㈱FPコンサルツ広場　FPの幸せ探検隊

海上保安大学校の学生は遠泳訓練が必須である。

ぜんぜん泳げないカナズチでも最低３マイルは泳がなくてはならない。
（海のマイルは陸のマイルと違うので普通は３海里という、１海里＝約1.8キロ）

だから、5.4キロは泳ぎきらないと卒業できない。

コースは２つ用意され泳ぎのうまい人は５マイル、下手な人は３マイルとハンディが付けてある。
僕は泳ぎが下手なので３マイルのコースだ、夏の瀬戸内海はくらげが多い、水温も温かいところもあれば急に冷たくなったりする。
１年生のときに３マイル泳ぎきったので少々自信が付いた。

で、それから１０年がたった。
昔の経験から海水浴場でちょっと沖に出てみたのだ、ぼちぼち岸に帰ろうとUターンして泳ぐのだがいっこうに岸が近づかない、だんだん怖くなって心臓がどきどきしてきた。

そう、パニックが起こったのだ、スキューバーでもなんでも水死をする人の原因はほとんどパニックだ！
それは学生時代教官に叩き込まれた、だが、あれから１０年が経ち泳ぎの自信がすっかりなくなっていたのだ。

落ち着け、落ち着けと自分に言い聞かしても動悸が止まらない。

その時こんなフレーズが頭の中をかけめぐっていた、
「元海上保安大学校学生海水浴場で水死！」海水浴場という場所が気に食わない
そんなことばかり考えていたら、何故か落ち着いてきた。

冷静になると効率よく泳ぐことが出来る、それでなんとか岸にたどり着いた。
もちろん、しばらくは波打ち際からは動けなかったのだが・・・

海は怖い、岸から沖に流れる潮流があるからだ。
僕は思った、なんとか海上保安大学校の名誉だけは守ったと。