ジャスミン
「てんちょ~も本当にここ最近おかしいのよ。
クリスマスの25日にさ、赤い顔して出勤してきたからどうしたのかと思ったら38度の高熱出して出勤してきてたの!
だから、『お客様に風邪染す気か~!』って怒って無理矢理店を休ませたのよ~、そうでも言わないと絶対休みそうにないでしょ?
前の日の昼間までは全然ピンピンしてたんだよ?なのに急に風邪ひいてくるなんて・・・・いつも自己管理がシッカリ出来ている人なだけにビックリよ。
前の夜にどっか寒い所に長時間居たのかね~?」
スコール
(24日の夜、寒い所に長時間・・・・・・?
まさか・・・・・まさかね、だって私が行った時誰も居なかったし・・・・でも・・・・でも、もしかして大神も私と同じ気持ちであそこに来てくれてた・・・・・?)
ドキン・・・ドキン・・・・・
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
ジャスミン
「ま、 頑丈なてんちょ~が鬼の霍乱で風邪引く事はあったとしても、それ以外にもね~、あんたと一緒で一生懸命いつも通り仕事をやって る事はやってるんだけどね、やっぱり元気が無いんだよね~・・・・
だから、アンタとてんちょ~との間に何かあったんじゃないかって思ってたんだけど。」
スコール
「や・・・・やだな!大神と何かなんて無いってば!
大神は~・・・・ほら、今クラツィーアさんとの仕事も入って忙しいじゃない?
だから~・・・・だから・・・・・・・それできっと疲れてるんじゃないの?」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
スコール
「・・・・・ホントに、誰から見てもお似合いの二人だよね・・・・・。
美容師が1度はヘアモデルとして一緒に仕事をしたいと憧れている髪を持つモデルさんに、お店を二つも構える人気の美容師だもん、きっとお互いに仕事を通してもっと上を目指せる最高のパートナーになれる筈だよね・・・・・。
私は・・・・・デザイン事務所に務めてる普通のOLだし・・・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
ジャスミン
「・・・・・・ね、あのさ、いい加減クラツィーアさんの事に拘るのは止めたら?」
ドキンッ
スコール
「え!?な・・・・っ」
ジャスミン
「前も言ったけどさ、てんちょ~とクラツィーアさんは絶対何んも無いって!
そりゃぁ私だってクラツィーアさんの事は美容師として一緒に仕事出来たら良いな~って憧れるモデルさんだし、人柄も気さくで良い人だと思うよ?
・・・・・正直、私から見てもクラツィーアさんはてんちょ~の事、想ってんじゃないかな~って予感はあったんだけどね、でも、てんちょ~は仕事の上でクラツィーアさんと多く過ごす時間はあっても、絶対アンタの事を諦めてクラツィーアさんの方に気持ちが動く事は無いって!
それとも、ここで自分が身を引けばてんちょ~にとってその方がプラスになるとかしおらしい事でも考えてんの?」
スコール
「ち・・・・ちが・・・っ」
ジャスミン
「正直に!」
スコール
「・・・・・・・・ん。
だって、どう考えたってクラツィーアさんの方が大神に似合ってるし・・・それに、今まで散々大神に対してあんな態度をとっておいて今更・・・・・それに、こんなギクシャクしちゃったのは100%私のせいだし・・・・・。」
ジャスミン
フ・・・・・
「そっか、や~っと素直になったね!良い子良い子エライ!」
スコール
「ちょ・・・!私は子供か!!」
ジャスミン
「ん~・・・・でも、さ、何があったかは知らないけれども、てんちょ~とギクシャクしちゃった原因がスコールに100%あるって言うんだったら、やっぱりそれはスコールの方から歩み寄らないといけないよね?」
スコール
「う・・・・・・ん、解ってる・・・・・解ってるけどさ・・・・・。」
ジャスミン
「それでクラツィーアさんの事も引っ掛かって結果がどうなるか怖い?
・・・・・そ~だね!それが人を好きになるって事なのかもね?
でもさ、好きになるってさ、付き合ったら仕事上好条件になるとか、この人は自分に相応しくないとか、そういうのって関係無いじゃん?
そんな損得勘定の前に素直な感情で人を好きになるんだからさ、それを理性で切り替えようだなんて絶対無理だよ、だって好きなもんは好きなんだもん、自然な感情の事なんだからしょうがないじゃん。
それに、てんちょ~はそういうスコールの素直じゃない性格も熟知した上で全部ひっくるめて今でもスコールの事が好きなんだからさ、もっと自信持って素直になりなよ」
スコール
「で・・・・でも~~~~。
もう、会わなくなってから随分時間経ってるし・・・・大神の気持ちが変ってないなんて保障も・・・・」
ジャスミン
「あらっマジ照れのスコール姉さん可愛い ( ̄m ̄*)
大丈夫だって!てんちょ~は今でもスコールの事が好きなんだから!
てんちょ~を身近に見てる私が保障するよ!だからこそ今てんちょ~もヘコんでるんだしさ。
どっちにしても、結果を怖がってこのままズルズルしてたって、てんちょ~もスコールも苦しいだけでしょ?
だったらさ、このままな~んもしないでズルズル苦しむよりもハッキリ自分の気持ちを言ってスッキリした方が良いって!」
スコール
「・・・・ジャスミン・・・・・」
ジャスミン
「んね!」
スコール
「・・・・・・私、自分では普通にしてたつもりだったんだけど、結局知らない内に皆に心配掛けてたんだね、ごめんね・・・・・。」
ジャスミン
「そ~だよ~!あんたは自分の問題だからって黙ってたんだろうけれども、皆あんたの事が心配なんだから!
それが解ったんなら、今までみたいに一人で黙~ってないで、私に相談するのよん!と!いけない!!
終電の時間が無くなっちゃうわ!悪い!!私これで帰らせてもらうから!
飲むのは良いけど原チャ乗れなくなっちゃうのが不便なのよね~!」
スコール
「あ!ジャスミン!!」
ジャスミン
「ん?何~?」
スコール
「あのっ・・・・・今日は・・・・話しを聞いてくれて・・・・ありがとう・・・」
ジャスミン
「な~によ!改まっちゃって!
んじゃ!また落ち着いたら店においでよ!待ってるから!」
スコール
「ん・・・・・ありがと・・・・・。」
(素直に・・・・・か・・・・・・でも、本当に今更正直に自分の気持ちを言って受け入れてくれるのかな・・・・・?
やっぱり怖い・・・・・
あの時の、悲しそうな大神の顔がどうしても浮かんできて・・・・・・怖い・・・・・)
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
スコール
「って!ジャスミン!
今日奢るとは私一言も言ってないんですけれども~!!」
ガタッ
ゴチ!(by ジャスミン)