【プーリップストーリー】・・・『出会い 3 』
~4年前~ザー・・・・大神「ったく~!!今日は天気予報で晴れって言ってたのに思いっきり降ってきたじゃないか~!!折り畳みガサ持って来ればよか・・・・・」大神「・・・ん?」・・・・・・・・・パシャパシャ・・・大神「・・・君・・・・具合でも悪いの・・・?早く雨宿りしないと風邪引くよ・・・・?」ザーーーーーーーー・・・・・・・・ ・・・・ ・・ ・クラツィーア「・・・・・良いんです、放っといて下さい・・・・」 大神「放っといてって・・・・ 放っておけるわけないじゃん!」クラツィーア「・・・・・ず~っと頑張ってオーディションを受け続けてて・・・・今日のオーディションで最後のチャンスって決めてたのに・・・・また落ちちゃって・・・・バイトも休みが多いからって首になっちゃうし・・・・レッスン料もとうとう払えなくなっちゃったし・・・・・・もう・・・・・良いんです・・・・・このまま風邪引いて死んじゃった方が楽なんです・・・・親も居ないし、私が死んでも悲しむ人なんて誰も居ないし・・・」大神「はぁ!?(こりゃぁまたエライどん底に落ち込んでるな~)・・・・・君、女優さんの卵?通りで綺麗な訳だ~」クラツィーア「フ・・・・ 綺麗なだけじゃダメなんですって。『人よりちょっと綺麗なぐらいで女優になれると思ったら大間違いだ』とか散々言われましたから・・・・こんなにレッスンだって頑張ってるのに・・・いったい私の何処がダメだって言うのかしら・・・?」大神「う~ん、【髪】だね。」キッパリクラツィーア「え?」大神「お!今『何トボケた事言うてんねん!』って顔したね!?髪を馬鹿にしちゃぁいけないよ~!?人って言うのはね、そのパッと見の印象の殆どを髪の色型で決められてしまうものなんだから~!!そんな栄養不足でボロボロの髪をしていたら『自分の事を磨かない人』って印象を相手に与えてしまうんだから!!オーディションなんて余計パッと見の印象が大事なんじゃないかな~?・・・・・・説教臭くて悪いけどさ・・・・・」クラツィーア「・・・・・だって・・・・お金が無いからそんなお手入れや食事なんて・・・・」グ~ッ キュルル・・・(お腹の虫の音) クラツィーア「あ!」(///_///) カ~・・・・・・・大神「☆-( ^ー゜)b ・・・・・とりあえず僕の所においでよ、このままじゃ本当に風邪を引いて女優さんにとって大事な声まで出なくなっちゃうよ?」クラツィーア!! 「本当に放っといて下さい!!・・・・・・・・私、本当にもう女優なんて諦めるんだから!!」大神「・・・・・そお?僕には本当に諦めているようには見えないけど?」クラツィーア「!?」大神「まぁ、どうせ死ぬ気だったらさ、一回僕ん所においでよ、それでも遅くはないでしょ?」クラツィーア「え!?ちょ・・・ちょっと!!」大神「まぁまぁまぁ・・・・」 ガチャ・・・・大神「なんも無い所だけど上がって上がって~。 ホイ、タオル」ポイクラツィーア「え・・・あぁ!」パサ・・・・大神「ナイスキャッチ♪本当は着替えも渡してあげたいんだけど、唯一の一張羅が今の雨で確実に濡れてると思われるから・・・・悪いね~」クラツィーア「・・・・・ここが・・・・貴方のお部屋?・・・・・・・には見えないけど・・・・」大神「あ、未来の『カリスマ美容師』の大神ちゃんでっす♪ ヨロシク~♪君は?」クラツィーア「・・・・・・・・・・」大神「・・・・・・・・どうしたの・・・?」ササッ大神「??」クラツィーア「ど・・・どんなにお金が無くったって・・・わ・・・私・・・・そういう事しませんから!」大神「はぁ!?」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。大神「プ~!!」クラツィーア「!?」大神「ひっどいな~!!オイラをそういうヤツだと思ってたわけ~!?あ!・・・・でも普通は見知らぬ男が声を掛けて来たらナンパだと思うかって 違う違う!!俺もさ、美容師の卵で今超貧乏生活をしてるから同じような立場として放っとけなかった訳よ~、ここだって家賃を払えないからこれまたカメラマンの卵の友達が借りているスタジオの片隅を月5,000円で更に間借りさせてもらっている状態だし」クラツィーア「今まで・・・・そんなヤツばっかりだったから・・・『お金が欲しいんだろう?』とか『女優になりたかったら言う事聞け』とか・・・・・・・・・でも・・・・・私・・・・・。」大神キッ「・・・・・・・・君は正しいよ!! そんな下らないヤツの甘言に乗せられるな!?プライドを捨ててまでそんなヤツの言う事を聞いたってロクな扱いなんて絶対されないんだから!そんなヤツはな~!急所をガツンと思いっきり蹴り上げてやれば良いんだよ!!」クラツィーア「・・・・・・・・ポカ・・・ン・・・・・・・」大神「あ~・・・・ちょ~っと下品だったかな?でもそれが1番相手の動きを封じるのにキクからね~・・・・・これでも~・・・・信用・・・・・出来ないかな・・・・?」フルフル・・・・((・・ )( ・・)) 大神「フフ・・・・良かった♪んじゃ、とりあえずご飯にしようか?食べて食べて♪」クラツィーア「お弁当?」大神「そうそう!彼女も居ない貧乏さんだからさ~おさんどんを強いられる訳よ。お蔭で花嫁修業はバッチリだね。」クラツィーア「クス・・・・・あ・・・でもこれ、貴方のでしょ?」大神「うん、僕はさっき先輩に奢って貰ったばっかりだったから。君が来てくれて丁度良かったよ~、折角作ったんだけどこれが無駄になるトコロだった♪」クラツィーア「・・・・でも・・・・だったら夜用に・・・・」大神「あぁ、見た通り僕ってば冷蔵庫すらも持ってない貧乏さんでしょ~?今の季節は食べ物を取って置けないんだよね、だから気にしないで・・・・・」グウ・・・・ !!大神「あ・・・・ (///∇///) ・・・・・」クラツィーア「クス・・・だったら・・・・半分ずつ食べましょ?それだったらお互い気にしないで良いでしょ?」大神「あ~~~~・・・・・・ごめん!俺カッコわる!!」クラツィーア「・・・・・ううん、そんな事ないです!ありがとう・・・・・とっても嬉しいわ・・・・私、クラツィーアって言います」大神「綺麗な名前だね、僕の事は『大神ちゃん』とも『お~ちゃん』とも、好きな様に呼んでねん ☆-( ^ー゜)b 」フフ・・・・・ハハハ・・・・・。 あの時半分ずつ食べたお弁当の味は忘れないわ・・・・・・・・・・・・でも、その後・・・・・・・・・・・・。