”サステナ旅”は新常識なるか 各地でZEBホテルが誕生
新型コロナウイルス禍を経て、人々の旅行への意識はとのように変化しただろうか-。現状、環境に配慮した“サステナ旅”の需要が高まりつつある。その需要に応えるため、ZEBを取得するホテルか増加している。
楽天グループによる旅行予約サービス「楽天トラベル」は、2020年1月から22年12月までの3年間を通じ、旅行時のサステナビリティーへの意識がどう変化したかを調査した。23年3月の発表によると、20~60代の男女約1000人のうち、「意識が増した」という回答が4割を超えた〔図1〕。
楽天トラベルは他にも、宿泊施設を選ぶ際に考慮したいサステナビリティーの取り組みを尋ねたところ、約3割が「再生可能エネルギーの活用による二酸化炭素(CO2)削減や、LED照明などでの節電」と回答した。
国内初のゼロエネルギーホテルである「ITOMÅCHIHOTELO」などの様々なホテルの企画や運営を手掛けるGOODTIME(東京都渋谷区)の明山浮也代表取締役は「旅行で使う交通機関から生じるC02が問題視されることもある。宿泊施設だけでも環境を配慮した方を選択しようと考える人が増えてきた」と話す。
ZEB達成のホテルが増加
観光客などの需要の変化に対し、宿泊施設側が建物での環境配慮をアピールする動きも目立ってきた。
その効果的な指標の1つがZEB(ネットゼロ・エネルギー・ビル)だ。ZEBには4段階のレベルがある。いずれもホテルで達成するのは容易ではない。建物用途別における床面積
当たりの電力使用量は、ホテルが飲食店に次いで2番目に多いからだ。
全国的な数はまだ少ないものの、ZEBを取得するホテルは増え始めている。23年4月開業の「洞爺湖鶴雅 リゾート洗の詞」は、増改築したホテルとして北海道で初めてZEBReady
を実現した。「別府温泉杉乃井ホテル宙館(そらかん)」のように、ZEBOrientedを達成しつつCASBEE(建築環境総合性能評価システム)でSランクとなったホテルも出てきた。