㈱FPコンサルツ広場　FPの幸せ探検隊

今日、海保大の先輩からはがきが届いた、転勤のご挨拶だ。

海上保安大学校は広島県の呉市にあり一学年５０人以下の全寮制で海上保安庁職員1万2千人の頂点に立つ幹部を養成する教育機関で全国に1校しかない。

僕が入学した時の３年生が部屋長がＳ氏で東京都立九段高校出身、男ばかりの５人兄弟の末っ子だった。
普通、部屋の組み合わせは１年生、２年生、３年生、４年生の構成で完全に命令系統が出来上がっており４年生が部屋長と決まっている。

だが、たまに組み合わせで４年生がいない部屋ができる、だから３年生が部屋長になることもある、部屋長はいわば天皇と同じで雲の上の人となる、３年、４年と部屋長になれる人は運がいい。（実は僕もそうだった）

このＳ氏が僕のことを可愛がってくれ僕があの学校に残れたのもあの人のおかげでありまた逆に保安庁をやめたのもあの人の言葉がきっかけだ。

「本を読め！！」

それまでの僕はほとんどカバーの厚い本は読んだことがない、だいたい人に影響されやすいので天皇のおっしゃる言葉は神の声と同じだ。
だから必死に読んだ、今も思い出すのは呉の書店に行き、まだ読まなければいけない本がこれだけあるのかと汗が出てきたことだ。

いろいろな人の生き方を本で知るうちになんだか公務員の世界が色あせてきた。
１８歳で自分の人生の行く末がわかるなんてある意味地獄だ。

それをよしとするかしないかはその人の性格による。

僕の人生の恩人ともいえるＳ氏からのハガキの話に戻るが、Ｓ氏はとても優秀な人だったので早い時期から出世されていた、たしか３０歳ぐらいの時に海上保安庁長官秘書官だった。
年齢でいうともう５３歳になられていると思う、今回の第１管区からの葉書にはポストは書いてはなかったが第１管区本部長に違いない。

海上保安庁は１１管区に分かれているので１１人しかいない本部長の一人だ。
その期の出世頭は最終的に海上保安庁のナンバー３である本庁警備救難監になる。
制服組はそこまでで、長官と次長はＴ大法学部のキャリアがなる。

Ｓ先輩はどこまで行くのだろう、僕は警救監になると信じている。