十勝・帯広・八千代の極楽トンボ

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• 冷たい暴風の中、不気味な地震

  　朝から天気は荒れ模様。仕事先の作業小屋の屋根が騒がしい。外を見ると、あられだ。丁度ポロシリ岳の方向、西から強風が吹きつけ、雨とあられと雷と賑やかなこった。「天気予報では午前中晴れマークで、午後かさマークだったよね」「でも帯広市内は朝、晴れてたよ」と、市内から来ている人が言う。「あれまあ、やっぱり山付近は違うんだ」とかなんとか、賑やかに作業していたが、夕方近くなると、強風が暴風になってきて、山から雪が横殴りに降りつける。「やだねえ、やだねえ。はよ帰ろう」夜になって、風は強まるばかり。ゴーーーー。ヒューーーーー。ウイーーン。２階が揺れる。一体風速何メートルだろう。この家もつんだろうか。昨日、ＤＶＤに収録した「the day after tomorrow?」を見て、ひょっとしたら起こりうることだと不安になり、今夕、ＤＶＤのＮＨＫスペシャル　地球温暖化の第１話を見て、まるで、映画と一緒だと深刻になっていた。８時１５分過ぎ、パソコンが変に揺れる。座っている椅子の下から、にぶーい感触で揺れてくる。家の中に風は入っていないのに？暴風のせいじゃないぞ。ナンだこの揺れは。何か起こる前兆では・・・？すごーく心細くなって、階下に非難しようと考えたその時、「えらいにぶい揺れの強い地震だったねえ」だんな様の声がした。そうか、地震だったんだ。冷たい暴風の中、地震で家が傾いたら、一体どうする？考えただけでも、おおコワ。風の音が聞こえんよう、早いとこ布団に潜り込もうか。

  2006/11/22

• カイロを貼って作業中

  　一昨日の深夜に降った雪がまだ残っている。初雪は昨年より遅かったが、積雪は１０日ほど早い。暖冬だと毎年言われるようになったが、果たして雪の具合はいかがなものか。　さて、２日前から、薬草のセンキュウ選別作業の手伝いに出ている。雨で休んだ以外、長芋の後すぐにセンキュウの作業に出かけたので、だんな様が、いつまで続くのかとあきれてしまい、相手にしてもらえなくなった。　しかし、花壇も農作業も終わった今、さて今日は何をして過ごそうかと、少々悩むよりましだと思っている。　農家の手伝いには、楽な仕事はないねえ。今回は、土ぼこりと強烈な匂いと、ベルトコンベアに目を回している。雨だろうが強風だろうが、はたまた雪だろうが、屋内でストーブの付いた作業室はありがたい。　目と手を動かしながら、６０歳代の女たちが、近所の情報や料理のこと、老親のことやだんなのこと等、気晴らしに口を動かすのは結構楽しいもんだ。今回、どの作業でも体調が良い。長いもの時は、ホットカイロを腰に張って、大成功だった。今回は、背中に疲れが集中したので、ためしに背中の真ん中に張ってみたら、匂いも、コンベアの動きもあまり気にならなくなった。雪の降った日に、調子に乗って遠赤外線なんたらという上着を羽織っていったら、背中が熱くなってしまった。午後から薄手の上着に着替えたが、低温やけどするとこだった。母がやたらに肩や腰にシップを貼り付けているが、ひょっとするとポットパックも良いかも。

  2006/11/17

• タイヤ交換終了

  　連日の悪天候で、長芋掘りは結局２日間お休みとなった。明日あたり、平地でも積雪が予想されるという寒気団のお出まし情報が出て、さっそく隙間をねらって、冬タイヤの交換をしてもらった。来年の５月中旬までこのタイヤのご厄介になる。　休日２日目の今日、コープのパイシートでアップルパイを焼いた。１０月に青森旅行した折、お土産に買ってきたアップルパイがあまりにもお粗末だったので、この程度なら自分で作った方がましではないかと挑戦したわけ。　最近、紅玉が手に入らないので、リンゴ選びに困ったが、パイシートのお陰で、なかなか上手い具合に出来上がった。今度は、薬草センキュウの選別作業を手伝うので、アップルパイをお土産に持参しよう。お土産のアップルパイより美味しいかもよ、と自慢してこよう。　夕方、ガレージに置いてある漬物を取りに外へ出たら、あれ！”雪だ“星が見えるのに、ハラハラと舞い落ちてきた。今日は本格的に暖炉を燃やしたし、いよいよだなあ。除雪機がうまく作動するか心配。

  2006/11/12

• 今回は疲れた

  　今日の長芋掘りは辛かった。６日に一箇所のK農家の出面は終了したのだが、いつもお世話になっている近所の農家の長芋作業が終わっていないので、手伝うことになった。　昨年も粘土質の土には閉口したが、今年は連日、夜中から朝方の雨のせいで、どっぷりと水分を含んだ土と粘土に泣かされている。　よっこらしょと力を込めて抜きあげた長芋には、その数倍の土がべったりとくっつき、重たいこと！　多少土を落として、トレーラーに乗せるのだが、たちまちゴム手袋は泥んこ。頑強な土壁に阻まれ、もう手で抜き取ることが出来ない。傷つけないよう注意を払いながら、鉄の棒で周辺を掘り、やっとの思いで抜き上げる。　先週まで手伝った農家の土とは全然違う。１００年前、ここに移住してきた人たちは、相当の苦労をしたんだろうなと思わず頭をたれてしまった。　なんやかんやと用事ができて、掘り手が減ってしまった。一体何時になったら終わるのかと、うんざりさせられる。何人もの手伝いを雇い、やっとこさ収穫した長芋の値段が下がりつつあるとか。スーパーでも長芋はそんなに高くないし、ジャガイモほど利用範囲が広くないし・・・。つくづく農家は大変だと思う。　両手が腫れぼったくなってきた。久しぶりに疲れ果て、早々とお風呂に入り、ぼーとしていたら、だんな様が夕食の準備を始めた。毎度ありがとうございます。昨夜のK農家主催の打ち上げ会にだんな様もお呼びがかかり、「奥様には、大変お世話になりまして」と挨拶されたのが効いているみたい。「ご飯できたよー」いい匂いが二階に上がってきた。

  2006/11/09

• いよいよ長いも掘り

  　連日の秋晴れの中、一斉に長いもの収穫作業が始まった。本日で出面は４日目。ようやく体が馴染んできたが、今、手伝っている農家の畑が、車で２０分ほどの所にあるので、日頃起きたことがない時間に早起きして、弁当を作るのには、少々くたびれる。　珍しく暖かな日が続いているので、汗だくになっての肉体労働だ。穴を掘るユンボの上手下手で、長いもを掘り出す側のスピードが違ってくる。掘り手側のスピードが速く、追いつかれそうになると運転者は浅く掘って、ちょっと意地悪する手があるそうだ。　へたくそな運転者だと、長いもを傷つけてしまう。結構難しそうだ。　勿論、今回の農家のご主人は、ベテランで、意地悪もないが。朝５時過ぎのまだ少々暗いうちからユンボを動かし、昼食休憩もほとんど取らず、我々が１０時と３時におやつ休憩している間も、ずーと動かし続けても、夕方終了間近かには、追いつかれてしまう。上手く掘らないと苦情が出るしで、なかなか辛い仕事だねえ。　よたよたと我が家に帰り着き、万歩計を見ると、連日１２，０００～１７，０００歩。中腰の作業が多いので、腰がだる痛い。ホカロンを貼って骨盤ベルトをギュッと締めて、予定ではあと２日。何とかもたせるぞ。

  2006/11/04

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  冬が来る前に・・・

  　最高の秋晴れ。早朝の冷え込みで、初氷が張った。　もうこちらは晩秋だ。今年最終の収穫作業が始まった。長いもの種芋用の穴掘り機械の音が聞こえる。ビートを運搬するトラックが、猛スピードで駆け回る。隣の牧場では、朝から堆肥を散布するトラックが一日中走り回っている。 　風も無く、絶好の日和だと、ビニールハウスのビニールを剥すことになった。去年は、知り合いの若者にアルバイトで剥してもらったが、今年は自分たちでやることにした。本当は、今年は剥さず、周辺の除雪をするつもりだったが、だんな様が除雪を嫌って、「剥すくらいやってやろうじゃないか」と豪語したので、これは願っても無いチャンスと、なったわけだ。　作業は、ペンチと梯子と紐があればよし。ビニールを押さえつけているワイヤーを取りこぼして巻き上げ、ビニールを少々破いてしまうというハプニングがあったが、１時間半少々で、終了。「恐竜の骨」のような姿で、寒そうに見える。日中の暖かさで、まだ赤い実をつけているイチゴも、ほったらかしで咲き乱れているペチュニアも、どなたさんも、来年の４月まで御機嫌よう。 　作業完成に満足げなだんな様、日頃箸より重いものを持たない生活のため、「あー、疲れた。汗かいたよ。おやつにしよう」「おおきに、ありがとう」これで除雪なし、雪でつぶれることも無し。何はともあれ、これで安心して冬が越せると言うものです。

  2006/10/30

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  センキュウの植え付けはベルトコンベア

  　霜が降りそうな寒さの朝。１０月初旬にもぎり取ったセンキュウの種植えを手伝うことになった。この作業は、４人が一列に並んで、流れてくるケースに種を一個ずつ入れていくという、至極単純な仕事である。４人並ぶと言うことは、一度に４畝植えるということだ。　 　 農家の奥さん以外、３人ともビギナー。そして平均年齢６０数歳。 こんな単純な作業ながら、私に出来るだろうかと、みんな緊張気味。 「ともかくやるしかないよ」 「そうだ、そうだ。やるしかない」 空元気で、機械の座席に乗り込む。トラクターが動き出す。タイヤと連動してレーンが動き出した。両手に持った種を落としていくが、種が大きかったり、小さかったり、ひげが邪魔したりで、なかなか調子がつかめない。「２個入ってもいいから、空きは作らないでよ」この注意を守ろうと、真剣に手を動かすが、スピードが少し速くなると、とたんに「待って！　　ストップ、ストップ！」と、誰かが悲鳴を上げる。片道三百間の畑を往復する間に、数回、トラクターを止める騒ぎとなった。「生えてこない畝は○○のせいデース」「沢山出てるのは、△△のせいデース」スピードを、コンマ１落としてもらっただけで、やっとこ慣れてきた。２往復したら、やっと１０時の休憩。熱いお茶をよばれながら、体のこわばりをほぐしてやる。「ひげが邪魔だねえ。この作業をしてはじめてわかったよ」「ちゃんと取ってないのがいくつもあったね」「わたしはちゃんと取ったよ」「じゃあ、ここにいない人が取らんかったんだ」と他人の性にして笑い飛ばす。　畑の真ん中を走るベルトコンベアに、振り回されそう。入れても入れても、ベルトが流れて、エンドレスだ。途中で、自分は何をしているのだっけ、なんて妙な気分になる。いかん、いかん、、両手に持った種を落としながら数える、１，２，３，４，５。そして、また、がばっと両手に種を掴む。スピードさえ合ってくれば、まさに年寄り向きの仕事かも。チラッと畑の向こうを見る。目印の林が近づいた。やれやれ、やっと真ん中だ。　農家の息子が、手が空いたとやってきた。待ってましたと、一人が早々にリタイヤしてしまった。　突然、ガタガタという異様な音。どうやら、どこかのレーンがはずれたようだ。この機械はじゃがいもの種いも用植え機で、借り物。他所の機械を直せるのかしら、と機械の下に潜り込む親子をただぼーと眺めていた。ひょっとして、今日はこれで終わりかも、と抱いたひそかな期待もむなしく？すごいねえ、見事に直してしまった。この間約３０分。「農家は、何でも自分でできんと、仕事にならんから」そうだねえ、畑の真ん中で、１時間も修理屋を待つわけにはいかんわなあ。夕方近くの突然の休憩で、かじかんでしまった指をほぐしながら、今度は、手元用のライトを点灯して、再開だ。「こんな明るい場面は、なんだか人に見られるようで、恥ずかしいわ」定年退職したばかりで、農家の仕事は全く初めてと言うご婦人が、嬉しそうに言う。「見てくれる人なんか、どこにもおらんけどねえ」そうなんだ、あたり一面見渡しても、人の姿は我々だけ。ひょっとしたら、キタキツネが「暗くなるまで大変だねえ」と林の中から見ているかも。　５時前、ようやくこの日の作業終了。両肩が張ってしまった。股を開いて座っているから、内股が痛い。腰もなんとなくだるい。全く、楽な仕事なんてないねえ。今夜は、両肩に思いっきりシップを吹き付けてやろう。　３町歩（約９０００坪）あると言う畑への植込みも、１日半で終了した。来年の春には芽が出揃うはず。

