テーマ:◆◇◆天体観測◆◇◆(786)
カテゴリ:太陽系
せっかくの土曜の夜、またしても天候の回復は間に合いませんでした。
まだ星空に会えません。 その上日付が変わった頃から突然暴風。 庭先の物が飛ばされる音で目が覚めました。 昨夜の宵のうちはむっとするぐらいの熱い空気が どよん、とたまっていた感じでしたのに。 さて、前回IR-PassフィルターとCMOS動画カメラ、 とりわけモノクロカメラとの組み合わせは かなりシャープな画像が得られるところまでまとめました。 その際知人から デジタル一眼レフとの組み合わせだとどうなるだろう? とコメントいただき、その検証は宿題としていました。 その後あまりよい天候に恵まれず、大した検証はできませんでしたが、 結論は出たようですのでご報告いたします。 結論、と言っても、大方の予想通りです。 つまり、デジイチとIR-Passの組み合わせの相性は悪いようです。 もともとデジタル一眼レフカメラは、 人間に見た目に近い色での画像を残すために設計されています。 つまり可視光以外の、紫外線・赤外線はもともとカットされています。 なので非改造カメラでは赤外線撮影はできません。 赤外線透過改造を施したカメラが必要ですが、 当家には、EOS70DとKiss X7iがあります。 この二つで検証してみました。 (EOS70D編) Edge HD800+0.7x Reducerを使って、 フィルターなしで直焦点で撮影したものです。 4/27 00:07 ISO200 1/2000秒です。 ステライメージでヒストグラムと一緒に表示しています。 赤外線透過改造している分だけ、赤の光ほど強く記録されています。 IR-Passフィルターを装着したらどうなるか。 4/27 00:04 ISO200 1/500秒です。 赤は変わりないですが、緑と青の光は暗くなっています。 これを40コマずつスタック・ウェーブレット処理をしてみたところ、 シャープさは改善せず、ノイズだけが増えています。 理由の一つとして考えられるのが、 カメラに本来装着されている赤外線カットフィルターを取り外す改造をした際に、 ゴーストの発生を抑えるためにクリアフィルターを入れる場合があるのですが、 そのクリアフィルターはHα等の波長まではよく透過するが、 それ以上の波長の赤外線はカットするのではないか?という可能性です。 70Dの方は知人から引き取ったものですので、 どのような改造をされているのかよくわからないのが残念です。 一方でX7iは赤外線カットフィルターを 取り外しただけの改造であることは確認済みです。 ならばこちらならどうなるのか、興味が出てきます。 (EOS Kiss X7i編) 天候がなかなか回復しませんので、非常に透明度が悪く気流も悪く、 その上ごく低空にある時に撮影しています。 回りくどいこと抜きで、画像を見てください。 今回も40コマのスタック、ウェーブレットです。 撮影は同じくEdge HD800+07x Reducer、 上がフィルターなし 2021.04/29 23:02 ISO400 1/100秒。 下がIR-Passフィルターあり、23:00 ISO400 1/30秒 X7iは70Dほどノイズが浮くことはありませんでしたが、 なんだか水彩画のような雰囲気です。 感度が70Dでは1/4程度、X7iだと1/3程度の印象です。 感度が落ちる分だけノイズが増えたり、 シャープさが落ちたりするのでしょう。 それをカバーするほどの、シンチレーションキャンセル効果はない、 ということであり、 その効果が出るほど直焦点では拡大率が出ていない、ということですね。 ところで、この結果から、デジタル一眼は赤外線透過改造をしても、 ある程度の波長までしか感度が無さそう、と思われます。 CMOS動画カメラは防犯カメラからのセンサーの流用のため 元々赤外線に感度があるように作られていますが、 デジイチでは赤外線は不要だから、元々の設計が違うのかもしれませんね。 さて、今回はちょっと画像としてすっきりしないものばかり アップしてしまいましたので 後味がちょっとでもよくなるように 画面を閉じる前にこちらを見ていただけると幸いです。 4/24にASI178とIR-Passフィルターで撮影し モザイク合成した月全体像です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年05月09日 01時18分17秒
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