>>“日本一泊まりたい旅館”・加賀屋- 相談役の父が、社長の息子と交代し社長に返り咲き-
参考記事:「週刊新潮」2022年11月3日号
和倉温泉 加賀屋
石川県和倉温泉の温泉旅館「
加賀屋」は、旅行新聞新社主催「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、通算40回総合1位に選ばれてきたが、昨年は2位に甘んじている。
その、“日本一泊まりたい旅館”として名高い「加賀屋」は相談役の父が、社長の長男と交代してトップに返り咲いた。
「加賀屋」の運営会社の代表取締役社長・小田與之彦(よしひこ)氏(54)が10月末で退任し、実父で相談役の小田禎彦(さだひこ)氏(82)に交代。退任の息子は、社長を兼務していた老舗旅館「
つるや」(福井県あわら市)の経営に専念する。
息子の與之彦氏は慶應大学を卒業後、商社の丸紅を経て、米国コーネル大学に留学。99年から加賀屋の経営に携わり、8年前に叔父から社長の座を受け継いでいた。
5代目にあたる息子が齢80代の父親にトップの座を返上のニュースは、NHKはじめ新聞各紙も一斉に報じた。
▼社長交代劇の背景
事情通は、「加賀屋もコロナ禍で宿泊客が減少し、経営方針をめぐって親子の意見の対立が表面化した。新しいことをするにしても“大殿”と呼ばれる父親が実質的な決定権を持ち、お伺いを立てねばならなかった。息子の與之彦氏は自由に経営手腕を発揮できる福井の旅館「つるや」で、心機一転を図るのでは」との推察する。