  2006/10/25

• 初霜にやられた！

  旅行から戻ってきたら、庭の雰囲気がどうも違う。母屋のベランダに並べてあった球根ベゴニアが無い！よーく見たら、霜でしなーと萎れている。出かけるときは、とてもきれいに咲いていたのに。ショックだなあ。それにしても霜の来るのが早すぎる。庭を見渡すと、コスモスも、千日紅も、ナスタチウムも全部やられて、見る影も無い。ナスタチウムは種までしなっとなってしまった。何十株も植えたので、来年はもっと沢山種を蒔こうと楽しみにしていたのだ。　気を取り直して、旅行前に掘りあげたままの、水仙とカサブランカを植えることにした。牛糞堆肥を入れ、有機配合肥料を入れ、ようやく下準備完了。水仙３０個、カサブランカ２０個ほど植え込むのに、２時間弱かかってしまった。さあて、これで、来年はさらにきれいな花が見られるぞ、と腰を叩きながら眺めていたら、お隣のワンちゃんがやってきた。「ここは入ったらあかんよ」「これ！、入ったらあかんと言うてるのに！」ふかふかの軟らかい土だから、ワンちゃんも気持ちいいのだろう。追い返して、２階の窓から、見下ろすと、点々と足跡が付きまくってた。明日は、霜でやられたナスやピーマンの抜き取り作業だ。まだ４時半というのに、薄暗くなってきた。秋の終わりを実感する。

  2006/10/18

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  流鏑馬に出会った

  　今日は快晴。青森での最終日だ。一日天気がずれた様でちょっと残念。当初から、この日は八戸までの移動以外、何にも計画なし。昨夜見たテレビで、丁度、十和田市内で“駒フェスティバル”の開催予告があったので、寄っていくことにした。朝方の冷え込みで目が覚め、慌ててストーブを点けた。さっそく、大浴場にて身体をあたため、元気に階段を上がって腹ごしらえの準備をしよう。　８時、新館の食堂で朝食を済ます。八甲田方面に行くのか、近くの沼を散策するのか、登山スタイルの中高年者が、外来待合所のような部屋で、ストーブを囲みながら自前のコーヒーを飲んでいた。なるほど、こういう楽しみ方もあるんだな。　外見はものすごく古そうな帳場で会計をする。でも、いまじゃどこでもパソコンの時代ですな。机にはノートパソコン。電話を受けながら、マウスをクリックして、「ハイハイ、お一人様追加ですね」「カードでもいいですか」「はい、どうぞ、どうぞ」だんな様曰く「古そうな帳場然としてたので、まだそろばんで計算してるかと思った」「あほなこと言うたら怒られまっせ」　８時半、一路車は国道１０２号線を走る。途中の道の駅で、土産物屋さんを物色。同じエリアに、麦芽館があった。この麦芽館の地ビールとビーフシチュウーがお勧めで掲載されていたが、湖畔のマスターに、遠いですよと言われ、あきらめたとこだ。そうか、こんなとこにあったのか。どうも、旅行ガイド誌は土地勘が良いか、よほど詳細な地図を持たないと、目的地に到達しづらいところがあるようだ。　十和田市内の中央公園での“駒フェスタ”を覗く。何とか省からお役人が来て挨拶している。結構大規模な催しのようだ。中央ステージの馬場では、高校生から社会人までの乗馬クラブの面々がさっそうと馬と駆けている。先頭は高校日本一の選手だそうで。カッコいいねえ。　 　流鏑馬（やぶさめ）競技の予選が始まった。間近で見るのは初めて。「各地大会の優勝者が十和田に集結！６０余名の騎士が競う“日本一”決定戦」馬も騎手も伝統的な古式ゆかしい装束（特に女性は赤や黄色、花柄などの和装が美しい）で、１００メートル疾走する間に、３つの的に矢を射抜く姿は、なかなか見ごたえがある。１５秒余で走り抜けるために、相当のスピードで駆け抜けていく。当たり前だが、それぞれの手に弓と矢を持つので、馬を走らせるだけでも大変そう。いやぁ、圧巻。カッコいい！お見事！！　昼食時間になったが、市内で食事処が見つからない。結局、スーパーのマクドで済ませてしまった。ちょっと残念。本屋で単行本を買って、フェリー乗船待機の暇つぶしの準備ＯＫ。　干物、魚が所狭しと並ぶ「八食センター」を覗く。大賑わいだ。１２００台の駐車場を用意するだけのことはある。併設されている食堂街で回転寿司屋に入る。大入り満員で期待したが、値段が安いだけに味は帯広と変わらんかな？　夜の９時。さあて、いよいよフェリー乗船だ。青函フェリーよりうんと大きい。来るときの経験から、多少余裕があったが、運転者と添乗者が別の乗船となった。えー？どうやら、大型トラック等が多く乗船するので、添乗者がガヤガヤと脇を通り抜けると危ないとか何とか、一応説明があった。えらいっこちゃ。１等やったら、部屋が決まっているので、合流するのに何も心配ないが、２等の大部屋だ。乗客が先に乗船。それぞれ自分の寝場所を確保しようと足早に船室に入る。幸い通路側の隅っこに２人分確保。入り口を見張っていたら、寝袋を担いでだんな様が到着した。寝袋を広げ、貸し毛布をかけて、万全の体制。要領の悪そうなライダーが、あっちこっちうろうろ場所探しをしていた。１１時、ようやく消灯。急に静かになる。しまった。通路の電気が明るい。今度乗るときは、もっと窓側にしよう。アイマスクも忘れずに。

  2006/10/14

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  見事な杉建築と見事な階段に出会う

  　旅行も３日目になると、疲れが少々溜まり気味だ。毎晩、宿を変えての移動なので、余計に疲れるのかもしれない。　朝から小雨。風に乗って山から下りてくるようだ。酸ヶ湯温泉から蔦温泉は車で３０分程度の距離しかない。当初の予定では、名所の奥入瀬渓流を十和田湖（子ノ口）まで歩くことも考えていたが、この天気で１５キロ、約４時間の行程は、少々きついなあと、ドライブに切り替えた。　ガイドブックには、途中で休憩所やＰマークが入っていたので相当整備されてしまっているのかと思っていたが、何のことは無い、ちょっと道幅の広くなった所がどうやらＰということらしい。観光バスが何台も待機している。時々、観光バスから降りた団体さんや、数人のグループで渓流沿いを歩いていく姿が見える。名前の付いた滝があちこちに存在するようだが、車からは見られない。歩いている人にしたら、すぐそばを走る車は迷惑な存在だろうねえ、と言いながら車を走らせる。　このあたりはまだ紅葉がもう一歩と言う感じだったが、真っ盛りともなれば美しい眺めだろう。遊歩道も車道も数珠繋ぎの行列かもしれないが。　早々と十和田湖に着いてしまった。中湖から西湖へ。このあたりがどうやら観光の拠点のようで、土産物屋さんや民宿、ホテルが続く。　高村光太郎の「乙女の像」を見る。ゆったりと健康的な女性像だ。天気が悪く、時折小雨、冷たい風が吹いてくる。帽子を被り、フリースや薄手のジャンパーなど着込むが、結構寒いねえ。　１０時をまわった。ガイド誌に載っていたアップルパイを食べにキョロキョロと車を走らせる。どうやら、ここのアップルパイはいろんな旅行雑誌に掲載されているようで、マスターに、「何かご覧になって、来られたのですか」と聞かれた。明日も取材が入っているそうだ。湖が目の前に広がり、遊覧船の白い姿がゆっくり眺められる。この店でも貸しきり船が用意されているが、この寒さでは、乗る気になれない。マスターに美味しいランチが食べられる処を教えてもらう。どうやら、名の通ったホテルのランチがお勧めのようだ。　予約してもらった十和田ホテルのランチに向かって、さらに湖を周る。道路から少し左奥に入った所にそのホテルが建っていた。和洋折衷のみごとな建物だ。幻の東京オリンピックを前に、外国人観光客のための宿として、政府の要請で秋田県が昭和１１年着工。３年掛けて、近隣県の宮大工８０名ほどが参加して建てられたと言う本館は、見事な秋田杉の３階建。外壁は杉の半丸太が張り詰めてあり、薄茶色に輝いている。教えてもらわなければ、高級すぎて近寄らなかっただろう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　 「まあまあ、立派だねえ」「この玄関の吹き抜け、すごく凝った作りだよ」「１泊幾らするんだろうね」皇族や政府関係者など、どうやら各界の著名人がお泊りになったそうだ。広々としたロビーにも、フロントにも、どこにもお客の姿が見えない。支配人にあちこちの階で出会うだけ。こんな状況で、ランチタイムはやっていけるのかしら。あほな心配をしてしまった。　さて、１１時半。期待のランチを頂く。何処の部屋からも十和田湖が望めると言う贅沢な高台から遊覧船を眺めていると、フランスミニコースが運ばれてきた。メインは鶏肉だったが、柔らかなフランスパンといい、なかなか美味しかった。人気のスポットのようで、いつの間にか、女性客で席が半分ほど埋まっていた。紅葉のシーズンともなると、近辺の人たちで満席になるそうだ。「もし１０５０円以下だったら、お風呂に入っていこか」何とランチ風呂セットで２３００円、おまけにタオルまで付いている。お風呂は４５０円だ。これは入るっきゃないと、早速最上階へ。温泉かどうかわからないが、露天風呂から下の湖面を眺めていると、日がさして緑色に変化し虹が出た。快晴だったら、きっと湖水の色が変化しすばらしい眺めなんだろう。ランチを終えた人たちが入浴してくる。これがこの辺りでの日帰りコースのようだ。　満足を顔一杯にして、さて、湖を一周して蔦温泉に戻るとしよう。秋田県側から山の中をうねうねカーブだらけの道を抜け、青森県側へ。カーブとカーブの間隔が短く、運転しているだんな様は、ひっきりなしのレバーとクラッチ操作で疲れたのか、サーフにすればよかったかなとボヤキが出た。　冷え込み始めた頃合の時間に蔦温泉に到着。ここも一軒だけの温泉宿。キャンセルが出て、かろうじて泊まれることになった旅館だ。先日の旅館と同じように、観光バスや乗用車で一杯。日帰り入浴者も多そうだ。予約の際に、「別館になります。階段を６０段ほど登っていただきます」と断りがあったが、なるほど、裏山を削って建てたのか延々階段が続く。 　　　　　　　　　　　　　　 夕食は部屋食で、調理場はこの階にもあるが、主材料は下から運ぶのだとお世話係りの仲居さんが、ナンでもないことのように言う。　雑誌に「すごくよい温泉だったが、移動が大変だった」とコメントが載っていたが、これはホンマヤワ。温泉に行くたんびに、よっこらしょと、足腰が鍛えられる。　お湯は普通の透明温泉だが、源泉が湯船の床板の隙間から湧き出てくる珍しい作りだ。どこの温泉場でも同じだが、大浴場は男性主体で、時間区分で一時、女性専用になる。この宿は、夜の９時から朝の８時までが女性専用時間だったので、睡魔に襲われ、あの階段を登る元気はなさそうと、朝風呂に入ることにした。　外は相当冷え込んできた様子。部屋のファンヒーターの音が気になるなあ。３時間で切れるので、そのたんびに“延長ボタン”を押すのかしら・・・。

