㈱FPコンサルツ広場　FPの幸せ探検隊

ホノルルのアバンチュールの前に書いておくことがあった。

東京を出港してから死ぬ思いをしたことを忘れていた。

台風何号だかとの追っかけっこだ、かなり強力な台風で太平洋は荒れまくった。

練習船「こじま」も東南へ向かう台風も東南へ向かう、通り過ぎたと思ったら待ち伏せしている、それで船は揺れまくった。

船のゆれは２種類あるローリング（横揺れ）とピッチング（縦揺れ）だ、それに太平洋のうねりが加わり最大で方舷３０度、上下１０メートルの動きが加わる。

想像してみてください、５階建てのエレベータの中で最上階まで上がったり降りたりしながら左右に３０度づつしこを踏んでいる自分を・・・それが休憩なく３日間

３日間続き、さすがにコックさん（主計士）も料理が作れず食堂にはバケツの中におかゆが入っており、食べたい人はどうぞ一人で配膳してください状態だった。

エンジンコントロールルームにいるとプロペラが空転する音が聞こえる。
「ブルブルブル！」こっちもブルブルだ・・

「PL21こじま」のエンジンは7MD51と言う型式のディーゼルエンジンだったが壊れるかと思った。
（興味のある人のために・・７はシリンダーの数、５１と言うのはピストンの直径センチで２８００馬力を発生した・・といっても今は小さな巡視艇でも同じ馬力がある）

吐くものがなくて吐きたくなると黄色い液体が出てくる、胃液である、においのある食べ物は体が受け付けないが不思議とリンゴは食べれる、なんでだろう？

働きたくないがワッチがある、(watch)ワッチとは船を動かす人たちの時間帯だ、つまり自分たちのことだが３時間づつ一日２交代である。

いちばんきついのがサブロクワッチ、朝方の３時に起きて６時まで作業する。作業が終わったら朝ごはんの配膳準備をする、ロクキュウワッチの者がその後片付けをする。

僕はご飯が食べれず点滴を受けながら台風が去るのを待った。

つづく