日比谷の帝国ホテル東京が、業績面で周辺のライバルホテルに遅れをとっている。
帝国ホテルの2023年度上半期(4~9月)の業績は、売上高242億円(従来予想から1.5億円減少)、営業利益5.8億円(同4.3億円増)。前期から売上高と営業利益とも大きく伸ばしているものの、コロナ禍前の2019年度上半期と比較すると減収減益に陥っている。
対して、ライバルの丸の内にあるパレスホテル東京は、9月29日に2023年上半期(1~6月)の業績は、帝国ホテルとは決算期はずれるが、売上高172億円、営業利益40億円とコロナ禍前を上る。
また、日比谷で宴会場・結婚式場を運営する東京會舘も8月25日に2023年度上期(4~9月)の業績も好調で、売上高は約67億円と営業利益は2.2億円とコロナ禍前の業績を上回る。
■帝国ホテルの業績回復が遅れているワケは-帝国ホテは、績宴会部門の売り上げ低迷
名門ホテル・日比谷の帝国ホテルの業績回復が遅れている理由は、宴会部門の売り上げ低迷にあるという。
2018年度の帝国ホテル東京の売上構成比は、宿泊100億円、レストラン67億円、宴会138億円。宴会はその他の売上を含めても、全体の33%を占めた。部門だった。それが2023年4~6月累計の構成比では27%に縮小した。同社は「宴会において法人需要が伸び悩んでいる」と分析している。 帝国ホテルは「宿泊は好調に推移しております」とするが、宴会の低迷を補うほどではない。
■ -新規顧客開拓に向けての取り組み-「幅広い顧客層の取り込み」!!
帝国ホテルとしてもこうした状況に手をこまねいているわけではない。常連客の多い帝国ホテルは、幅広い顧客を獲得する「全方位戦略」に対応して、8月には、帝国ホテル東京の「インペリアルバイキング サール」をリニューアル。フランス料理だけではなく、和食と中華料理の提供を開始した。同ホテルの顧客は2世代、3世代と幅広いため、ファミリー層など多様なニーズに対応をする。
こうした、全方位戦略で立て直しができるのか。名門ホテルの動向に注目される。