  2006/10/13

• ねぶただ、紅葉だ、温泉だ

  　旅行２日目。曇り時々晴れ。いよいよ、本日、本州は青森に上陸だ。９時４０分発「ばにあ」に乗船するため、ホテルを８時前に出発。フェリー乗り場には１５分程度で着くと教えてもらったが、何せ、二人ともここは初めて。何が起こるかわからん、早いに越したことは無いと、標識を頼りにキョロキョロしながら、流れに沿う。　なあんだ、あっと言う間に着いてしまった。昔、フェリーに乗るとき、車検証を見せたような記憶があるが、今回はネットで申し込んだので、えらく簡単な手続きで済んでしまった。ネット様様だね。と得意になって、だんな様にチケットを見せる。　待ち時間が長く、２階の食堂でホテル支給のおにぎりと昨日のカツで朝食。いやー、なかなか調子宜し。散歩がてら、待機中の車を眺めていたら、“青森行き”のカードを窓内側につけている。「私らも、青森に行くのですが、その紙何処でもらうのですか？」「乗船手続きしたら、くれますよ」えらいこっちゃ、ネットで乗船券を出したら窓口に持っていくのだった。せっかくかっこよく手続きしたと思ったのに・・・。１０分前に大間行きのフェリーがあり、間違えられるとこだ。　船内はガラガラ。さて、約４時間の船旅。朝っぱらから寝るほどのこともないし、本でも持ってくればよかった。外は風が結構冷たい。渡島半島が去らないうちに、もう青森・下北半島が見え始めた。　１３時３０分、下船だ。青森市内の地図を広げるが、どうもよくわからない。駅近くの地下にある生鮮市場内の食堂がなかなか美味しいと、ガイドに乗っていたので、まず昼食にありつこうと市内をグルグル。建物は見えてるのに、駐車場入り口がわからん。一方通行や駐車場の空車状況掲示板も、よそ者には何の案内にもならん。ようやく目的の食堂にたどり着いた。市場の組合が運営しているそうで、客席数１５人分くらい。当初から決めていた「イクラとホタテとウニの三色丼」、だんな様は赤魚の焼き物定食。二人合わせて２３５０円。イクラもホタテもたっぷり、美味しかったねえ。　今日は、酸ヶ湯温泉がゴール。国道１０３号線を十和田湖方面へ。途中、「ねぶたの里」に寄る。ねぶた祭りで優秀賞をとったねぶたが１０基ほど展示してある。ものすごい迫力だ。さすが全国からねぶた祭り見物に４００万近くの人が訪れるのも、もっともだ。　標高がだんだん高くなる。「死の雪中行軍」の八甲田山の横手を通る。耳がツーンとしてくる。十和田ゴールドラインの名の通り、黄色く紅葉したブナ？のトンネルを抜ける。標高９００ｍちょっと、城ヶ倉温泉を抜けて、１６時、ようやく本日の宿「酸ヶ湯温泉」到着だ。　湯治棟と旅館棟がある大きな木造の２階建て。１軒しかない温泉だが、全国的にも有名で、観光バスが何台も停まっている。私たちの部屋は湯治棟側だったので、障子を開けると、一応、ガス栓付きの調理台と冷蔵庫が置いてあった。乳白色の湯、酸性が強く、硫黄の匂いがしてくる。名物の千人風呂は混浴時間だったので、取り敢えずは女性専用風呂へ。温泉は酸性が強く石鹸が使えないので、８台ほどの洗い場は順番待ち。さっさと洗って、交代しあうのがなんとなくほのぼのとうれしい。こんな山奥の古びた温泉だが、設備は万全。トイレもウオッシュレットだ。女性専用の洗面所まであって、なかなか気遣いがすばらしい。湯治棟では、日常品や惣菜販売所、整った炊事場、コインランドリー、医務室まであった。大食堂で豪勢な夕食後、８時から９時迄の女性専用タイムにあわせ、千人風呂へ。こちらは洗い場なし。ただただ湯に浸かるのみ。冷まし湯、四分六分湯、熱湯、打たせ湯と薄暗い湯煙の中を、渡り湯して楽しんだ。　布団は最初から部屋に用意してあったので、さっさと敷いて横になる。フェリー、昼食、ねぶた、紅葉のドライブ、そして温泉と、本日は結構、盛り沢山な行程だった。さて、明日は奥入瀬から十和田湖へ入る。

  2006/10/12

• 北海道から青森へ

  １０月１１日　昨夜、早く寝たつもりがやっぱりいつも通り、少々眠いが、５時起床。コーヒー飲んで、パン食べて、残っている柿やブドウを詰めて６時出発。時々小雨だが、まあ順調な出足だ。　助言に従って、日勝峠経由で室蘭へ出ることにする。７時、ようやく日勝峠入り口到着。ここで、運転手交代。峠の上りはアクセルふかせばよいが、下りは嫌いだ。北海道は道がよいのと車が少ないから走りやすい。但し、前に自衛隊の車両が無い場合・・・。調子よく走っていたら、だんだん車が詰まり始めた。やっぱり、自衛隊のトラックが２台、法廷速度を遵守し、悠然と走っている。黄色車線でこれに出会うと、早く曲がってくれますようにと祈りながら、覚悟を決めて付いていくしかない。　ようやく前がいなくなった国道２７４号を一路、日高町、夕張を越えて、追分町へ。ここから左折し、２３４号線から苫小牧を抜けて、室蘭方面の３６号線に入る。海岸線沿いに白老町、登別町を順調に通過。室蘭市内はショートカットで、伊達市まで来た。苫小牧から約８０キロか。　１１時半を回った。今回、初めての食事タイムだ。だんな様と遠出をすると、大概食いっぱぐれることが多い。国道沿いにちゃんとした食堂があるかと、心配しながら市内に入ったとたん、発見。こぎれいなとんかつ屋の看板が目に入った。結構繁盛している様子、値段も悪くない。ボリュームありすぎで、残ったカツを持ち帰らせてもらう。上々の出足だ。　１２時半、運転手交代で一路函館へ。いつの間にか国道が３７号になり、長万部を越えたら、５号線と標識が代わる。長万部から函館までおよそ１０７キロ。快調、快調。時々表示される「自動速度監視区間」に注意するだけ。　いよいよ函館に近づいてきたぞ。街中はややこしそうなので、早めに森町で運転手交代。大沼を左に見る５号線をそのまま突っ切る。５年ほど前の道路地図でナビをしているが、途中で多くの車が右の道に入っていく。えっ？？まあ、いいか、ちゃんと道路標識にも表示されてるしとそのままえらく立派な道路に突入。「ひょっとして、これ、有料道路？」「かもしれん。財布用意しときよ」「有料なんて書いてなかったけどなあ。でもええ道やなあ」「あれ、降りて街中に入るぞ」「いやー、ラッキー、無料やったんや」　予定時間より１時間以上早く、函館市内に入る。さて、ここからが問題。地図を見ても（地図の読めない女なの）、さっぱり自分の場所がわからん。「ナビさん、ナビさん。どっち行くの？」「わかりませーん。道路標識に従ってくださーい。五稜郭の近くに行きましょう」　五稜郭までは当然行けたが、肝心の今夜のホテルが見つからない。教えてもらって細い道を走ったら、パッシングされた。一方通行を逆走したようだ。結局２０分ほどウロウロして、市電が走る道路沿いのホテルに到着。１５時４５分。　夕食散歩は、お決まりの旧金森倉庫群の函館ビアガーデンへ。２０分ほど市電に揺られて、ちょっとした観光客気分。５分毎に電車が来るので、市民の利用度も高そうだ。往路一人４８０円、復路は一駅歩いたら４４０円だった。外国のどっかで、市内はマイカー禁止。市内手前に無料の駐車場が何箇所もあり、市民は電車か自転車を走らせている風景を見た。函館市も考えてはいるんだろうが・・・。　さて、ようやく長いドライブが終わった。まだ、北海道にいるんだ。やっぱりほっかいどーはひろいぞー。本日の走行４６０キロ。　さすがに疲れた。だんな様はいびきを気にしてくれて、なかなか寝付けないみたい。

  2006/10/11

• さあ、旅行だ！

  　後１週間ほどかかるというセンキュウの種取作業を旅行のために、終了した。３日間で、指の関節や手のひらが何となくはれ上がっている。残って作業を続ける７人ほどの仲間には申し訳ないが、少々くたびれてしまったので、丁度よい引き際となった。台風もどきの傷跡や、北朝鮮の核実験など、世間は少しも平和でないが、明日からの５日間、無事に楽しく過ごしたいもんだ。道内を移動するだけでも、１日を要す。明日は、出来るだけ早く出発しようと、二人とも、今夜は早寝をします。

  2006/10/10

• まだ１０月というのに、初冠雪！

  　ようやく本日から薬草の種取作業となった。昨日からの大雨・強風も何とか峠を越えた。　薬草は、センキュウというせり科の植物。まだ根っこが乾燥してないので、穏やかな香りがする。種取というが、根っこに新芽が１０～１５個ほど付いているのを、手で、剥ぎ取るのだ。なかなか、簡単にははがれてくれず、結構指先が痛くなる。手のひらを使って要領よく剥さないと、腱鞘炎に掛かりそうだ。　もう３～４年やっているベテランさんや、私のような初心者マークの人間が１０人ほど、目一杯入った大きなコンテナの前に座り、一株ずつ剥していく。　体全体を使う作業ではないので、さほど疲れることは無いが、ほとんど黙々と手を動かし続けるのも、あまり楽しくないなあ。広すぎる倉庫で、温風を流してもらいながらの作業。　昼前に雨が収まり、ポロシリ岳が姿を現した。オー、頂上付近が白いではないか！昨日、峠で４度、７センチの積雪で、今年初めて除雪車が出たと、ニュースで流れていたが、ホンマやったんや。さすが北海道、でも早すぎるー、という気分。　そういや昨日の蕎麦屋でも暖房が入ってたし、我が家でも夕方から地下室のストーブを付けた。相当に冷え込んだんだ。　まあ、多分、この低気圧が移動すれば、きっと解けるだろうと期待しつつ、しかし、いよいよ冬支度ですよ。何となく緊張するなあ。　体中にセンキュウの匂いがする。あー、疲れた。だんだん指先がしびれたみたいになってきた。

  2006/10/08

• 農家の仕事はお天気次第

  　農家の手伝いが無いうちに、旅行しようと計画を立てたとたん、近所からお声がかかった。暇人と思われているのだろう、「明日からどうだい？」と、いつも前夜に掛かってくる。　薬草の種取の作業らしいが、いままでやったことがないので、内容がよくわからない。いやになってやめた人もいるというから、結構きついのかも。　旅行に出るまでの5日間手伝うことにした。次の日、8時からの作業に間に合うように、早くから起きて準備していると、「悪いねえ、こっちの準備がまだ出来てないので、明日からにしてくれるかい」と、電話あり。昨夜のうちに連絡してくれれば、ゆっくり寝れたのに・・・。　一日時間ができたので、カサブランカの球根の堀上作業を始めた。茂っていた枯れ始めた夏の雑草を引き抜き、クワとスコップでそろそろと掘り出す。牧草の根が延々と伸び、絡み付いて、なかなか手ごわい。　2坪程の花壇なのに、隅々まで掘り返したら、3時間掛かってしまった。水仙の球根が咲いた花以上に出てきたり、ハテなんだった？と言う具合に何かの球根が出てきたり。来年は、もう少し、様子を変えてみようなんて考えていたら、すでに手元が暗い。堆肥を入れて植え直すのは、旅行から戻ってからにしよう。　天気予報で、明日は大雨だと言う。関東地方の様子が映る。まるで台風だ。夜中、ものすごい雨音で目が覚めた。やっぱり来たか。　今日の手伝いはどうなるかなと思っていたら、えらい早朝に電話が鳴った。「作業は倉庫の中だが、最高気温が10度ということで、えらい寒くなるので、今日は見送ろうと思う」　農家の倉庫は、大型トラクターが何台も入る、だだっ広い建物なので、今回のような手作業では、寒いだろうと言う。　うつらうつらと、寝てしまった。さて、こんな大雨の日に、何をするか。明後日、東京から客人が腹ペコで来るということなので、芽室町まで、そば粉を買いに行こう。勿論、昼食つきだ。あえて蕎麦を食べたいと思わないが、ここの鴨南蛮は美味しいんだ。しかし、農家も大変だな。天気次第で予定が狂う。ここ2日、待機状態でこちらも予定が狂っている。

