鹿児島県出水市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザウイルスを検出
鹿児島県出水(いずみ)市の養鶏場のニワトリから高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出され、県はこの養鶏場の約8600羽全ての殺処分とした。 鹿児島県によると,出水市高尾野町下水流の養鶏場で見つかった死がいや生きたニワトリ合わせて10羽に対する遺伝子検査で、7羽から「H5亜型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された。 感染拡大を防ぐため、県は26日午前3時すぎからこの養鶏場で飼育されている約8600羽全ての殺処分を行っていて、法律にもとづき26日中に半径10キロ以内にある農場162ヵ所の約522万羽と卵の移動を禁止する方針である。食用のニワトリの出荷額が全国1位の鹿児島県の中でも出水市は屈指の産地で、大きな衝撃が走っている。 ▼鹿児島は有数の養鶏県--2009(H21)年鹿児島県の産出額---・ブロイラー 全国1位 505億円(構成比17.9%) 2位は宮崎県,3位は岩手県・卵 全国3位 246億円(構成比5.82%) 1位は岩手県,2位は千葉県*都道府県別にみた農業産出額では,1位北海道(4,170億円),2位千葉県(4,066億円),3位鹿児島県(4,005億円),4位宮崎県(3,073億)の順。 出典:農林水産統計 http://www.komenet.jp/_member/documents/2010/01-101210.pdf◆出水ナベヅル 高病原性鳥 インフルエンザ 昨年末,国内最大のツルの越冬地として知られる鹿児島県の出水平野に飛来したナベヅルが,高病原性鳥インフルエンザウイルス(高病原性のH5N1型)に感染していたことが判明している。ナベヅルは国の絶滅危惧種であり特別天然記念物にも指定されており,「種の存続という意味で感染の影響は大きい」。渡り鳥の生息地は国境を越えており,日本だけで決められる問題でもない。なお,ツルの殺処分が必要な事態になれば,文化庁の許可が必要となる。 強毒性ウイルスが確認されれば,警戒レベルを「2」から最高の「3」に引き上げ,同省は鹿児島県などと連携し,半径10キロ以内の監視を強める方針。半径10キロ以内の鹿児島,熊本両県には養鶏場とダチョウ農場が計162あり,計520万羽が飼育されている。 国内では,10月に北海道稚内市の大沼で野生のカモのふんから強毒性のH5N1型鳥インフルエンザウイルスを検出。11月には島根県安来市の養鶏農場の養鶏場で強毒性ウイルスに感染した鶏が見つかり,約2万羽が殺処分されている。今月中旬には,富山県高岡市の公園の堀で死んだコブハクチョウから,鳥取県米子市でもハクチョウから強毒性ウイルスが検出されている。▼ツル観察センター :鹿児島県出水市荘2478-4 TEL 0996-85-5151 出水駅から車で30分の市内荒崎の田園地帯の一角にある。ツルが飛来する秋からシベリアへ旅立つ春先までオープン。約1万羽が訪れる。 センター内からツルの生態を見ることができる◆ツル観察センター:11月1日~3月 tel 099-85-5151◆ツル博物館クレインパークいずみご出発3日前まで予約可能