【逃亡者『68』】
―銀狼捕獲失敗3日後―マアト「う・・・・うぅっ・・・ヒック・・・・」トントン! マアト「・・・・・・・・・・。」トントン シ―――・・ン・・・ ・ ・ ザクエル「マアト君?居るんでしょう?」マアト!?「ザクエル様・・・・!?」ザクエル「マアト君、もう3日もラボに出ないでどうしたのですか?皆さん、心配していますよ?具合が悪いのですか?でしたら、私が診察しますから一緒に診察室に行きましょう?・・・・ここを開けて良いですか?」マアト「は・・・・入らないで下さい!僕は・・・・僕はザクエル様に顔向け出来ません・・・」ザクエル「銀狼の事をまだ気にしているのですか?・・・・あの事はもう気にしないようにと言ったでしょう?」マアト「・・・・でも・・・でも僕、あんなにザクエル様が楽しみにしてらしたのに、銀狼を逃がしてしまいました・・・」ザクエル「えぇ、確かに、私も強引なのはどうかと思っていましたが、銀狼の協力はどうしても必要なので楽しみにはしていましたよ?ですが、ずっと山賊をしていたような運動能力の高い人間、ましてや我々の事を良く思っていなかった人間だったのならば仕方ないでしょう?私は、彼のデータが取れただけでもとてもありがたいと思っていましたよ?」マアト「でも・・・・でも・・・・・」ザクエルフゥ・・・「入りますよ?」!?マアト「ま・・・・・!」ガチャ・・・・ザクエル「マアト君。」サッマアト「・・・・・・・・・・。」グズ・・・・ザクエル「その様子だと食事は摂っていないのでしょう?いけませんね~。どうです?食事をここに運んでもらって私と一緒に食べませんか?」マアト「・・・・・・・・・・。」 ザクエル「やれやれ・・・・・困りましたね~。折角こちらに居られる時間が出来たのですから、貴方の顔を見たいのですがね・・・?少しでもこちらを向いて頂けませんか?」 ギシ・・・・・ マアト「・・・・だって・・・・僕・・・・・今までこんな失態・・・・」 ザクエル「・・・・そうですね~、君の仕事は完璧でしたよね、不思議なくらいに・・・・。いや、それは決して不思議な事ではなく、それ程君が大人しか居ないラボの中で大人以上に一生懸命努力していてくれていた事は私は解っていましたよ?」マアト「・・・・そんな・・・・頑張るのは当たり前です。ザクエル様の為に少しでもお役に立てるのでしたら、僕は・・・・」 ザクエル「そう言って頂けるのは大変嬉しいですが、少し頑張り過ぎではいませんか?頑張り過ぎて、少しの失敗でそのように弱ってしまった貴方を見るのは私も辛いのですよ?」マアト「・・・・申し訳ありません・・・・・でも、僕は・・・・・」 グイッ!? !! マアト「ザ・・・・ザクエル様!?」ザクエル「・・・・私は・・・・今更ながら後悔しています。君があまりにも幼い頃から優秀だった為に、私のパートナーにと勉強勉強であまり構ってあげられなかった事を・・・・・その為に今、貴方がそんなプレッシャーを持ち続けていた事に気付いてあげられなかった鈍感な私の事を・・・・・悔いています。・・・・ごめんなさい、これでは司教失格ですね。」 マアト「ザ・・・・ザクエル様・・・・・そんな・・・・プレッシャーだなんて・・・・司教失格だなんてっ」ドキドキドキドキ・・・・ ザクエル「本当はもっと兄弟の様に遊んであれば良かった、こうして抱いてあげれば良かった・・・・・貴方の事は、仕事のパートナーとしてではなく、本当の弟のように可愛いと思っているのですよ?ですから、こうして弱っている所を見ると、私まで心が苦しくなります・・・・」マアト「・・・ザクエル様・・・そんな、もったいない・・・・僕なんか・・・・」ザクエル「お願いです、もう少しこうして抱かせて頂けませんか?貴方を抱いていると何だか心が落ち着くのです・・・・私の事を本当の兄と思ってもっと甘えて下さい。」マアト「え!?あ・・・兄?そんな勿体無い・・・・!」ザクエル「シー!」マアト「え?・・・あ、は・・・・・はい・・・・」ドキドキドキ・・・(な・・・・)マアト(何だろ?こんな気持ち・・・・こんな、僕を抱いてくれる人間なんて今まで居なかった・・・・・今までは健康の為に栄養を摂って、健康の為に運動をして、教団の為に勉強する事が当たり前だと思っていたから・・・・・・・・そんな人に抱いて貰うなんて想像すらしていなかった。あの時、あいつ(銀狼)があんな事言ってた時は理解出来なかったけど・・・・ザフィア『あのな~、さっきから有利とか不利とか言ってっけどよ、親ってそんなもんじゃねぇだろ?もっと~・・・・そう、例えば親が居たらこういう風に一緒に暮らしたいとかさ、親に抱きしめられたいとか・・・・子供だったら誰でもそういう風に思うもんだろうが?』マアト『抱きしめられたい・・・・・・?親に?何で?』 ザフィア『何でって お前・・・・ 』抱いてもらうって・・・・・こういう事・・・なのか?何だか・・・ザクエル様の膝の上なんて普通はこんな形でなんか勿体無くて触れられないのに・・・・でも、暖かいっていうか・・・・なんて言うか・・・・)サラ・・・・マアト(・・・・あ・・・・ザクエル様が・・・・僕の髪を優しく撫でてくれている・・・・)ザクエル「・・・・そう、何も心配する事はありませんよ。今までろくに眠ってもいないのでしょう?そのまま眠ってしまいなさい。」マアト(・・・・・ザクエル・・・・さ・・・ま・・・・) マアト(そう、あの時、あのままとんでもない事にザクエル様の膝の上で気持ち良くなっちゃって眠ってしまったんだよな~!気付いたらちゃんとベットの中に寝かされていたから、きっとザクエル様がそのままベットに寝かせてくれたのに違いない!またザクエル様の前でみっともない所を見せてしまったよ・・・・!でも・・・・・『私の事を本当の兄と思って甘えて下さい』って・・・僕の事を本当の弟の様に可愛く思ってるって・・・・親や兄弟に抱いてもらうって・・・・こんな感じなのか・・・な・・・・?)ドキドキドキドキ・・・・ ピッ エド「・・・・!あ~!」 マアト「エド?」 (*^人^*) 良かったらポチッてやって下さいませ~!カメブログですが、ランキング参加中です 全国から注目されているサイトが大集合!ゲーム・アニメ・趣味人気急上昇ランキング