  2006/10/07

• 急遽、秋を旅行します

  　奈良から帰って来て、何となくホッとした気分。快晴の秋空を眺めながら、ここ数年、旅らしいことをしてなかったなあ、何処か旅行しようか、と急遽決定。　今回は、だんな様に案を練ってもらう。さっそく本屋で、東北湯の旅の本を２冊購入。車で移動しようと、地図も購入。もうこれで５千円ほど使ってしまった。　ちょっと頑張って、玉川温泉あたりまで足を伸ばそうとの計画は、宿が取れず、青森県の温泉泊まりとなった。「ちょうどキャンセルが出ました、別館でいいですか。」別館も本館も行った事ないから、わからん。あるだけましと申し込んだよ。だんな様の説明では、本館と別館の大きな違いは、どうやら別館は、階段を６０段も上がったとこにあるそうで、旅のコメントに、お湯も雰囲気もよかったが移動が少々大変だったとあった。まあ、出かける日の２週間前では遅すぎるわな。　あっちこっちの宿に電話を掛けて、少々だんな様は消耗した様子。フェリーの予約もあるしで、早よせんと乗れへんかも・・・心配になった私が、フェリーの申し込みを担当することに。案の定、帰り予定した八戸から苫小牧の席が２等しかない。本当は１等の和室が空いているとのことだが、４人部屋で相部屋方式は取らないため、２人分の７５％を払わないといけないと係りさんが言う。聞くと、特等の方が安くつくと言うことだが、生憎ふさがっていた。えらく出航本数が少ない。どれもへんてこりんな時間に北海道に到着する。このままでは、北海道に渡れない。だんな様は、不承不承雑魚寝の２等で了承してくれた。夜１０時に出航し明朝６時半に着く。多分、寝られへんやろなぁ。苫小牧から帯広まで４～５時間。眠たい道中になりそう。とまあ、何とかインターネットのお陰で、少々安く段取りがついた。ホッと一安心。しかし、往路の函館の宿泊先がまだ決まらない。おーい、はよせんと、高い宿になるよー。（人の気も知らんと、友人からのお誘いでそそくさと囲碁に出かけてしまった）さあて、荷物の心積もりでもしようかな。

  2006/10/01

• 喜んでもいられない

  　ジャガイモの手伝いが雨で中止になったので、のんびり朝食を終えた時、突然、２週間ほど前に無くした家の鍵のことが頭に浮かんだ。だんな様に、記憶の呼び出しを手伝ってもらう。　あれっ、鍵が無い！と気が付いたのは、母を送っていく前日。いつ無くしたのか、全く記憶に無い。あれやこれやと、考え、３日ほど前に釣りに行った後、紛失したと思っていたが、待てよ。釣りの後、また次の日、３人で出かけたよね。ということは、玄関の鍵を掛けたはず。誰が掛けた？母が一緒のときは、だんな様が車の用意をするから、私？エッ、ということは、１５日は鍵はあったことになるねえ。でも、それはおかしい。その日、鍵が無いと騒いでたんだから。どうやら、二人とも記憶が薄れて、混乱が増す。鍵はどういう風にしてた？どういう風って、皮のタグみたいなのをぶら下げてたの。絵に描いてごらんよ。もう１枚、同じのが別の鍵についてるから、それを持ってくるわ。これよ。手に取るなりだんな様が「これって、家の鍵だよ」エーーーー。どういうこと？（あわてて、玄関に）ホンマヤ。ちゃんと掛かる。ということは、無くしたと思っていた鍵は、ずーと、引き出しに入っていたことになる。・・・・・どうやら奈良に出かけるのに、不要だからと、前々日引き出しにしまったようだ。しかし、何べんも引き出しを開けて、調べたのに・・・。この鍵も何べんも見て触ったのに？？多分、皮のタグだけでは心もとないと、短い鎖を付けて引き出しにしまったようだ。その状態で使用しなかったため、目も手の感触も覚えが無い、ちょっと違うと記憶探しを拒否したのかも。　奈良に行っている間も、ずうっと気になっていたのが、こんな形で解決するなんて。引き出しにしまった事すら記憶に無いなんて・・・。見つかった嬉しさよりも、記憶が無いことの方が気になる。だんな様が、無くさないようにと、鍵に何やら工夫してくれることになった。今度は、しっかりと目に焼き付けておこう。

  2006/09/27

• 静かだー

  　１０日振りに見る十勝平野は、ジャガイモの収穫作業も一段落したのか、のんびりした風景だ。なかなか目がなれないというか、あまりの静けさに感覚が付いていけない。何となく、見慣れた風景という感じがしない。よそ者になった感じがする。奈良も大した町じゃないが、それでも、外に出れば車・車・人・人・人。やっぱり活気が違うんだな。夜中に泣き出した孫のお陰で、寝不足状態で戻ってきた。静かな我が家で、即刻お昼寝。夕方目が覚めた。静かだ。１歳半になった腕白小僧の泣き声や、パタパタという足音も聞こえない。毎日毎日、一緒に遊びほうけてたのがウソみたい。大人二人の生活は、活気が無いねえ。静かだ・・・。静か過ぎる！

  2006/09/25

• 母が帰る日

  　さあて、いよいよ明日、母を送っていく。７月から約２ヶ月間、母にとっては猛暑から解放されたが、デイサービスのお友達と離れるという少々寂しい旅だった。現金なもので、少し前まで家の中まで、杖を突いてヨタヨタ歩いていたが、荷物を送り出すと、さっさと部屋の片づけを終え、シャカシャカと歩き出した。お友達に何食べてきた？と、聞かれると言う。みやげ話にと、市内でも評判の近所のジンギスカンの店に連れて行った。店の名前などのメモを渡したが、多分覚えてないだろう。なにせ、去年もこの店に連れて来て、美味しい肉だねえと喜んだことすら、忘れている。まだ宵の８時というのに、母はもう休んでしまった。だんだん頑固さが増す母には、何度もプッツン来そうになったが、今から思えば、一番辛かったのは、母かもしれない。同居している妹が定年退職するまであと１年。確実に１年ごとに体力が落ちる身体で、果たして来年も連れて来れるかなあ。なんだか身につまされる。明朝、とうもろこしや野菜を少々リュックに入れて、娘たちへのお土産にしよう。

  2006/09/15

• モー、またハエだ・・・

  　数日前からやたらハエが多いと思っていたら、隣の牧場の彼方に、牛の群れが見える。やっぱりお出ましか。牛たちが近づくにつれて、ハエの量が増える。我が家特製のハエ取りパチンコで、パチンパチンとやるが、追いつかない。母も、自分で作ったボール紙のハエ取りでパタンパタンと叩いている。　牛たちがのんびりと、草を食んでいたら、「ホーイ、ホーイ」と声がする。突然、マウンティンバイクが２台現れ、「ホーイ、ホイホイ、ホーイ」と声を張り上げながら、牛を追いかけ始めた。現代版カウボーイだ。追われつつ、牛たちは立ち止まって牧草に顔を突っ込む。「そうせかしなさんな。今行きまっせ」とでも思っているのだろう。頭数確認のために牛を集めたのか、しばらくして気が付いたら、まだ牛たちがそばにいた。ハヨ向こうに連れてってよ。ハエがうるそうてかなわん。周辺のイタドリの紅葉が増し、時折風に落ち葉が舞い落ちる。そろそろ、放牧も終わりだろう。

  2006/09/10

• 湯たんぽ

  　母が寝違えて、右首筋から肩が痛いと言う。同じ姿勢で本を読むからだと注意をして、シップを貼った。　昨日、１５度くらいまで下がり、結構冷えたので、ストーブをつけようかと聞くと、「いいよ、一枚余計に着て、ベッドに足を突っ込んでるから」と言う。暖かい方が痛みにいいのか、悪いのかわからず、うるさく言うのも喧嘩の元と思い、そのまま従った。「あんまり、根つめて本を読まんようにね。同じ姿勢が一番よくないよ」言うても聞かんやろなあと思いつつ、口から出てしまった。　昨日より暖かくなったが、母がストーブをつけてくれと言う。寒い、寒いと言うので、体温を測ると、36.8度。少々微熱があるようだ。「寒いなら夏のぺらぺらのズボンと服を着替えなさいよ」と持ち物の中から、薄手のセーターと秋物のズボンに着替えさす。薬信者で何かと言うとすぐに薬は飲むが、それ以外はどうも、言うことと行動がマッチしてない。　むっとするほど部屋を暖め、ベッドに潜り込んでいる母に、「どうや、さむないかい？」「足が冷たい。アンカないか」触ってみると、足先がやけに冷たい。靴下をはくとよけいに冷たくなるから履かないと、断固とした大きな声で言う。　電気アンカなんて家に無いし、近所に電気屋なんて無い。湯たんぽか。ペットボトルにお湯を入れてと考えたが、丁度リサイクルで出したとこだ。だんな様が地域で唯一のAコープに聞くと、「ああ、あるよー」へえー、何でもあるんやねえ、と感心しながら慌てて買いに走った。たかだか２００弱の世帯数だから、Aコープの店長は顔も名前も知っている。「湯たんぽなんてナニすんだ？」夫婦で興味津々、待ってましたと、質問する。「うちの母が足が冷えて、寒いていうから」「今でもこんなんあるんやねえ。昔は寝る前によう使こたけど」と、同じような年齢者が三人、思わず昔話となった。用意してあった、赤いプラスチック製の湯たんぽを渡してくれた。本体５２０円。　さっそく熱湯を入れ、バスタオルで包んで母の足元へ。「汗かいたら、全部着替えなあかんよ」うっすらと、鼻の下に汗が光っている。「汗なんかかいてない」「鼻の下に汗かいてるよ」「あっほんまや」苦笑いしながら、母はようやく人心地付いた様子。薪を一本ストーブに放り込んで部屋を出た。　翌日、天気は回復。暑くなった。首の回らないぎこちないカッコで出てきた母が、「熱下がった」と言った。手に着替えた服一式が袋に入っている。朝一番、「痛い、痛い」と言う。だんな様から、しばらく本は読まないように。じっと安静にしていたら、痛みがだんだん和らぐからと言われ静かになった。私が言うと、必ず反発があるが、だんな様が言うと、おとなしく聞いてくれる。部屋に戻った母の様子を見に行くと、まだ、十分暖かい湯たんぽに足先をくっつけ、ラジオの音が流れる中、所在無げに窓の外を眺めていた。そういや、去年も熱出したり、痛がったりと同じような事があったなあ。

  2006/09/04

• そろそろ夏も終わり

  　親戚の母娘が帰っていって、また我が家は静かになってしまった。子供の声がするのは、いいもんだ。母が、「寂しいねえ、寂しいねえ」としきりに呟く。いかにも夏の終わりって感じ。　ミニトマトの新種？「アイコ」が鈴なりになっていたのを、彼女たちが、「ロケットの形みたい」と、楽しみながら、美味しい、美味しいと毎日大量に食べてくれていたが、今は、一人私が思い出したように、つまんでいる。この「アイコ」、売り出しの文句は、「酸味が無く、甘くて、肉がしっかりして本当に旨い」。しかし、赤くなりたての頃は、皮が硬く、あまり甘さも無く、宣伝文句に騙されたかなと、同じように種から育てた近所の農家の婦人と、ブツブツ文句を言ったりした。どうやら、完熟になると宣伝文句のように旨さが出てくるようだ。　北海道には梅雨はないはずなのに、蒸し暑くシトシト雨が一週間ほど続いた。雨の間は、ハウスも畑も放置していたら、キャベツと大根に、しっかりと幼虫がついて、葉を食い荒らした。「野菜を育ててるんよ。あんたらを育ててるんと違うんだから。ボランティアはやりませんよ」と、毎日毎日虫取りが始まった。無農薬の辛いところだ。順番に大きくなってくれればありがたいが、出来るときは一斉だ。キャベツ、大根、ピーマン、ししとう、トマト、アイコ、さやインゲンのモロッコ、など、大した量ではないが、それでも我が家では到底食べ切れない。とにかく出来てる野菜をお隣におすそ分けして、何とか野菜たちの努力に報いている。６月、７月の天候不順で、まだとうもろこしが食べ頃にならない。例年だとお盆の頃には、出荷用のとうもろこしを刈取る、やたら背の高いコンバイン？が走り回っているのに、今年はまだお目にかからない。農家がスーパーでとうもろこしを買う有様だ。ようやく白いカサブランカが満開。朝夕、めっきり涼しくなった。そろそろ、我が家のビニールハウスも仕舞い時かな。

