>>>西武,プリンスホテルなど30施設売却へ ファンドに1500億円で
報道によると,西武ホールディングス(HD)は保有するプリンスホテルなど国内の約30施設をシンガポール政府系の投資ファンド「
GIC」に売却する方向最終調整に入っている。売却で資産を圧縮し,資金繰りを改善させる。売却後もホテルの運営は続ける。売却総額は1500億円程度になる見通し。
東京都港区の「ザ・プリンス パークタワー東京」,「札幌プリンスホテル」(札幌市),「グランドプリンスホテル広島」(広島市)など,ホテルやゴルフ場約30施設を売却する方針。なお,周辺開発が絡む品川・高輪エリアや軽井沢のプリンスホテルは売却しない。
西武HDの子会社「プリンスホテル」は,運営する49ホテルのうち41ホテルを所有している。売却後もホテル運営は担い,プリンスホテルのブランドも続ける。22年4月をめどに運営と資産保有を分離する。運営は新会社「西武・プリンスホテルズワールドワイド」が担い,「プリンスホテル」のブランドやサービス提供を続ける。
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西武HDは新型コロナの感染拡大で鉄道やホテルの利用が低迷している。2022年3月期の連結最終損益は140億円の赤字と2期連続で赤字を見込む。資金繰りを改善するため資産を圧縮する必要があり、21年5月に発表した21~23年度の中期経営計画でホテルなどを一部売却する方針を示していた。
売却先のGICはシンガポール政府の金融資産を運用する。日本のホテルはコロナ影響で客足が落ち込んでいるが、中長期でみれば回復が見込めるとして投資を決めたようだ。日本は海外に比べて金利水準が低く、相対的に高い投資利回りが見込めることから、外資系ファンドが不動産に積極投資している。