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ホシミスト3013の天体撮影記

ホシミスト3013の天体撮影記

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2020年11月15日
XML
カテゴリ:太陽系
アトラス彗星がオリオン座の中を北上していきました
 ・・・んだそうですね(^^ゞ
 この一週間は多忙を極め、出勤したその日のうち、に家に帰った
 とは言えない日々が続き、
 家に持ち帰った机の上の残った仕事ばかり見てました。
 我が家周辺は快晴の空が続いていた「そう」なんですがね。

 さて、そうなると、いろんなところに
 カラフルなオリオン座分子雲と一緒に写った彗星
 の画像があふれています。
 自分も撮りた~~い。

 大仕事を一つ片付けた11/13の金曜日の夜、
 早くしないとバランスよく撮影できないぞ~~
 と撮ってみることにしました。
 が・・・
 M42と馬頭の存在に気を取られたため
 113mmなんて半端な焦点距離で撮ってしまい
 結局もう少しバーナードループを入れないと
 バランス良くなかったかな??という仕上がりに。(*^▽^*)ゞ

(楽天)


(フォト蔵)
オリオン分子雲とC/2020 M3 アトラス彗星
オリオン分子雲とC/2020 M3 アトラス彗星 posted by (C)ホシミスト_3013
Tamron 70-200mmF2.8(113mmF3.5)
Astronomik CLS-CCD
Canon EOS Kiss X7i(Ir) ISO1600 120sec×25(総露出50分) 
Takakahashi EM200(AGS-1L)+PoleMaster(完全ノータッチ) 
DSS(L25D11F40DF40B60)KappaSigma Star Mode
PSCS2 SI8 NeatImage
2020.11/13 23:56~自宅庭

 さて・・・どこに彗星がいる??
 見慣れた人なら、これが彗星だね、
 と一目瞭然なんですが
 彗星を中心に据えた画像ならともかく
 こんなに右上端っこにぎりぎり写っているような状況では
 あまり詳しくない人が見ると、どれが彗星??
 となりますよね。
 
 なぜ見なれた人にとっては一目瞭然か、というと、
 彗星はエメラルドグリーンだから、ということは
 詳しい方には周知の事実です。
 だから、どれ?と聞かれたときに
 エメラルドグリーンのヤツですよ~~、と即答できるわけです。

 ということは、どこに彗星いる??という質問は、
 取るに足らない質問でしょうか??

 観望会に行って子供たちを相手にした時
 彗星はエメラルドグリーンのやつですよ、と説明したその後
 どう会話が続くか想像を膨らませてみましょう。

 簡単な話です、ほぼ間違いなく、
 なんで彗星はエメラルドグリーンなの??
 と聞かれることでしょう。

 答えられますか??

 彗星は、太陽から遠く離れた凍てついた場所から飛んでくるけれど
 太陽に近づくと温められて
 凍っていた地中のガスが噴出し、
 そのガスが青緑に光るんだよ。

 さて、そこまでは私でも即座に答えられます。
 でもそこで終わるわけが無い
 おそらく次の質問、
 なんで彗星のガスは青緑に光るの??

 連続「なんで?」攻撃(*≧m≦*)
 子育ての経験がある方にとっては珍しいことではないですよね?
 なんで?→答→へえ、それはなんで? を繰り返し
 いずれそう簡単には答えることができない「なんで?」
 が来るんですよ

 その答に近そうなことを書いているサイトを見つけました
 一つはAstroartsに書いてある、チェリホフゲラシメンコ彗星の観測
 (彗星の表面は岩石なので基本グレー、
 しかし太陽に近づくにつれ内部の氷が溶け水となり、青に近づく、
 さらに太陽に近づくとダストも舞い上がるため
 彗星のコマとなっている薄い大気がそのダストの影響で赤っぽくなる
 というようなことが書いてあります)

 もう一つはExcite brog で見つけた、彗星から放出される物質の炎色反応の話
 (彗星の成分の中で温められて揮発してくるのは二酸化炭素と水
 CO2とH20が分解されると、不安定な炭素の分子ができ
 この炭素の分子が青から緑にかけての光を放つ
 というようなことが書いてあります)


 さてこれでだいぶ「なんで?」攻撃への防御武装ができました♪
 安心して、エメラルドグリーンに写っているのが彗星だよ
 と答えましょう。

 恒星は緑に輝くものはないですから、
 エメラルドグリーンの彗星はすぐにわかりますね

 ・・・
 ぬ?

 子供の目がきら~~ん
 しまった、余計なことを言ってしまった・・・

 「なんで恒星の色に緑は無いの??」
 (今日の写真で、オリオン座の三つ星は
  光害カットフィルターのせいで少し緑っぽく写ってますが
  本当は青い星なんです)

 きたーっ!連続なんで攻撃!!
 恒星は温度が高い順に青→白→黄色→赤です。
 しかし光のスペクトルを考えると
 緑があったっていいはずなのに
 なんで??
 さあどうしよう・・・

 ここでな~~~んと!
 天文リフレクションズを見ていたら
 答えが出てきました。
 (恒星の光は連続するスペクトルの可視光線として見られるが
 高温の時は紫外線に近い青、低温の時は赤外線に近い赤となる。
 温度変化によりこの青と赤の配合割合で星の色が決まるけれど
 青から青の成分が少し少なくなる温度だと青白
 赤よりも少し温度が高くて青の成分が入ってくると黄色
 で、青と赤の中間の温度になると、
 青と赤の成分がほぼ同じぐらい混じり合うので結果白になる
 というようなことが書いてあります)

 すごいタイムリー♪

 どれが彗星?と聞かれたら
 え?彗星の色知らないの?、でその場を離れるのではなく
 質問者がそこまで掘り下げて考える機会を下さったことに
 感謝して然るべき、と思いまする(*^▽^*)ゞ

 人に教えようと思ったら、
 教える内容の3倍ぐらい深いところまで知っておかないと
 教えられるものではありません。
 某SNSで、ときどき初歩的な質問が届きますが
 それに答えているわたくしにとって巨匠と呼ぶべき知人、
 私ならこう書く、という内容を押さえたうえで
 さらにもう一つか二つ深いところの話も書かれていて
 その内容を読むと、そこそこ星のことは知っている(つもりの)私にとっても
 ほえ~~、と思うような初耳学が含まれていたりします。

 子供たちは知識欲旺盛ですから
 次々になんで?と掘り下げてきます。
 子供だけでなくそういう大人がいたとしたら
 そういう旺盛な知識欲を保っているすごい人です。

 初歩的な質問であればこそ
 より深く考えるチャンスであり、
 答えのその3倍ぐらいの深さを知っているかを見つめ直すチャンスです。
 また、それへの答え方にその人の本当の知識の深さと人柄が表れる
 と、自分への教訓とし、
 また、そういう風に答えられているその方への尊敬の念が
 強まるばかりなのです。(*^▽^*)ゞ





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最終更新日  2020年11月15日 16時49分37秒
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15年ぶりに趣味の世界に帰ってまいりました。はたして天体写真の腕が上達するのか?その足跡を残しておきたいと思ってはじめたブログです。
最近は、DeepSkyStackerというフリーソフトを使えるようになり、画像が格段によくなってきましたが、その分庭からでなくなってしまいました。暗いとはいえ住宅地からどれくらい星が写せるのか、も見ていただけたら、と思います。
なお、梅雨など、星が写せないときには遠景や花など、節操無くアップしますのでご容赦を。
(^^ゞ

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