  2006/08/27

• 蕎麦打ちへのこだわり

  　またまた、蕎麦の会の会長夫妻、知人夫妻など８人での蕎麦昼食会となった。誰でも自分の好きなことには、熱中するものだが、だんな様の熱中度は、生半可なものじゃない。そして、それなりの資金も必要となる。　ひょんなことから食した手打ち蕎麦がえらく気に入り、自分でも打ってみようということになった。　当然、よい道具を揃えることから始まった。包丁はナイフ関係にうるさい当人にとっては、そこそこ一流品でないといけない。のし板、のし棒、こね鉢と次々に道具が運び込まれた。いつの間にか、包丁は２本になっている。のし棒も近所の木工大工さんに作ってもらった。　蕎麦関係の本が何冊も届けられ、手順を覚え、時間を計り、江戸前蕎麦の教本を頼りに練習が始まった。　食べ物だから、そもそも原料の粉が良い物でないと美味しくなかろうと、近隣の蕎麦屋に出かけ、蕎麦粉の調達先を確保した。インターネットで、送料の方が高いようなそば粉も注文した。どちらかといえば蕎麦よりうどん派の私は、だんな様に促されて、打つ、食べることがとりあえず苦痛でなくなった。美味しいそばと、そうでない味もわかるようになってきた。とはいえ、ここまでやるかぁと少々食傷気味になっていたところ、「素人蕎麦打ち昇段試験を受けるぞ」と宣言された。「蕎麦の昇段試験？」「健康志向と村おこしが成功して、素人で蕎麦を打つ人が増えてきた。　初段から３段までの段位認定試験があるそうだ。　丁度、道内で開催されるので、今年の秋には初段を受けるぞ」お店をやるわけでもないのに、えらいエネルギッシュなことだ。とにかく、「蕎麦」を極めたいのだろう。私も食傷気味なんて言っておれない。それなりの覚悟をしなくっちゃ。初段は７００グラムの粉を打って評価を受ける。手順、勿論粉さばき、煉り、延ばし、切り、周辺の汚れ具合、後片付け、人格？（だんだん上手になってきて、床が白くならなくなった）２・３人では７００グラムも必要ないので、ご近所、知人に声を掛けて、最低６人程度確保する必要がある。かくして、本日、それぞれご多忙の中、「日本一美味しいそば粉が手に入りました。是非、お昼に食べに来てください」と、少々強引な誘いを受けてくださった面々が、顔を揃えてくださったという次第。野菜の天ぷら、ニジマスの甘露煮、採れたてのジャガイモ（インカのめざめ）のフライとお盆のおはぎの差し入れと、そしてビールでの賑やかな昼食会が始まる。「いやー、この人の熱心さには参るねえ。わしなんか年に数回しか打たんのに」「おー、きれいに切って。美味い美味い」散々お褒めの言葉を戴き、満足顔のだんな様の前には、ビール缶が並ぶ。いよいよ農家は収穫の時期を迎える。収穫後、”お疲れ様”と、初段の腕前が披露できますように・・・。

  2006/08/16

• アウトドアで石拾い

  　昨日折ってしまった竿の１番と２番を落としてきたらしい。無傷なら、また使えるという事で、朝っぱらから探しに出かけた。　川原に下りて、昨日の行動を思い出しながら、竿の先を探していたら、何のことは無い、折った場所にそのまま残っていた。　さて、それではと庭の飛び石代わりに、川原の石を運ぶ。転がっている石の中から、丸くて平たく、なるべく美しいのを探し回る。この川の川原は、火山の噴火で出来た石が、エネルギーを中に持った状態で、そこら中にゴロゴロ転がっている、ちょっと特殊な場所だそうだ。表面が麦飯のようなので、バクハン石というらしい。この石を敷き詰めると、石の中のエネルギーが振動波を出し、体調が良いとか・・・？ひよっとして、敷き詰めた通路を、腰の曲がった老人が歩いたら、だんだんと腰が伸びてくるとか？　くそ暑い中、川原に居るのも苦痛なので、手ごろな石を４個だけ持ち帰った。これがバクハン石かどうか、だんな様が０リングで試してくれたところ、残念、１個だけ違っていた。今度は、川原で試してから持ち帰ろう。　帰路、オートキャンプ場の横を通り抜ける。昨日から続々車が入り、予約した芝生で区画された場所に陣取っている。右も左もテントを張り、椅子とテーブルを出し、バーベキューセットが置いてある。どうやらほとんどが札幌から来て、夏の休暇をアウトドア気分で楽しんでいる様子。　突然現れたにわか村を横目で見ながら、私ら毎日がアウトドアライフやなあ。

  2006/08/14

• 釣り名人は直しも名人

  　朝から晴天。多分こんな天気は、あと数回もないかもしれないと、朝の９時から、いつもの戸蔦別川に出かけた。　今までは、急流の白い波が立つ少し手前にいるが、今日は、どうやら川の瀬に移動しているようだ。数日暖かな日が続いているので、住処が変わったみたい。　さて、釣り糸を竿に付け、餌を付けて投げ込む。いやに軽いではないか。あれえ、こんなに軽かったっけ？これじゃ、遠くに飛ばせない。餌をたっぷり付けて、重石代わりにして流す。にぶーい感じがして、１匹ゲット。どうも食い付きがイマイチ。　岩に引っかかって糸を切り、付け替えた糸にも錘が無い。まあ、いいかと流すと、少々大物がかかった。しかし、後がいけない。２回も糸を切ってしまった。どうやら、本日はバイオリズムが良くないみたい。いまひとつ調子が出ない。　上流で釣っていただんな様が、大漁で戻ってきた。「錘て、付いてなかったっけ？」「いや、付いてるはずだよ」「でも２本とも無かった。道理で投げにくかったはずだねえ」「錘無しで２匹も釣り上げるとは、大したもんだよ。渓流釣りでは錘なしだけど」褒められて、いい気になって、別のポイントに移動。さっそく、分けてもらった最後の糸で深みにエイッと投げ込む。掛かったのはうぐいだ。こいつは放すしかない。２投目、同じ場所に投げ入れる。うん？・・・　・・・またやってしまった。今回は、竿の自由が利かない。思い切ってビュッと振ったら、バキン大きいな音がして、竿がＺ状態になっている。折ってしまった。愕然としながら、急いで竿を手繰り寄せる。２箇所で折れて、バラバラ状態だ。軽くて結構いい竿だったので、ナンとも情けない。あーあ、やっぱし今日は変な日だ。むっつり無口の私に、だんな様がいろいろ慰めの言葉をかけてくれるが、心は晴れない。　帰宅して３０分。昼食の用意をしている間に、竿が元通りに直った！！予備の竿や部品で、治してくれたのだ。「すごーい！！　釣りも名人だけど、直しも名人だねえ」だんな様は、次の釣りに備えて、糸の準備に取り掛かった。私は、釣り人と寒露煮作りに専念しよう。

  2006/08/13

• 小麦のコンバインに乗る！

  　暑い日が続き、小麦の刈取り作業の真っ最中。農機具の中で一番でかいのが、小麦刈り取りのコンバインだ。　つねづね、一度このコンバインに乗ってみたいと思っていたが、ついに実現した！　小麦の収穫作業は、共同でやっているところが多いが、３分の１程度の農家では、自前でコンバインや乾燥機を揃えているところがある。同じ町内の中堅夫婦が自前でやっていて、丁度、最後の刈取り作業があるから、乗せてくれることになった。　最新型のコンバインではないが、農協からの払い下げ品だろうか、もう３０年動いているという。こういう機械は、外国製の方がしっかりしているとか。このコンバインもアメリカ製だった。　近くによると、とてつもなく大きい。右側に並んだギヤ、左後方にまたギヤが並ぶ。運転はマニュアル車と同じということだったが、なにやら難しそう。　幅３メートル弱に広がった先端の針が小麦を手前に寄せ、巨大ノコギリ歯が回転しながら、小麦を刈取る。　送り込まれた小麦は、車体の中で殻を剥かれ、実だけが溜まる。それをトラックに空けて、乾燥機に運ぶ。コンバインそのものが小麦工場だ。　所々、小麦が倒れているのを指差して「あれは、鹿が入ったんだ」近くの林から来るのだろうか。道路わきの小麦の頭の無いのは鹿の仕業だそうだ。「あっ、野うさぎだ」どこどこ、と見渡すが見えない。周囲から刈り始めるので、茶色した野うさぎが、畑の真ん中に追いやられ、最後にピョーンと飛び出てくることもあるそうだ。母が聞いたら、見たかったと悔しがりそうな話だ。　「ちょっと運転してみるかい」と言われて、運転席に座ったとたん、左に寄りはじめた。あわてて、ハンドルを切ると、こんどは右に・・・。パワステで、異常に軽い。「真っ直ぐ、前の方を見て」と、教えられるが、動転してしまって早々に交代してもらった。前後左右、見てるといとも簡単に、隣のじゃがいもを傷つけることなく運転しているのに。「いやー、結構難しいもんだねえ」コンバインを動かす人をオペレーターというらしいが、昨年、我が家の隣の畑で、跡継ぎの若者が先輩から教えられながら運転しているのを見ていた共同仲間の大人たちが「あのオペレーターは、もう少しで一人前だな」と言い合っているのを、思い出した。　自動車の運転と同じで、動かして慣れるしかない。私が刈取った後は、見事に左右にぶれていた。修正したりで、えらい迷惑をかけたことだ。丁度小麦が一杯になった頃、いつの間にか奥さんがトラックの横に待機。いいタイミングだねえ。自宅の乾燥機まで、二人で移動。「運転させてもらったけど、難しかったわ」「そうなんだよね。前の方を見ろと言われるけど結構慣れるまで大変だよ」小麦の乾燥は、トラックの小麦を乾燥機に移し、あとは自動。二人で作業は大変では？と問うと、「いやー、自分たちの都合で仕事が出来るし、乾燥は夜動かせばいいので、共同作業のように、夜中まで刈取り作業しないから楽チンだよ。だいたい３日間でおわるしね」そういえば、共同の場合、戸数が多いので、１０日間ほど昼夜をかけて作業する。出来のよい畑から順番に、四六時中動かす。刈ってみたらまだ未熟ということで、途中で後にまわされることもあるとか。先導まとめ役、品質チェック役、オペレーター２～３人、トラック３台、おやつ・昼食係りなど、一台イベントだ。　今年は低温が続いたため、穂が伸びず、１１段くらいつく実が７・８段で、品質改良前の、１０年前の収穫程度だという。　更に、石油の大幅高騰で、乾燥に余分な費用がかかり、減収もいいとこだと、皆ぼやいていた。　３０度を超える酷暑の中、『農家の皆さん、ご苦労様です』と、頭を下げつつ、「ただいまあ、コンバイン乗ってきたよー。すごいねえ、おもしろかった」と、思わずはしゃいでしまった。　小麦ロールが畑に転がっている。そろそろ、夏も終盤だ。

  2006/08/09

• 本日も大物賞

  　母が、釣ったニジマスの甘露煮を喜んでくれた。「また、作ってね」なんて、うれしいことを言ってくれるので、上天気になった本日も、Ｍ川氏を誘って出かけた。お隣の農家は小麦畑の刈取り作業の真っ最中。コンバインが３台動き、トラックや助っ人で賑やかな農道を、「ご苦労さんです」と頭を下げながら、「いやー、農家は大変だねえ」「我々は、まさしく悠々お気楽ですなあ」今日のポイントは、人造湖の上流。急流が作る泡の少し下に当たりをつける。私もＭ川氏も足腰が少々弱くなっているので、釣れるポイントよりも、足場確保で釣り場が決まってしまう。一投目、入れたとたんに、食いついた！ウフフ、幸先よいではないか。しかし、２投目、食いつきが浅く、目の前で外れた！こういう魚は、大きく見える。よっしゃ、今の魚を再度釣り上げるぞ。食いついたあたりを丁寧に流す。オオきたきた。今度は十分な感触。少々重たいので、足場を確認しながら後ろに下がろうとしたら、長靴がすべった。べたんとしりもちを着きながらも、右手にはしっかりと糸を握り、目は、先っぽの魚を・・・。よかった、ちゃんとぶら下がっていた。しかも、さっきの逃がした魚に違いない。だんな様が上流で６匹も釣ってきたが、どうやら私のが一番でかいぞ。Ｍ川氏も含めて、合計１１匹。本日も大漁だ。近くの蕎麦屋でそば粉を分けてもらい、昼食は手打ち蕎麦に、釣りたてのニジマスの甘露煮、そして冷えたビール。実に優雅で贅沢な暮らしではござらぬか。

