㈱FPコンサルツ広場　FPの幸せ探検隊

海上保安大学校は全国に一つ、広島県の呉市にある。

一学年５０名以下の４年生の大学校で卒業すると海上保安学士の称号が与えられ三等海上保安正（警察で言うと警部補、自衛隊で言うと三尉）に任官する。
入学したときから国家公務員で６等級３号俸と言われる給与がもらえる。

海上保安庁職員全国１万３千人の中のエリート中のエリートになる。
英語でいうとBest of the best of the bestだ！！

だが、４年間一般大学の３倍近い単位を取らなければならないし、毎日のように続く訓練、毎朝６時半起床、門限１０時１５分を守らなければならないし、留年は１回だけ、２回留年したらクビだ。

全寮制だし、部屋の組み合わせは１年～４年で完全な上下関係で動く。

なにが嫌だと言ってこの全寮制が一番嫌だ、大きなリスクをともなう、つまり病気だ。
お風呂は一つしかなかったので、誰かがインキンタムシになると半数以上の人にうつる。

誰かが風疹になると空気感染するので全員が風疹にかかる、４年生のとき僕の場合は悲惨だった。

春休みの１ヶ月前ぐらいから流行りだし、僕には症状が出なかった、みんな授業を休んで学校の病室で休んでいることができたが、僕は春休みの一日前から症状が出だし、外出禁止。

皆が嬉しそうに帰省していくのに僕は病室で一人病魔と闘ったのだった。
下級生は３人ともかかってしまっていたので帰省する前に見舞いに来てくれた。
風疹は一度かかると免疫が出来て二度とかからない。

「先輩、かわいそうですね！お大事にしてください！」と言って病室を去っていくのだが、かすかな笑みを浮かべていたのを僕は見逃さなかった。