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フラゴナール『読書する少女』 【マリーエンバートの哀歌】 詩・ゲーテ 愛する能力、愛せられる望みは 拭いさられ、消えうせぬ 喜ばしき、 たくらみ 、決意、すばやき行為の希望が すぐに見つけられぬ。 愛が恋するものの心を感動させるということが わが身にもまたすばらしく起こりぬ。 あの人のおかげで 好もしからぬ苦しみの 心にひそむ不安がいかにわが身と肉体にのしかかりしぞ。 苦に悩む虚な心のすさまじき内部にて わが瞳、恐ろしき像に囲まれぬ。 今は希望のかそけき光、入口よりさしきたり やわらかき陽の光のなかに かの人の姿あらわれぬ。 世にもあいらしき 女(ひと)のいる前にては、 愛の明るき平和を この世にて理性よりも多き幸をもたらす 神の平和にたとえよう。 かくて、わが心はなごみ、われはかの人のものという 深き心をまがぐるものとてなし。 わが胸のけがれなきあたりに、 永遠に名づけがたきものの謎を解きつつ より高きもの、より純粋なもの、未知なるものに 感謝の心もて 身を捧げたいという衝動が湧ききたる。 そは敬虔の心というべし かの人の前にたてば かかる高き幸せの手にいれられるを感じぬ。 冬のほこら深く凍てつきて かたくなりしわがままの心は かの女 (ひと) の瞳にて陽にあたりしごとく かの女 (ひと) の呼吸にて 春の息吹にあたりし如くにとけさりぬ。 わがままの心も、かたくなの心も永くはつづかず、 かの女 (ひと) の来たりならば、流されていきぬ。 (桜井正寅訳) リャド『ゲーテの詩と共に』 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 『ゲーテの魅力』について 『ゲーテ・最後の恋』 ゲーテが最後に愛した女性は、 19歳の少女・ウルリーケ・フォン・レヴェッツォーでした。 1823年の夏、74歳になるゲーテは、 結婚を申し込みますが、 息子をはじめとするまわりの人の、大きな反対にあい、 ゲーテを悩ませ、結局、結婚は諦めることになりました。 ゲーテは、この最後の恋を通しての、 自らの魂の確固たる存在を、 「マリーエンバートの哀歌」の中で、 神への崇拝そのものとして、うたえあげています。 この詩を読むと、ゲーテが ウルリーケを、一人の女性としてどれほど愛し、 どれほど精神的な影響をうけたかがわかります。 ゲーテの、永遠の母なるものとしての 女性への、真実の愛の賛歌が、 繊細にして、誇り高くうたわれています。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ いつも、応援ありがとうございます!
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Jose2812
リヤドロが大好きで、リヤドロミュージアムを創っています。大作の手作りミニチュアドールハウスも☆ イギリス縦断、地中海クルーズ、北欧4カ国の紀行文を、豊富な写真でお届けしています。心豊かな大人のロマンのひとときを、ご一緒に☆
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