  2006/08/05

• 大漁だ

  　１ヶ月ぶりの３０度。めったにないチャンス。「暑くなったら、魚釣りに行こう」とだんな様が言ったので、今日がその日と、声を掛けた。多分、言ったことすら忘れていただろうが、聞いた方は覚えているもんだ。「よし行こう。１１時シュッパーツ」我々のポイントに直行。車で１５分だから、いつでも出かけられそうだが、実は２年ぶりだ。対岸に先客がルアーで流している。「どうですかー。釣れますかー」首を左右に振る姿。その釣り人はしばらく流してたが、やがてあきらめて上がってしまった。さて、我々の番だ。いざ、竿を伸ばすが、糸のつけ方を忘れてしまった。「糸、どないして付けるんやった？」だんなさんが呆れ顔で、やってみせてくれる。そやった、そやった。細い糸の間を通すんやった。老眼鏡がいるなぁ。落差のある泡の近くで、早くもニジマスを１匹釣り上げただんな様が、場所を交代してくれた。「あと、４匹はいるぞ」４匹はどうか判らんが、ほんまや。あっという間に。１匹掛かってしまった。だんな様が、本流の流れの中で、３匹釣って戻ってきた。ムム、負けたか。悔しいので、何遍も糸を投げてたら、ズズッと浮きが引き込まれた。凄い引きだ。竿がしなる。一向に動きが衰えない。魚の動きに合わせて、足場を見ながら、右に左にウロウロ。「わあー、どないして揚げたらいい？」これは私には無理かもと、悔しいけど、だんな様にバトンタッチ。３０cm弱ありそうな大物であった。全部釣っては後が楽しめないと、場所を移動する。足場が悪いので、私はリタイヤ。だんな様は、ここでも釣り上げて、満足そう。おちびさんは逃がしてやり、本日の釣果は６匹なり。さすが名人には数では負けたが、大きさでは勝ったのだ。今夜のおかずに３匹でよかったのが、倍になってしまった。やれやれ、釣れすぎるのも困ったもんだ、なんて調子いいこと。しかし、ボウズでなくってほんま、よかった。

  2006/08/03

• 蟻の巣騒動

  　夏の日差しもつかの間、またまた怪しい天気が続いている。今年は、この怪しい天気のせいで、多少小麦の刈取り作業が早まるそうだ。刈取ったあとの小麦の茎を、酪農家がロールにしていく。天気の良い日に作業する必要があり、どうやら予備日を考えると、盆踊り大会をやっておれないと、今年は中止となった。毎年、やる・やらないで、もめる大会だが、今年はそれなりの理由がついたので、役員さんはホッとした様子。しかし、冷夏の影響はこんなとこにも現れるのだ。　涼しいうちに、ビニールハウスの整備をしようと、イチゴの畝を覗くと、お尻が黒く、胴体の赤い、５ミリから７ミリくらいの蟻が、ビニールマルチの下から、出たり入ったりしている。苗を抜いて、ビニールをめくると、ありゃー、卵が一杯だ！土の中に巣を作って卵を保管するもんだと思っていたが、なんと、ビニールの裏に卵を保管している。暖かくて、暗いから程よい保管場所になったのかも。米粒大の白い卵が、３箇所、小山になっている。一瞬、どうしようか。悩んでしまった。見ると、それぞれの蟻が、身の丈ほどの大きな卵をせっせと移動しはじめた。ハウスの中で移動されたんではこっちが困るので、お手伝いして、卵を外の道端に移した。指揮官がいなくなったのか、蟻たちは卵を放り出して右往左往。「そや、卵を守らなくっちゃ」と気が付いたのか、小石の間や、土の隙間に卵を突っ込み始めた。そのうち、軟らかそうな場所を見つけて、穴掘りが始まった。前足で掘り、土を丸めて口にくわえ、外へほかしに行く。その作業はなかなか大したもんだ。しかし、よく働くやつと、何となくウロウロしているのといるのに気が付いた。「おまえさん、そこに卵が落ちてるんだから、ちゃんと運べよ」なんて、声を掛けたくなる。しゃがんで、しばらく蟻たちの様子をみていたが、「ハウスに戻ってきたら、その時はそれなりの事をするからな」なんて、殺し文句を吐いて、よっこらしょと腰をあげた。イテテテ、足がしびれた。そや、まだイチゴの苗抜きが残ってたんだ。

  2006/07/31

• 夏が戻ってきた！

  　やっとこさ太陽様がお戻りになった。うれしやうれしと思ったとたん、３０度近くになり、うんざり。北の国では、２５度を越すと、余計に暑さが増すみたい。外に出る気がしない。しまったなあ、曇りの日に花壇の整備しとけばよかった。と、とりあえず反省しながら、ただただ眺めるのみ。　何とかトマトが赤くなり始めたら、１本、きゅうりの調子が悪くなってきた。葉がちぢれて枯れ始めた。おいおい、これからだろうが。どうやら、適当に木酢液を薄めて、葉っぱにかけたのが悪かったようだ。なんでも過ぎるとあかんもんだ。　８月後半に、本州から親戚がやってくる。「夏野菜をたっぷり、とうもろこしに、娘が蕎麦大好きで・・・。」「よっしゃ、まかしとき。」「そやけど、その頃には夏野菜はもう無いよ」「えー？」「そやかて、こっちはお盆過ぎたら、秋風が吹くよ。寒いくらいに涼しいから」せめて、その頃にはとうもろこしが実っていますように。あわてて、小さな畑に出かけた。よしよし、何本か穂先が顔を覗かせ始めたぞ。お日様、この調子でよろしく。

  2006/07/28

• 松の実が消えた！！

  　地元の蕎麦の会の会長夫妻を迎えて、先日手に入れたそば粉で、昼食会を催した。だんな様には及ばないが、そこそこ打てるようになってきた。ハウスの野菜で天ぷらそばとちょっと豪華になった。　さて、話がはずんで、ご夫人に松の実を食べさせてあげようと、１ヶ月ほど前に全て殻つき状態にして、瓶に保存してある松の実を得意げに出してきた。　かっこつけて割ってみたが、アレッ、実がない！おかしいなあ、割り方がまずかったかと、次を割るが空っぽ。１０個割って、２～３個しか実が入っていない。実は何処に行ったのか？？？ 　殻の内側に、しなびて黒くなった実のあとらしいものが残っている。殻には、芽を出す小さな穴が開いているが、そこから空気が入って、干からびてしまったのか？４人で、そんなバカな！と、次々割るが、結果は芳しくない。えらいこっちゃ、これだけあれば秋まで十分楽しめると思っていたのに・・・。だんな様と、お互い顔を見合わせて、唖然。殻を剥いた実は健全状態だが、もうお互いの容器に３日分くらいしか残っていない。もっと早くに剥いとけばよかったな。急に空っぽになった沢山の松の実が、かわいそうになってしまった。食べてももらえず、地面に還ることもなく終わってしまったのだ。すいません、以後気をつけましょう。　それにしても、松の実は、殻を剥いてから、保存するのかしら。秋口にまた、拾いに行くが、保存方法を研究しなくっちゃ。

  2006/07/24

• 参っちゃうなぁ

  　参っちゃうなあ。“初夏”という言葉を忘れてしまった。涼しいを通り越して、肌寒い小雨模様の日が続いている。　参っちゃうなあ。“爪が紫色になるほど、冷たい”と、母が白い手袋をはめ、分厚い靴下をはく。　参っちゃうなあ。“とうもろこしも、インゲン豆も、ヤーコンも全然成長しない”農家は冷害かもと不安げだ。このまま、秋になって、冬が来るのではと、内心、心配になる。ウグイスもカッコウも、心なしか弱々しい鳴き声だ。地球の異変が進行している・・・。そんな不気味さを感じさせる。

  2006/07/21

• これは、どういうパワー？

  　昨夕、食事の用意をしているとき、冷凍庫のドアがきちんと閉じてないことを発見。あわてて、各引き出しを見ると、一つちゃんと奥まで入ってない。何がつっかかってるのかと、出したり突っ込んだり繰り返しているうちに、思いっきり、右手人差し指をはさんでしまった。自分でやった不始末だが、どうもこの冷凍庫とは相性が悪い。腹立ってきたので、だんな様にバトンタッチした。　人差し指は、ジンジン痛くなりだし、どうやら爪の中に血豆ができるようだ。今朝には腫れて曲がらない。昼食の蕎麦打ちも、だんな様に代わってもらった。なんとも不便な状態で、次から次となんでこう怪我ばっかり、と思っていたら、昼寝していて、突然ひらめいたと言って、だんな様が治療してくれた。椅子に座り、右ひざに痛い人差し指を乗せる。だんな様が、じーっと指の上に手を載せ、しばらくして、手で指を包み込んだ。たったこれだけ。不思議や不思議。痛みが和らぎ、指が曲がる。「いやだー。気持ちワルー」「気持ち悪いじゃなく、気持ちよい、ありがとうでしょ」そりゃまあ嬉しいけど、何でそうなるの？

  2006/07/18

• 蕎麦打ち

  　昨日、市内の蕎麦屋さんで分けてもらったそば粉で、昼食会となった。ちょうど、お隣さんのご両親も関東から滞在中。子供を入れて、合計８人分のそばを打つことになった。我が家では二人分の２００グラム打ちだったので、今回は、だんな様と二人で４００グラムずつ打つことにした。分けてもらったそば粉は、店主自慢のそば粉で、少し白く触った感じもさらっとしていて、いかにも難しそう。値段も高かった。店主が、１０割は難しいですよと言っていたのがよくわかる。２；８で打つことにした。室温も２５度を超える暑さの中で、こね始めたが、これがなかなか重労働。そば粉の性質もあるのだろう、結構力を入れて捏ね上げてもなかなかつややかに成らない。汗がどっと出る。ようやく、伸ばしに入る。ふちに細かいひび割れができた。ヤヤッ、こいつはヤバイ。ち切れるかな。内心、失敗かと心配したが、どういうわけか、結構うまいことできた。包丁で切るのは苦手なので、ここはだんな様にまかせる。茹で上げてみると、ぶち切れになることもなく、おお、上出来ではないか。８００グラムの蕎麦がきれいになくなった。本日もまた、田舎の一軒家の蕎麦屋に出かけた。東京で修行した若夫婦が開いている店だ。一味違う美味しい蕎麦だ。（関東風でたれが少々濃厚で、ドバッとつけると辛い）太い麺と細いのと選ぶのだが、包丁の切り具合かと思っていたら、太いのは田舎そばで、それぞれ粉のひき具合が違うという解説書が付いていた。それぞれの蕎麦屋さんが、それぞれの味を引き出すために、いろいろ研究している様子が伺える。ここでもそば粉を分けてくれるというので、だんな様がうれしそうに注文していた。来週の土日は、また我が家で蕎麦打ちだ。どうやらだんな様は、蕎麦打ちを極めるつもりらしい。

  2006/07/16

• いつもと違う空の旅

  　雨の帯広を後に、２０分遅れの羽田行きに乗る。今回はバーゲンチケットの関空までの直行便が取れず、羽田経由となった。　なるべくドアに近く、通路に近い席を予約し、イザというときに備えた。しかし、帯広出発の遅れは縮まらず、到着時間の案内では１０分強しか猶予がない。隣の通路側に座ったおじさんも、しきりに時計を見ている。内心ドキドキしていたら、搭乗員さんが、羽田に着いたら地上係員が誘導しますから、安心してくださいと教えてくれた。さっすがー、乗り継ぎ予約の効果あり。となりのおじさんも、乗り継ぎで福岡行きの便に乗るそうで、ちょっと安心した様子だったが、まだ飛行機が停止しないうちに、荷物を取り出し始めた。気持ちはわかるけど、搭乗員もシートベルト着けた状態では、ドアは開かないぞ。　早足で出口に向かうと、係員さんが名前を呼び上げて待機していた。いつもはあの動く歩道をゆっくりと歩くのだが、係員さんが若くて、ノッポで足が長いため、わたしはほとんど駆け足状態で後を追う。彼は、収穫したキャベツやきゅうり、いちごの入ったバッグを軽々と運びながら、それでいて、大またでドンドン搭乗ゲートに突き進む。なんといつも１５分はかかるところを、７分弱で到着した。「走っていただいてありがとうございました」係員の彼さんが、荷物を渡してくれながら、挨拶してくれた。ちょっと、しゃれてて感激。　奈良行きのリムジンバスが１０分後に出た。ラッキー。と思ったら、乗客は私一人。しようがない、運転席の後ろに座り、暑いですねえ、昼間は空いてますねえ、など適当に話しながら、終点まで同行した。世間並みの会話が出来るなんて、わたしも相当の小母はんだ。昔から『晴れ女』だった効果が現れ、奈良での滞在中、づっとお天気に見舞われ、毎朝せっせと孫たちの洗濯物を干し続けた。　さて、母を連れて、いざ帯広へ。行きと同じく羽田経由だ。調べてもらうと乗り継ぎゲートが離れている。まさか杖をついて、早足とはかわいそうなので、車椅子を希望した。親切ですねえ。予約していた席を変更して、座りやすく移動しやすい席にしてくれた。（ネットで調べたときは、こんな席はなかったのに・・・。）伊丹空港から係員さんが車椅子を押して、誘導してくれる。羽田に着いたら、また係員さんが車椅子で待機していてくれた。エレベーターで１階に降り、バスで飛行機のところに行くという最悪の乗り継ぎ便だった。ここだけ係りさんが付かなかったため、年寄りには少々こたえるスッテップをようよう上った。私はリュックを背に、母の荷物等が入った小型の旅行かばんを片手で持ち上げながら、母の腕を引っ張りあげるという、考えもしなかった行程だった。（いくら車椅子でも、こんなんではナンにもならんがな。）帯広空港に着いたら、また、車椅子でお迎えだった。「今回は車椅子の方に、階段を上がっていただき不行き届きで申し訳ございません。　本来は、リフトを使っていただくはずでしたが。お帰りの日が決まっていれば、　きちんとさせていただきます」「帰りは９月です」「それでしたら、またお申し出ください」責任者風の女性係員さんが恐縮して、詫びてくれた。ああ、やっぱり手はあったんだ。係員さんに誘導されて、赤ちゃんを連れたお母さんと一緒に、エレベーターでロビーへ。到着ゲートを眺めながら待っていた、だんな様の後ろから、「はーい、こっちですよ」今回の空の旅で、空港会社のサービスの一環を垣間見た。普通なら通らない裏通路も通った。この調子で、空港まで何とかなったら、来年もまた母を呼べるかもしれない。到着した帯広は晴天。昨日までずーと雨で１５度くらいだったんだって。今日も３０度を越す暑い一日だった。

