石川遼,さらなる飛躍に向けて-スイング改造中--
先週の 「KBCオーガスタゴルフトーナメント」で,石川遼(29)=カシオ=は1打差で1年8カ月ぶりのツアー18勝目を逃した。
最終日の石川は,2打差3位から開始し,いきなりボギーのスタートとなったが,ギャラリーの拍手を力に変え,2番から猛反撃。他の日本勢が次々と脱落していく中,最後まで優勝を追いかけた。
最終組のスコット・ビンセント(ジンバブエ)に2打差で迎えた最終ホール。グリーン右手前エッジからの石川の第3打。入ってイーグルならビンセントに追いつくところだが,タップインバーディーで,1打及ばず2位に終わった。期待された,2019年日本シリーズ以来,約1年9か月ぶりの優勝はお預けとなった。
石川は惜敗に悔しさをにじませることもない「満足していない。悔しい部分の方が多い」とし,「これまでの優勝争いより,(気持ちが)フラットでいられる時間が長かった。淡々とできていた」と収穫を口にした。
石川は,今はスイング改造に取り組んでいる。「スイングをつくっている段階。もっと練習したい」と,さらなる飛躍のための助走が続く。
石川遼,さらなる飛躍に向けて大胆なクラブチェンジ-①
今シ-ズンの石川遼,さらなる飛距離を追い求めて47.5インチの長尺ドライバーを使い出したことに注目が集まっているが,それだけではない。10年来使用のエースパターのL字マレット『ODYSSEY PROTYPE ix #9HT プロトタイプ』をブレードタイプ『ODYSSEY ブラックシリーズ#1』にクラブチェンジ。変えたのはヘッドだけではなく,シャフトも35インチから33インチへと短くした。
さらに,先週開催の「長嶋茂雄招待セガサミーカップ」では,4アイアンの代わりに7ウッドを投入した。6月のメジャー,日本ツアー選手権森ビル杯以来の変更でドライバー,3ウッド,5ウッドと4本のウッド系クラブを入れる石川にとっては珍しいセッティングとなった。「4アイアンと7ウッドを比較すると,7ウッドの方が精度が高い。飛距離的には220~230ヤードくらいを打っている」と説明した。
「全米オープン」で投入の長尺ドライバー。-45.5インチから47.5インチと2インチも長く-
石川遼(29=CASIO)が,「全米オープン」で投入した長尺ドライバー。これまでの45.5インチから47.5インチと2インチも長くした。
「長くすると正確性をキープするのが難しくなるが,そのデメリットをカバーできればな」とそれをカバーする術もしっかり磨いている。「たとえラフに打ち込んでも今の飛距離なら(コースを)広く使えるホールがいくつかあったし、残り150ヤードからグリーンを狙ったボールが4~5ヤードしか転がらなければグリーンを長く使えるのでOKなんです」と語る。
>>>石川遼 パターも替えてバーディラッシュ
47.5インチの長尺ドライバーに注目が集まる石川遼。今大会からパターも替えていた。10年前から使用するエースパターのL字マレット『ODYSSEY PROTYPE ix #9HT プロトタイプ』をブレードタイプ『ODYSSEY ブラックシリーズ#1』に変更。
シャフトも35インチから33インチへと短くしたのだ。「ずっとL字を使っていましたが,年齢とともに感覚が変わるのか,35インチが長いだけでなく,重くも感じたので変えました」と理由を語る。石川自身によると,身長の割に腕が長く,肩から腕を自然に垂らしたとき,両手が収まる長さが33インチだった。今までは35インチを短く握っていたが,重さのことも考えて33インチに思い切って変えたという。