㈱FPコンサルツ広場　FPの幸せ探検隊

僕が海上保安大学校の学生のころ専攻は機関工学だったので呉の学校から小豆島への巡航計画は航海科のN・S君が練った。

ところがこの計画がくせもので瀬戸内海の潮の流れを計算に入れていない、
手漕ぎのボートで出せる速度はカッターボートのような抵抗のある船体はせいぜい３ノット、瀬戸内海で潮の流れの激しいところは７ノット～１０ノットちかくある、だから逆行するってえの！

失礼

ある島の道路の脇を通り過ぎるときは３ノット～４ノットの潮の流れがあったので前に進まない
なんで進んでないのかはっきりわかるのは横にある石垣の石がずっと同じなのだ、この時はさすがに１時間漕いで退散した。

ちなみにこのN・S君は同期で一番出世している。
そんなことはどうでも良いのだが巡航計画は再度練り直しとなった。

この巡航はハプニングだらけで小説より面白い。

最初のかっこ悪い話をします。

ある海水浴場に立ち寄ることにした、しばらく海水浴をしてバカンスにきていたお姉さん方と仲良くなった「あら、海上保安大学の学生さんですか、カッコいいですね」などともてはやされ、しばらく親交を深めた後海水浴場を後にした。

ヨットは向かい風でもジグザグに進むことで前に行くことができる、これをタッキングというがこれをするためには
1.抵抗のない船であること
2.船底にセンターボードと呼ばれる舵のようなものが付いていること
などが必要だ、そうでないと風で押し戻されるのだ。

僕たちがその海水浴場を後にしてしばらくタッキングしたあとまた同じ海水浴場に帰らざるをえない羽目になったのは読者の皆さんにもなんとなく分かると思う。

あー、カッコ悪

だが、この後にもっとカッコ悪く、もっと危険な、もっとみじめな状況に陥るとは神様にも分からなかった。

つづく


写真は保安大を出港するところ、バウの帽ふれが私である。