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2006.04.17
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カテゴリ:読書

四つ葉四つ葉四つ葉

ノート 『私と読書』 ノート

私は、幼い頃から本好きで、

少ないお小遣いは即、
当時の貸し本屋さんに貢いでいました。

最初は、漫画きちがいで、明けても暮れても漫画どっぷり。

母に見つかると、叱られるので、
ふとんの下に隠しておいて、
早朝、まだ母が眼を覚ます前に、こっそり引っ張り出しては
呼んでいました。

でも、不思議と漫画からの脱皮時期が訪れ、

今度は突然、文学の虜となり、そのせいか、
活字大好きの、少女と変容していったようです。

中学時代は、

白樺派の武者小路実篤、志賀直哉から、
夏目漱石、太宰治等夢中で読み漁り、

高校時代は、

友達の家から世界文学の本を借り、
本当に意味がわかっていたのかどうかは、別として、

大人になっても、
本はいつも自分の一部のようになりました。

私と、ヘッセの本との出会いは、『車輪の下』でした。

高校生の私が、胸をえぐられるような思いで

読み終えた事を、今でも覚えています。

それからは、ジャンルとはず
たくさんの本を読み続けました。

私が、ヘッセとの再会を果たす事ができたのは
それから30年後でした。

夫の書架の整理をしていた時に
「庭仕事の愉しみ」を見つけたのです。
 
表紙の写真の、
穏やかな知性に満ち溢れた眼差し、美しすぎる皺、

何という年輪、

彼の晩年をまさかここで見い出せるとは!

平和主義者であった彼の人生は、

常に、生死を賭した、闘いの連続であり、
すさまじい国家間の修羅の狭間で、生き伸び、

晩年に残した、
本の装丁の表紙で、その顔を見れたことへの驚き!


この本には、
ヘッセが愛する、最後の婦人となった人と共に、

壮大な庭に、我が子を育てるように、花を育て、慈しみ、

語りかけ、存分に花を愛する、

美しい老人の姿が、描き出されていました。

花にたむける詩と、スケッチした花の絵が、

ヘッセの晩年の宝庫のように、散りばめられているのです。

そして、ヘッセは庭に佇みながら、

あらゆる自然世界を観察し、

自然と人生の真理を、絶えず、静かに、考える。

私は、しばらくこの本を、
枕元から手放せませんでした。

わらかごを背に、
庭を歩いている時の、にこやかな微笑み…


平和をひたすらに求め続けた、

ヘッセの美しい横顔に、

神はきっと

恩寵の光を与えたにちがいない


彼の愛する大いなる自然、

 そして、溢れるような

花びらの芳香と共に!



「庭仕事の愉しみ」へご案内!

ヘッセのスケッチ・「庭仕事の愉しみ」より





ヘルマン・ヘッセ経歴
1877~1962

ドイツのビュルデブルク州カルブ生まれ。
父はプロテスタントの聖職者。
14歳のとき、名門の神学校に入学するも半年で中退、
自殺未遂を起こす。
見習い工、本屋の店員を経て詩人デビュー。
第一次世界大戦時は平和主義を唱え、
これを機にロマン・ロランと親交を結ぶ。
1919年、スイスに移住、23年、スイス国籍を取得









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Last updated  2007.04.13 21:25:13


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