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テーマ:仕事しごとシゴト(23735)
カテゴリ:給食室だより
8時10分。「時間だよー!」の声に、一斉に階下の調理場へと降りていく。長靴に履き替え、消毒槽を通り、丹念に手を洗ってアルコールを吹きつけ、それぞれの持ち場へと散る。
ラジオ体操が始まるまでの15分間に、その日に使うあらゆる道具を揃え、消毒したり数えたりと準備をする。献立を再確認し、材料や量を改めて頭に入れる。 25分、全員揃ってラジオ体操。朝礼で場長の話、栄養士さんの話があり、いよいよ戦闘開始だ。 四つの班(下処理・調理・盛付・洗浄)に分れ、自分の担当の仕事をこなしていく。 約4000食もの給食を作るため、段取りがすべてと言ってもいいくらい、下準備は重要だ。前日の午後の仕事の前に、翌日の献立に関するミーティングがあり、栄養士と調理員とで、綿密な打合せをする。基本的には、小学校3校分と中学校3校分をそれぞれ3回ずつに分けて調理をする。そのため、材料の野菜・食品や調味料も1回分ごとに量って分けていく。 たとえば、キャベツが納品されると、量って分ける人、外葉を剥いて芯を取り半分に切る人、水にはなしたキャベツを一枚ずつ剥がして洗う人と分れ、作業がスムーズに運んでいく。玉葱は、やはり1回分ずつ皮むき機で洗い、芯と頭を落し皮を剥き、水にはなして一つずつ洗っていく。この時点で、傷んでいるところを取り除き、虫がいないか異物が入っていないかを確認をする。この作業は、手の空いている人すべてで行われる。 野菜のカット その後、調理場へと運ばれた野菜は、もう一度丁寧に洗われて、大きなカッターで次々と刻まれていく。この間に、調味料担当の人は、調味料を量り、釜の前に用意しておく。2回分の野菜が準備されたところで、調理担当が熱くしておいた釜で調理にかかる。 アジフライを揚げる 揚がってきたフライの中心温度を計る この後は、野菜の洗浄・食材の下処理が同時進行で行われ、用意ができたところから次から次へと調理され、出来あがったそばから盛付担当が食缶やバットへと配缶していく。釜が空になると即、洗い、また同じことを繰り返す。釜は7つあるが、献立によっては味噌やルウなどを溶くためのお湯をわかしておくために一つ、和え物の場合には、茹でものがあるので、そのために一つか二つ使用する。揚げ物がある時には、フライヤー近くの釜は危険防止の意味もあって使えない。実際炒め物や煮物などを作るには三つか四つの釜しか使えないため、空いたそばから洗って調理を繰り返していくのだ。 アク取り 味噌を溶いている 出来あがった料理を釜から食缶へ 配缶された食缶やバットは、コンテナに詰められ、すべての料理が納められると、学校ごとに配送車に乗せ、それぞれの学校へと給食センターを出発していく。 配送車にコンテナを積み込む。さあ、出発! 11時頃までには、すべての学校へと給食が運ばれていくが、休む間もなく、昼までの1時間は後始末に追われる。揚げ物があった日には、フライヤーの油(一斗缶12,3本分)をすべて落し、フライヤーを洗剤で洗い、水分を拭きとって乾かし、濾過した油をもとに戻す。焼き物の場合はオーブンを使用するので、やはりオーブンそのものや鉄板を洗う。フライヤーにしてもオーブンにしても、大型なので、後始末だけでも一仕事だ。釜もきれいに洗い、回転させて蒸気を入れ乾かしておく。 使用した幾十ものザルやボール、ヘラや網などを洗うのも、短い時間では終らない。やはり手の空いた人から手伝いにいき、なんとか12時までに終らせるのだ。 最後に、ホースで床全体に水をまいてきれいにし、やっと午前中の仕事が終了する。 調理場の様子が、少しは伝わっただろうか。何の仕事でも大変だろうが、時間に追われ、大量の調理をするこの仕事は、肉体的にも精神的にも消耗が激しい。特に、今の季節は体力を奪われ、昼休みには上から下まで着替えをして、みんな横になっている。ゆっくり休める大切な唯一の時間だ。 午後は、戻って来た食器や食缶、バットなどを洗浄する。なんだか、ここまで書いただけで疲れてきたので、そちらの様子はまたの機会にしよう(^^;) <この日の献立> たけのこご飯・牛乳・アジフライ・切り干し大根のサラダ・なめこ汁 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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