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カテゴリ:まる子だより
私の働いている病院。沼田の隣り「川場村」にある。 病院に向かう道路の正面には、遠く武尊山が雄大にそびえ、山々に囲まれて建っている。空気は爽やかに澄んで、時折、リスや鹿やたぬきなどがかわいらしい姿を見せてくれる。 そんな小さな動物ばかりならいいのだけれど、最近は熊が出没しているらしい。 周囲を山に囲まれているので、熊が現れても不思議はないのだけれど、今年は異常なほどに目撃されているという。病院の敷地内でもいくつかの目撃情報が寄せられていて、朝礼でも熊に注意するようお達しが出ている。 道路のそちこちには「熊出没注意」の看板が立てられ、少し山をあがると注意を促す標識がある。 山中ならあたり前だと思うかもしれないけど、ところがこちらの看板はれっきとした街中。 すぐそばに民家が見える。ここは、私の住むアパートの裏側。近所にはスーパーやコンビニがあり、商店があり、ふつうにたくさんの家々がある。西側には幼稚園があり、東に数百メートル行けば、沼田公園がある。そしてこの幼稚園で熊が目撃され、沼田公園では子熊が捕獲された。 今年は、熊の食料である木の実がほとんど生らず、冬眠前に大量に食べておかなければならない熊にとって、山の中で餌が探せない状態であるということだ。そのため、里だけではなく、こんな街中にまでも熊が出没する事態になっているらしい。地元の猟友会の人たちが熊狩りに出て、何頭かの熊を捕獲したが、いずれも痩せていてとても冬を越せそうもない体格だったという。熊にとっては、生きるか死ぬかの瀬戸際。そりゃあ、街中まで出てきても餌にありつこうとするだろう。 リンゴ園のリンゴはもちろん、民家の庭の柿の実まで熊に食べられている。そんな被害は数え切れないほど報告されているようだ。幸いなことに、今のところ人に危害をくわえてはいないが、この先どうかはわからない。私たちも熊と遭遇しないように、鈴を持ったりラジオをつけて歩いたりして気をつけてはいるが、やはり怖い。きっと熊も怖いんだろうな。 共生、住み分け...色々と言われているけど、本当の意味で、野生の動物にも人間にもいい環境を作っていくことは難しいだろう。せめて野生動物の居場所を居心地のいい場所として、人間が守っていくことは最低限に必要なことなんだろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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