  2006/07/13

• ほんまに大丈夫かな。でも信じよう。

  　明日から一週間、母を迎えついでに、奈良に滞在する。毎年恒例行事だが、毎年、ビニールハウスや植木鉢の管理に頭を悩ます。　今回は、植木鉢の水やりがしやすいように、何箇所かにまとめた。昨日まで暖かなハウスの中に居た花たちが、突然、肌寒く風が吹き付ける外に出されて、困っているようにも見える。道沿いに並んでいた鉢が、一箇所に雑然と置いてあるのは、まことに風情がない。問題は、ビニールハウスの野菜たちだ。昨年、水やりしやすいように、鉢は台の上に置き、たっぷりね、と頼んでおいたのに、たっぷりの量がお互い違っていたために、半分以上の鉢が枯れていた。本人は、言われたとおりに水やりしたと、至極まじめに答えた。どうやら、夕方の庭先の散水程度に考えていたらしい。「きゅうりとピーマン、ししとう、ナスは、晴天で温度が上がったら、このヒシャク一杯の水を、根元にやってね」「え、え、どれ？」「ほらここに実がついてるからわかるでしょ」「この列の４本のトマトには水はいらないから」「トマトて、どれ？」「ほら、手前の苗と葉っぱも違うから、わかるでしょ」「ちゃんと見てよ！！」　（こんな単純な野菜も区別つかんとは・・・）　ダンナ様は、はなから覚える気がない。気がないから、植物の違いも全く目に入らない。「書いたもんを貼っといてよ」ここでくじけては、せっかくの努力が水の泡だ。かくして、それぞれの列に張り紙をすることになった。上から、ホースでザアーとまけばよいと思っているだんな様には、少々面倒な頼まれ仕事に違いない。最低限の水やり依頼となった。『この列は、ジョウーロ一杯の水をやってください』『植木鉢は土が乾いていたら、下から水が出るまでやってください』『ホースでやる場合は、鉢の上まで水を入れてください』『朝、ビニールハウスの戸を開けて。２０度を超える日は、左右も半分巻き上げて』『夕方、水やりした後、必ず戸を閉め、巻き上げた左右を下ろしてね』さあて、戻ってきたとき、私は笑顔になっているだろうか。キャベツやきゅうり、ピーマン等を持っていく体制も整った。まるで買出し帰りみたいだが、私ができるおみやげなのだ。

  2006/07/05

• ありがたや草刈＆包丁研ぎ

  　晴天が続き、日中の温度が２８度ほどになった。ようやく前年並みの気温になったが、６月の日照時間が通年の６０パーセントほどと低く、とうもろこしも豆も、育ちが悪い。２週間ほど晴天が続くと、野菜は勢いを取り戻すそうだが、あまり暑いと、草刈も何もやりたくなくなる。まあ、人間て勝手なものだ。　ようやく草刈体制に入ったとたん、機械の調子が悪いと、点検に出したため、牧草もいたどりも命拾いをしていた。今年は、我々が歩く範囲をきれいにするので終わりかなと思っていたら、昨年同様、大音響が近づいてきた。近所の農家のご主人だ。「うれしー。来てくれたんだ」「蕎麦の包丁を研いでもらいたくて。草刈したら嫌と言えんだろう」（暖かなご配慮）ラッキー。ちょうど、市内の中学校の体験学習で、蕎麦の会が講師をしているのだ。メンバーは最近、包丁を自慢し合い、切れが悪くなると、だんな様に研いでくれと依頼がある。３０分ほどで、すっかりきれいにしてもらった。「包丁、ちゃんと研がなあかんな」だんな様がうれしそうに、包丁を眺めて言った。

  2006/07/03

• ようやく夏野菜が元気に！

  　晴れたと思ったら、また雨。いよいよ北海道にも梅雨が出現か？なんて、ブツブツ言っていたら、ようやく十勝らしいお天道様が顔を出した。とたんに、野菜たちが元気づいて、大きくなり始めた。いちごは３日前に６キロも採れてしまい、半分お隣に届けたものの、冷凍庫がいちごで一杯になってしまった。あたりまえのことだが、同時期に一気に収穫時期が来るのが辛い。毎日、腰をかがめていちご採りも疲れるので、２・３日おきに採ることにした。多分ここ一週間で、ハウス物は終了しそうだ。狭い畝の間に、おしりを下ろして、いちごを採っていたら、《ポキッ》と乾いた音がした。しまった。やったか！どきっとして、おしりの下を見ると、ようやく伸び始めたカラーピーマンが半分に！ショック。のりでくっつける訳にも行かず、ただただピーマンに謝るのみ。どうぞ、わき芽が出ますように。気を取り直して、きゅうりの畝にご挨拶。やっとこさ、１本収穫した。順調に育っているので、来週あたりから複数収穫できそうだ。近所のハウスでは、もう、ミニトマトが色づいているのに、我が家のトマトは、ようやく実が付き始めたばかり。肥料の配合がちがうのか、我が家のは、やたらに葉だけが元気だ。あと数日したら、キャベツとレタスを収穫する予定。保存がきかないので、いっぺんにとることが出来ない。チンゲン菜が狭い所で、窮屈そうに葉を広げている。ほんまに出来始めると次々大きくなり、トウが立たない前に消化しようと、野菜に追い立てられる。二人なんだから、５粒も蒔けば十分なのに、ひよっとして芽が出なかったらと、よけいな数を蒔いてしまうのだ。もう５年になるのに、ちっとも教訓が生きていないなあ。さて、野菜の顔を見て、今晩のおかずを考えよう。

  2006/06/30

• アスパラ最終日

  １０日ぶりの晴れ間。あまりに天候不順で、育ちがイマイチ。もう、あきらめて、アスパラ畑に肥料を入れるので、本日が採り入れの最終日。今年の悪天候で、収量は昨年の３分の２程度の落ち込みとか。とりあえず、市場出荷分を収穫し、その後、食べられそうな規格外品を採って回る。市内から来た、農家の知り合いの年配者何人かが一緒になって、鎌や特製はさみで切り取る。規格品は２２センチ程度だが、育ちが悪いために、伸ばすと先が広がってしまう。伸び始めた１０センチ前後の、寸足らずだが立派なのを選んで切り取る。そのまま天ぷらにできる大きさだ。スーパーのかご半分ほどのアスパラを貰ってきた。お隣と分け、良さそうなのを娘にチルド便で送った。２日後に着くという。送料が１２００円とは、ちと高く、スーパーで買えばいい様なもんだが、とにかく甘くておいしい。今年はこれで食べ納めかと思うと、ちょっと寂しい。　夕方、だんな様が草刈をやってくれた。ようやく重い腰を上げてくれた。うれしい。これで、背丈ほどに伸びたイタドリをやっつけることが出来る。私が使うワイヤー型草刈機では、太くなった茎にワイヤーが負けてしまい、絡みつくか、跳ね返されてしまう。さすが勢いのある機械だと、ベランダから作業を眺めていたら、「アー、そこダメー！！！」大声で叫んだが、間に合わなかった。気が付いただんな様に「ルピナスが咲いてるのに・・・」「ああ」「せっかく植えたのにー」「それは失礼しました」と、言いながら、残ったルピナスもきれいに刈取ってしまった。ショック、ショック。後で聞いたら、こんなとこによく咲いてるなあと思ったけど・・・。玄関のルピナス軍団のように、種が飛んできたのかと思ったそうだ。来年は、刈取られないもっと手前に種をまいてやろう。

  2006/06/26

• 孫は偉大だ

  　娘一家がきのう帰って行った。１歳になった王様（孫坊主）の相手をしていたら、あっという間に５日間が過ぎていた。毎朝、朝取りイチゴを用意すると、「マンマ？　マンマ？」と、えらくかわいい声を出して、自分の椅子に座ろうとする。結構おおきなイチゴを、口一杯に押し込み、出始めた奥歯で噛み潰していく。次々欲しがるので、調子に乗ってあげてたら、「ええ加減にしといてや」と、娘から一言注意を受けてしまった。だんな様との相性がよかったのか、えらいなつきようで、階段を上がったり降りたり、せっせと面倒をみてくれ、大いに助かった。それにしても幼児の存在は偉大だ。大人４人だけでは話題を探すのも結構大変だが、孫一人のお陰で、食卓も賑やか。爺婆が、朝から晩まで、王様中心に動いていた。久しく、６時過ぎに起きる生活をしなかったので、さすがにくたびれてしまった。娘たちが帰ったらさぞかし寂しくなるだろうと、思っていたが、パステル教室に行ったり、午後は歯医者だと、バタバタしているうちに、日常の感覚に戻ってしまった。急に自分の時間が出来たようで、なんか変な感じ。

  2006/06/23

• 我が家でイチゴ狩

  　いよいよ我が家のイチゴ園の開園の時が来た。６月に入ったのに、５月上旬の気温が続き、なかなか色付かなかったが、ここにきてようやく何とか食べられるほどになった。すこーしずつハウスの中に、あまーい匂いが漂い始めた。伸びるままにほおって置いた株から、それぞれが実を付け出し、重みで地面につきそう。ジャングル地帯みたいで、足の踏み場もない。苦肉の策で、使った割り箸を紐でくくり、X軸で支えることにした。しかし、必要量の半分にも満たない。ほっとくしかないかなあ。込み合った葉の間から、実が覗くが、どうやら風通しと日当たりが悪く、痛いんでいる実が多い。甘みも昨年より落ちた感じがする。やっぱりほったらかしはダメか。かわいそうだが、来年はもう少し間引いて、違う品種にしてみよう。一番成りなので、結構実が大きい。熟すと簡単にもぎ取れるが、少々赤みが薄いのは、「いやー、まだ早いよお」と、茎にへばりついている。「これとこれは明日だな、おっ、こいつは十分。待たせたねえ」なんて声掛けながら、ジャングルの中をウロウロ。何はともあれ、本日の収穫は５３０グラム。初日にしては、結構ありましたねえ。早速、チャイルドシートを借りるついでに、お隣の坊主どもに手みやげにして持参。少々土が付いていても、ワイルドにむしゃむしゃとあっという間に平らげてくれた。

