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テーマ:小学校での出来事(1644)
カテゴリ:給食室だより
昨日から、学校内に郵便局が開局した。2年生が郵便局員となって、特活室を拠点とし、校内を配達員となった子供たちが元気に走り回っている。
毎日、自分の家に配達されてくる手紙やハガキが、どのような経路をたどって届けられるのかを学ぶ、生きた授業だ。 ハガキは、子供たちの手作り。お金ほどの大きさに切った紙に50円と書いて、特設の郵便局の窓口に持っていくと、ハガキが一枚もらえる。 それぞれに決められた、各教室の郵便番号を書き込み、住所にあたる部分に教室名を書く。あて先を記して、差し出し人の欄にもきちんと自分のクラスの郵便番号、教室名、名前を書く。 裏を返して、本文を書く。そして、校内の数ヵ所に設けられたポストに投函する。実際にハガキを出す時と同じ手順をふむことで、手紙の出し方を学ぶのだ。 その後は、郵便局員となった2年生の出番だ。各ポストから投函されたハガキを収集し、郵便番号ごとに行き先を分ける。配達員となった子供たちが、休み時間を利用して、各教室前の廊下に設置された郵便受けに配達していく。 紙で作ったバッグを斜め掛けにした子供たちが、元気に「郵便で~す」と言って、郵便受けにハガキを入れていく。 私たちの調理室にも、昨日から、たくさんのハガキが届いている。ほとんどが「毎日おいしい給食をありがとう」という内容だが、色鉛筆できれいに色を塗ったものや、かわいい絵を描いてくれたものもあり、微笑ましい。第一便で届けられたのは、1年生のハガキ。たどたどしい文字で、ハガキいっぱいに子供の思いがつまっている。始めの文字を大きく書きすぎて、最後のほうは小さくなってしまっていたりして、思わず笑みがこぼれる。 女の子の一人は、「いつも給食がおいしいのに、時間がなくて食べ終わりません。食べ終わることもあるけど、もっとたくさん食べたいです。」と書いていた。 調理室前の廊下の掃除をしている3年生の男の子は、「いつも温かいお湯をくんでくれてありがとう」と書いてくれた。北側の寒い廊下で、水で雑巾をしぼっているのを見かねて、バケツにお湯を入れてあげるのが、最近習慣になっていたからだ。 こうして毎日、たくさんのハガキが届けられる。それぞれ個性的で、読んでいるだけでも楽しい。子供たちも、社会勉強の一環として、郵便業務を行っているのだが、とても楽しんでいるようで、見ている私たちも気持がいい。 調理室前に設置された住所表示と郵便受け さて、明日はどれくらいのハガキが届けられるのだろう。知っている子からだけではなく、顔もわからない子供からのハガキが、私たち調理員を元気づけ、励まし、頑張ろうという気にさせてくれる。年に一度の子供郵便局。ハガキだけではない何かを、子供たちが配達してきてくれる。 関西で起きた小学校を舞台とした痛ましい事件。これからますます、学校のセキュリティが議論されていくことだろう。そのうち学校が、刑務所か要塞のようになってしまうのだろうか。近所の人たちが、犬の散歩や小さい子供を遊ばせるために、学校を訪れることは、現時点でもかなわないこと。地域の人とのふれあいを大切にし、近隣のお年よりや動物たちと気軽に接することができるような、安心で安全な環境を子供たちに与えることは、もはやかなわないことなのだろうか。開かれた学校は、理想の彼方へと追いやられてしまった。 笑いながら、廊下を行き来する子供たちを見ながら、素直にすくすくと育ってくれることを祈るばかりだ。希望に満ちた未来が、子供たちの心の郵便受けに、溢れていってくれたらよいのだけれど。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【賢人訓より】 《騎虎の勢い》...きこのいきおい いったん虎にまたがれば、途中で降りるわけにはいかない。降りれば虎の餌食になってしまうので、走り続けなければならない。 何かを始めたら、途中で投げ出したりしないで、必ず、目的を達成するまで頑張ろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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