また、同火口では、1日の未明に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
火山性地震は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生しました。
島内に設置している傾斜計及び伸縮計による地殻変動観測では、特段の変化は認められていません。
GNSS連続観測では、2019年9月以降、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部の膨張を示す基線の伸びが認められています。
桜島では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給、蓄積が継続しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が多い状態が続いていることから、南岳山頂火口を中心に、噴火活動が継続すると考えられます。今後の火山情報に注意してください。
火山性地震、火山性微動、爆発の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
火山性地震 火山性微動 爆発
12月28日 7回 0回 2回
29日 8回 3回 1回
30日 0回 4回 0回
31日 3回 6回 1回
1月 1日15時まで 3回 7回 0回
2.防災上の警戒事項等
南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
爆発に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
桜島 北緯31°35′33″ 東経130°39′24″ 標高1,117m (御岳)
北緯31°34′38″ 東経130°39′32″ 標高1,060m (南岳)
桜島は鹿児島県の鹿児島湾、姶良カルデラの南の縁に位置します。不規則なだ円形火山で南北9.5キロ、東西12.2キロ、周囲約55キロ。北岳、中岳、南岳からなり、標高はそれぞれ1117メートル、1060メートル、1040メートルです。霧島錦江湾国立公園に指定されており、約5000人が火山と共に暮らしています。
もともとは島でしたが,1914年(大正3年)1月12日から始まった大噴火で、幅約360メートル、深さ約75メートルの瀬戸海峡が溶岩で埋まり、大隅半島と陸続きになりました。
桜島を詠む --中村憲吉
桜島すその松山松まじり咲ける椿にうぐひす啼くも
唐湊山に日は入りぬれど海中は桜島嶺のあかあかと見ゆ
--斎藤茂吉
櫻島は 黒びかりして そばだちぬ 熔巌ながれし あとはおそろし
--平野国臣
わが胸の 燃ゆる思いに くらぶれば 煙はうすし 桜島山
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