  2006/06/17

• アゴがはずれた！

  　ようやく義歯を入れてもらう日が来たが、どうも神経の興奮が収まらない。結局、神経を取ることになった。麻酔の注射が目の前ににょっきっと出てきた。「はい、チクンとしますよ」歯科衛生士さんが声を掛ける。これって、緊張するなあ。いっこうに痛みが取れないみたい。「はい、起こしますよ。うがいしてください」「あれー、沁みますけど」「沁みますか。様子見ながらやってみましょう」女先生が言いながら、「はい、口を開けてください」ガリガリ始まった。「水をかけますよ。我慢できなかったら、合図してください」いちおう我慢する。だんだん沁みてくるのが激しくなるような・・・。目をつぶっていると、音と併せて、映画の拷問シーンが浮かぶ。（たすけてくれー、何でも言うから・・・）という心境になってきた。思わず頭をずらせようとするが、よく出来たもので、シートが邪魔して逃げられない。手と顔のゆがみでSOSを発信。「どうも、神経過敏になっていて、麻酔が効きにくいので、もう少し広範囲に効く麻酔を打ちましょう」（もう、どうにでもしてくれ。ハヨ痛いのを取って頂戴）やっと、麻酔が効いた。今までの痛みがウソみたい。先生がやりやすいように、大口を開けて３０分ほど経ったころ、うん？ヤバイ。これはヤバイ。アゴの筋肉が硬直し始めた。案の定、口が閉まらなくなった。「はい、ちょっとうがいしてもいいですよ」「クヒガヒマリマヘン。アゴはずれたみ・・・」女先生も、衛生士さんもビックリ。しかし、さすがドクター。一生懸命、アゴを動かして直してくれようとする。「イテテテ、ビフンデナホシマ・」アゴの筋肉が硬くなって伸びきっている感じがする。やさしくもんでやりながら、左右にゆっくり動かしたら、ハマッタ！！どうやら、アゴの蝶番がだいぶがたついてきている様だ。以前にも同じ経験をしたので、多分治せるとは思ったが、一瞬このままだったらどうしよう。口をあんぐり開けて、「ウワワワ」じゃ、外にも出られないよ。そういや、口をあんぐり開けたおもちゃマスクを誰かしてたなあ。なんて、緊張感のない、しょうもないことを考えてしまったが、お二方は、心から安堵した様子で、以後の治療ではちょっと触っては、「はい、楽にしてください。開けられる範囲で治療しますから無理しないで」えらくやさしく慎重な作業となった。アゴ、下唇、しびれが残っている。「もし、明日になっても、しびれが取れてなかったら、必ず電話してくださいね」親切なような、ドッキとするような怖い話。夕方４時過ぎ、ようやく麻酔が消えた。安心したとたん「お腹すいたー」

  2006/06/15

• 孫を迎える準備

  　ようやく晴れ間が見えた。来週に娘一家が来てくれるので、久しぶりにゲストハウスの大掃除。ようやく鉢物を外に出したりで、元の空間に戻った。ロフトの柵の隙間が、ちょうど頭が入るくらいの幅になっているため、孫が落ちては大変と、何か手を打つことにした。ホームセンターで、伸縮する木の柵を見つけたが、一回きりにしては値段が高いのと、イマイチ大げさ。ネット売り場で、頃合のものがあった。鳥、中動物用のいわゆる防虫ネットだ。幅８０センチ、１メートル２００円。色は茶色。ナイロン製。これだね。決まり！柵にくくりつけると、邪魔にもならず、たいして違和感も無し。網に顔をくっつけて覗く孫の姿を下から見上げたら、動物園を想像しそう。一家が来たとき、花たちで出迎えようと準備していたが、６月に入ってからの低温で、さっぱり大きくならない。ようやく玄関先のルピナス集団が、花を付け始めた。まあ、これで良しとしよう。

  2006/06/14

• 天気も気分も冴えません

  今週は月曜日を除いて、濃霧発生→霧雨→雨と、連日１２度ほどの肌寒い気温が続いている。火曜日に歯医者に行き、義歯の準備をするため、またまた麻酔治療となった。神経のすぐ脇まで削ったそうで、神経が興奮状態だ。翌日、歯磨きしようとしたら、ビックリ仰天する痛さが走った。ああ、えらいこっちゃ。顔の半分が痛い。このまま治らんかったら、どうしよう。恐怖が襲う。あわてて、何とかしてくださいと、電話した。再度、仮歯をはずし、神経をなだめる薬を塗ってくれた。人によっては２～３日、痛みが続く場合があるとか。「それで、痛みが取れなかったらどうするんですか」「麻酔して、神経を抜くことになります」冗談じゃない。麻酔は遠慮したいから、気力で持ちこたえるか。神経が過敏反応するのを抑え、徐々に慣らしてやればいいのだろう。すごい！鈍痛で顔がゆがんでいたのに、３０分もしたら痛みがとれた。しかし、薬が切れたら何時また痛みが襲ってくるか、何となく恐怖心が付きまとう。昨夜、月一回の卓球に出かけた。少ない人数で、３０分打ちなど少々張り切りすぎたようだ。寝坊した身体のあちこちに疲れが出てきた。おまけに、あの歯がうずうずしてる。今日はおとなしくして、松ポックリでも剥くかな。天気とおんなじで、ナンかさえない一週間だった。

  2006/06/09

• 松笠にも異変？

  　善は急げと、懲りずに松笠を拾いに行った。隣町の気持ちよく整備された公園のあちこちに、朝鮮五葉松が植わっている。日本の松と違い、枝が交互ではなく、まさに五本ほど放射状に延びている。先日、あまりにきれいな松笠だったので、探せばまだまだ落ちていると思い込んでいた。たかーい天辺の方にまだ少し付いていたが、もうほとんどの枝には付いていなかった。やっぱり、掃除の人たちが始末しちゃったんだ。うろうろと、だだっ広い公園内を、五本の枝を捜し歩いた。ようやく、林の中で、落ちてすでに実がはじけている松笠をいくつか見つけた。落ちた実を拾うことにしたが、よく見ると、すでに殻が割れているのがある。自然に割れたものか。ひょっとすると、リスたちが食べに来たのかもしれない。私たちはリスの餌を横取りしてるのかしら、と少々後ろめたく思いながらも、いやいや、高い種だから、早いもの勝ちよ。大きな木が何本もある割りに、収穫は少なかった。拾いに来るのが遅すぎたかな。それにしても、今頃実がなるかねえ、普通松笠は、秋じゃない。よく、黄色いイチョウや紅葉したもみじと一緒に、松ポックリを拾ったもんだ。この松は季節が違うんだ。なんて勝手な解釈をしていたが、掃除している係りのおじさんに聞くと、「いや、本当は１０月くらいから１１月頃までに大量に落ちるよ。今年は、秋に落ちなかったのが、今頃落ちてるようだねえ。」「秋に落ちる頃、森林組合の人たちが木の管理と併せて、ゴミとして持っていくよ。　拾いに来てる人もいるけど。あれは高い実だからなあ」そうか、やっぱり本当は秋なんだ。なんとなく納得したが、やはり気候異変は起きているのだろうか。カレンダーにメモって、秋にまた拾いに行こう。季節通り、ちゃんと落ちてますように・・・。

  2006/06/05

• 松の実の殻割り

  　せっかく取ってきたのだから、松の実を取り出すことにした。パイナップルのような松笠の間に指を入れて、中に入っている実をつまみ出す。松笠の裏についた松ヤニが、注意していても指に付く。松ヤニのついた指先で実をくっ付けて、引っ張り出す。一つの笠に２粒の実が入っている。延々時間の経つのも忘れ、ようやく一つの松ポックリが終了した。茶色の、かたーい殻をかぶっている。結構大きいねえ。松の実て、こんなに大きかったかしら。さて、これからどうするの？ネットで調べると、“単に殻をむく”、とあるだけ。こんな硬いの、どうやってむくんだ？近所の物知りさんに電話する。「ペンチの真ん中のふくらみに、立ててはさんで、割るのよ」「はあー、さよか」早速、二人で挑戦。なるほど、ペンチのふくらみ幅がピッタンコだ。工夫好きのだんな様が面白がって、口を挟む。ペンチよりもプライヤーの方が楽チンだよ。割った瞬間に、殻や実が飛び跳ねてしまうと、ダンボール箱を切って、手を入れるようにしてくれた。箱の中で割ると、実が飛んでいかないというわけだ。ふむふむ、さすがねえ。一つ割ってみる。おー、うまくいった。中から、クリーム色のような一回り小さくなった白っぽい実が出てきた。つまんで、だんな様曰く、「これぞ、松の実よ」嬉しいねえ、大きい松ポックリで、１８０数個の実が取れた。「今日はもう遅いな。よし、明日にでも、拾いに行こう」だんな様がえらく嬉しそうに宣言して、地下に降りていった。なんだ、割るのは私の役か。ならば、松の実の取り出し方を、研究してもらおう。

  2006/06/04

• いざ！出陣の時

  今年も草刈の季節がやってきた。刈っても刈っても、２～３日すると、すぐに伸びてくるので、切がない。それでも、まさか、牧草畑にするわけにもいかず、重い気持ちを奮い立たせて、いざ出陣となるわけだ。まず、汗を吸う長袖のシャツを着る。次に、ナイロン作業着上下を着込む。頭にタオルを巻き、口をスカーフで覆いつくす。そして、ゴーグルを付けて、帽子をかぶり、ゴム手を付けて、やっと形になる。まるで宇宙人だなとだんな様が笑う。草の汁は飛んでくるし、時には小石がももを直撃するし、暑さで、ゴーグルはすぐに見えんくなるしで、本人はしごくまじめなスタイルなのだ。向こうの木立まで続く牧草を見ながら、さあて、どこから始めるか。とりあえずは、当然家の周辺から。（多分、周辺だけで手一杯だ）タンポポが緑の中にかわいく咲いているが、綿毛が飛び出すと、花壇や畑に入って、もう、始末に終えなくなる。今がチャンス。かわいそうだが、とりあえずあなた達は、今回で終了とばかりに、一気に刈り込む。私が使っている草刈機は軽いナイロンカッターだが、これでも大抵の草は刈取ってくれる。虎刈り状態もかまわず、右から左へ。うーん、気持ちいい。草には気の毒だが、小気味よく刈取っていく。一時間ほどすると燃料切れとなり、本日の作業は終了。初日からあまり長くやると、後で手がしびれてくるので、頃合が大切だ。今日は曇り空で、作業には程よい天気だと思ったが、気が付くと、しめった草のかすや汁が、作業着やスカーフにべったりと付いていた。やれやれ、一つ作業すると別の仕事が生まれる。洗った作業着を干しにベランダに出たら、プーンと爽やかな草の香りがしてきた。

  2006/06/02

• 大きな松ポックリみーつけた

  プールの帰り、芝生に大きな茶色のものが落ちている。何となく覗いた。「ねえねえ、見て。これ松ポックリだよ」「こーんな大きな松ポックリ、今まで見たことがないねえ」一つ一つの笠が大きくて随分硬い。二人で、調子に乗って、あっ、ここにも、あそこにもと、拾い集めた。無造作に掴んだら、すごい松ヤニがついてしまった。あわてて濡れタオルでこするが、乾くとまたニチャニチャする。大きな松の木のたかーい枝の先に、いくつも大きな松ポックリが揺れている。結構大きな実が３個ほど付いているから、枝も支えるのが大変だろう。松笠をよーく見ると、松の実が付いている。これがあの高級品ぽい松の実かな。日本の松ではなさそうだから、多分朝鮮五葉松であろう。松の実は、コレステロール値を押さえ、老化防止や美肌効果、疲労回復など、高品質の木の実なので、いっちょ殻をむいて、実を採ろうかな。それにしても、えらく強烈な松ヤニだ。洗っても洗っても、なんとなくにちゃっとするよ。

  2006/06/01

• 「ゆずり葉」

  ここ３日間、低気圧の到来で、雨の日が続いています。日中でも１２度前後、少々肌寒く、チューリップも雨に打たれ、しょげています。でも、季節は確実に初夏に向かっている様子。柏の木が若葉色に変化し始めました。柏餅を包むあの葉っぱです。むかーし、むかし。お金を借りた御仁が言いました。「柏の木の葉が落ちた頃に、必ず返すから」貸した方は、今か今かと待ちました。秋から葉が茶色に変わり、寒風と共に、周辺の木々の葉が皆落ちた頃、柏の葉は、枯れた葉をまだしかっりと付けていました。周りが新緑に包まれた５月、柏の葉はまだ茶色のまま落ちません。６月、ハッと気が付くと、いつの間にか、新しい芽が出て、次の葉が出ています。枯れた葉と交代するように。お金はいつまで経っても戻ってきませんでした。柏の葉は、「ゆずり葉」の仲間です。新しい芽が育ってから、古い葉が譲って落ちていくので、ついた名だそうです。なかなかこころ温まる呼び名ですが、くれぐれも「柏の葉が落ちたとき・・・」にはご用心。

  2006/05/30

• 今年もみかんの花が咲きました

  ♪みーかんのはながさあいてーいる♪みかんの白い花が咲きました。鉢植えにしたものです。昨年は、ビニールハウスで育てたところ、一杯花が咲き、小さな実がついた頃、次々と、ポロポロと落ちてしまいました。今年は、ゲストハウスの中で冬を越し、昨年より大きな花が咲きました。さて、果たして結実してくれるのでしょうか。通販で買った苗ですが、解説には、「寒い地方でも室温で十分実がつきます。」とあったのですが・・・。

  2006/05/28

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